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Iスペース Research Memo(5):2020年9月期はメディア運営事業の投資継続方針により、期初計画を据え置く

2020/6/11 15:05 FISCO
*15:05JST Iスペース Research Memo(5):2020年9月期はメディア運営事業の投資継続方針により、期初計画を据え置く ■今後の見通し 1. 2020年9月期の業績見通し インタースペース<2122>の2020年9月期の連結業績見通しは、売上高が前期比5.4%減の27,000百万円、営業利益が同54.4%減の400百万円、経常利益が同55.1%減の400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.7%減の260百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期累計業績については計画を上回り、通期計画に対する進捗率は営業利益で79.3%に達しているものの、下期もメディア運営事業において積極的な開発投資を予定しているほか、4月よりユナイトプロジェクトを新たに子会社したこと、また、新型コロナウイルス感染症の影響についても不透明なことから、通期計画については据え置きとしている。 (1) インターネット広告事業 4月以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響について見ると、人材派遣分野やエステ等のサービス分野の一部で広告出稿が落ち込んでいるほか、SFAについても携帯電話ショップの営業時間短縮の影響を受けて新規獲得が進まない状況となっている。一方で、食品デリバリー等の宅配サービス分野が伸びているほか、在宅勤務が増えたことで通信サービス分野も売上げが増加しており、3月以降急増した金融分野についても堅調に推移している。また、eコマース分野で前期から続いていた大型プロモーション案件については上期で終息し、下期はほとんど見込んでいない。 以上から、下期の売上高については上期比で1ケタ減程度の売上水準となる見込みで、通期では前期比1割前後の減収減益となることが予想される。同社では下期の取り組みとして、アフター・コロナにおける「新しい生活様式」に付随して需要拡大が見込まれる新規ジャンルの開拓に注力していく方針で、2021年9月期以降の収益拡大を目指していく。 なお、SFA事業における新たな取り組みとして2020年4月より、20~30代の女性層をターゲットとしたアパレルショップ「レトロガール」の店舗において、人気全身脱毛サロン「キレイモ」(全国68店舗)の紹介を行う取り組みを開始している。まずは10店舗から開始し、全国94店舗に順次拡大する予定だ。そのほかにも、ロードサイド型の路面店舗や婦人服など、ターゲットの異なるアパレル店舗約1千店舗に加え、アパレル以外の美容関連の店舗とも提携が決まっているようで、今後の動向が注目される。 また、海外事業に関しても新型コロナウイルス感染拡大の影響で、eコマース市場が一段と拡大しており、アフィリエイト広告の需要も着実に拡大している。インドネシアの回復がやや遅れたこともあって、通期売上高は4億円強程度(ベトナムを含めると12億円強)と前期比1ケタ増にとどまり、利益面でも若干の損失計上が続く見通し。ただ、成長ポテンシャルは大きく、同社は今後もアフィリエイトサービスプロバイダーとしての先行者メリットを生かして、同市場で積極展開を進めていく方針だ。将来的には、インターネット広告事業の中で、海外事業の売上比率を20~30%まで引き上げていくことを目標に掲げている。 (2) メディア運営事業 メディア運営事業における新型コロナウイルス感染拡大の影響については、巣ごもり現象により「ママスタジアム」など自社運営メディアのPV数は伸びているが、タイアップ広告などの予算縮小や出稿自粛といった動きが見られ、また、アドネットワーク単価についても需給軟化により下落傾向となっている。こうしたなかで、同社は既存メディアのトラフィック増加に合わせてユーザーの囲い込みを図るほか、オンラインサービス(オンラインyoga、オンライン対応の学習塾紹介)のコンテンツを拡充することで収益基盤を強化していく方針となっている。 通期売上高は「ママスタジアム」の広告収入増に加えて、成果型メディアの売上計上変更(ネット計上からグロス計上に変更)、ユナイトプロジェクトの子会社化などもあって前期比2ケタ増収となる見通し。一方、事業利益に関しては新規メディアの開発を継続して進めていることや、ユナイトプロジェクトがまだ収益化していないこと、のれん償却が20百万円程度発生することなどから、前期比で2ケタ減益になるものと予想される。 (3) ユナイトプロジェクトの子会社化について 4月に子会社化したユナイトプロジェクトは、学習塾ポータルサイト「塾シル」の開発・運営を行っている。ビジネスモデルは、「塾シル」に掲載した学習塾に、ユーザーが資料請求を行った時点で、件数当たりの送客手数料を学習塾から獲得する成果報酬型モデルとなっている。競合としてはイトクロ<6049>の「塾ナビ」がある。「塾ナビ」との大きな違いは、資料請求が一度に1件のみで、複数の学習塾を選択し一括請求する機能を付けていないことにある。ユーザー側から見れば、利便性がやや低下するものの、学習塾側から見れば資料請求件数に対する入塾率が高くなるため、費用対効果では優れたサービスとなっている点が挙げられる。また、「塾シル」では学習塾の情報(指導方針、料金、キャンペーン情報等)が豊富で、かつ見やすい構成となっており、サイトのなかで他塾との比較が完結しやすくなっていること、塾探しに役立つ関連情報が充実していること、オンライン授業を提供する学習塾の検索にも対応していることが挙げられる。 なお、2017年12月に「塾シル」をリリースして以降、2年半で170を超える学習塾(掲載教室数5千件)を掲載するまでに成長している。業界トップの「塾ナビ」(同8.5万件)と比較すると規模的にはまだ小さいものの、同社で運営する「ママスタジアム」と連携することで、認知度を高めていく方針となっている。既に「ママスタジアム」において、ユナイトプロジェクトの社長と学習塾塾長との対談インタビューも掲載するなど、具体的な取り組みも開始している。 塾・予備校の市場規模を見ると、少子化が続くなかでも年間9千億円台で安定して推移している。2020年度より始まった「新学習指導要領」によって、小学校では英語やプログラミング教育の導入が本格的に開始され、学習塾でもこれら科目への対応が進んでいる。また、学習塾の生徒募集活動では、従来のチラシ広告からインターネットを活用する方向にシフトしており、塾探しのための学習塾ポータルサイトの需要は今後も拡大が続くものと予想される。こうした市場環境下において、同社は「ママスタジアム(育児支援)」と「塾シル(教育)」の高い親和性を生かして、「塾シル」のユニークユーザー数並びに教室掲載数を拡大し、早期の収益化を目指していく戦略だ。なお、ユナイトプロジェクトの業績については2019年3月期で売上高14百万円、営業損失50百万円となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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2122 東証スタンダード
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時価総額 6,375百万円
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