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KLab Research Memo(3):人気IPのヒットタイトル創出を得意とするモバイルオンラインゲーム会社(2)

2020/3/31 15:53 FISCO
*15:53JST KLab Research Memo(3):人気IPのヒットタイトル創出を得意とするモバイルオンラインゲーム会社(2) ■会社概要 2. 企業特徴 (1) 成長モデル KLab<3656>の収益源はゲームユーザーによるアプリ内課金によるものである。すなわち、基本的にはヒットタイトルの創出によるユーザーの獲得と課金収入の向上が業績の伸びをけん引する成長モデルである。また、モバイルオンラインゲームのヒットタイトルは、運用次第で比較的ライフサイクルの長期化が見込めるものの、年々縮小していく傾向(自然減)は避けられない。したがって、ヒットタイトルの自然減を新作タイトルでいかにカバーしていくのかが最大のテーマとなっており、開発パイプラインの積み上げ(新作タイトルのリリース数)とヒット率の向上が成長のカギを握ると言える。もっとも、同社の場合には、長期運用力や海外展開における強みに加え、ゲーム周辺領域への事業拡大(マルチデバイスやメディアミックス展開)などにより1 タイトル当たりの収益(ライフタイムバリュー)の最大化にも取り組んでおり、他のゲームメーカーとは一線を画する成長モデルの進展にも注目すべきである。 (2) 同社の優位性 a) 人気IP をヒットタイトルに結び付ける力 同社は日本の人気漫画やアニメーションなどをゲーム化し、運用するところに強みがある。主要タイトルの「スクフェス」や「キャプテン翼」を始め、数々の人気IP を手掛けてきた実績は、有力IP の獲得から、そのIP を生かす企画・開発、更にはリリース後の運営及びマーケティングにおけるノウハウを蓄積しており、それが同社の強みを支えている。特に、日本のポップカルチャー(オタク文化)は、アジアや欧米など世界でも人気を高めており、海外展開を進めるうえでも大きなアドバンテージとなっている。また、有力IP をゲームでヒットさせてきた実績と経験、ネットワークは、更なる有力IP の獲得に向けて有利に働くとともに、自社IP の育成にも生かされており、好循環が生み出されている。 b) 独自のマーケティング力 精密なKPI 分析や効果測定による効率的な広告宣伝活動を展開するほか、同社ならではのオンライン動画配信※等により、コアとなるユーザー層を囲い込む(ファンコミュニティの醸成)、効果的なマーケティングを展開している。また、これらの草の根的なユーザー接点(ネットワーク)は、新作タイトルの企画・開発におけるヒントや、リリース後の運用においても大きな支えになるとともに、他社が簡単にはまねできない財産となっている。 ※国内向けは「KLab Games放送局+Plus」を運営(2015年11月より放送されていた「KLab Games放送局」のリニューアル版)。2018年8月に放送開始し、2019年8月に放送50回を突破した。一方、海外向けは「KLab Games Station」を展開し、英語版、フランス語版、アラビア語版に加え、2019年10月からタイ語版、12月から広東語版での放送をスタートしている。チャンネル登録数は2.6万人を突破。さらに今後は、繁体字中国語圏への配信も追加予定である。 c) 運営力 前述のとおり、一般的なモバイルオンラインゲームには年々縮小していく傾向(自然減)がある上、ユーザーの移り変わりも激しいところに課題がある。一方、同社の場合、最近の業績推移を見ると、時間が経過しても増収となる事例が見られることから、その運営力の高さも強みになってきた。その一例に「ブレソル」があり、国内版はリリース4周年を迎えた2019 年7月に、iOS 国・地域別最高セールスランキングにおいて過去最高の3 位にランクインした。コアファンを有する人気IP の特徴をうまく生かし、ユーザーが離れないようなイベント及び商材をタイミングよく投入することで、継続率及び課金率の向上を図っているところに秘訣があると考えられる。 d) 海外展開力 海外展開力にも強みがある。2019 年12 月期の海外売上高は2年連続で100億円以上を確保し、2018年12月期までの過去5 年間で10 倍以上に急拡大した。国内スマートフォンゲーム市場が成熟化しつつあるなかで、拡大余地が大きい海外への展開力は、同社の最大の強みと言える。特に、「ブレソル」については、多言語化を図ったことも奏功し、グローバル版が日本版を上回る状況が続いている。また、2017 年12 月にグローバル版をリリースした「キャプテン翼」が想定以上に急拡大し、足元では一服感が見られるものの、ここ数年の業績の伸びをけん引してきた。海外でも人気の高い日本のIP を展開する力に加えて、多言語化対応や広告運用スキル(地域別及び言語別に訴求軸を意識した制作やターゲット別の適切な配信)、ファンコミュニティの醸成(海外向けのオンライン動画配信を始め、欧米のリアルイベントにも出展・参加)、App Store / Google Play のフィーチャー※などが、同社の海外展開力の源泉となっていると考えられる。 ※App Store / Google Play とは、アップル<AAPL> やGoogle が運営するダウンロードサービスであるが、その特設ページに掲載(推奨アプリとして紹介)されることにより絶大な広告宣伝効果を期待できる。「ブレソル」や「キャプテン翼」についてもApp Store / Google Play のフィーチャーが効果的(かつ効率的)なプロモーションを実現したと言える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《EY》
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時価総額 8,888百万円
モバイルオンラインゲームの開発・運用等を行う。「BLEACH Brave Souls」、「キャプテン翼」などが主力タイトル。ラピスリライツ等のIP事業も。ハイブリッドカジュアルゲームの新規開発等を推進。 記:2024/08/23