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カイカ Research Memo(2):金融機関向けのシステム開発に強み

2020/1/27 15:02 FISCO
*15:02JST カイカ Research Memo(2):金融機関向けのシステム開発に強み ■会社概要 1. 事業概要 カイカ<2315>は、金融業界向けのシステム開発を主力とする「情報サービス事業」のほか、「仮想通貨関連事業」、eワラント証券(株)などの買収に伴い2018年10月期よりスタートさせた「金融商品取引事業」を複合的に展開している。また、2019年4月には法人向け学習管理システムや育成型人材紹介事業を手掛けるアイスタディ<東証二部2345>を子会社化したことにより、「HRテクノロジー事業」が新セグメントに追加された。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発を中心として、長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、ブロックチェーン技術者は約500名を誇る。ブロックチェーン技術を活用したFinTech関連を戦略的注力分野に位置付けており、自社開発による「仮想通貨交換所システム」の外販(海外展開を含む)など、仮想通貨ビジネスへの取り組みを加速していく方針である。また、第一種金融商品取引業であるeワラント証券や仮想通貨交換業者を自社グループ内に抱えるシステム開発会社という、他に例を見ないユニークな事業基盤を活かすことで、金融とITをシームレスに統合したこれまでにないタイプの事業モデルの構築(金融プラットフォーマー構想)にも取り組む方向性を描いており、同社は新たなステージを迎えようとしている。 各事業の概要は以下のとおりである。 (1) 情報サービス事業 創業来の主力事業であり、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業等、多様な業種でシステムを構築している。特に、金融業界向けのシステム開発が70%程度を占め、同社の強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(2次請け)が中心であるものの、特に金融機関向けのシステム開発は継続率が高いため、事業基盤は安定している。同社単体のほか、子会社の(株)東京テック(2017年2月から連結化)及びネクス・ソリューションズ(2017年8月から連結化)が展開してきたが、ネクス・ソリューションズについては2019年9月に全株式を売却し、連結除外となっている。 (2) 仮想通貨関連事業 2017年11月に仮想通貨に関するシステムの研究、開発、販売、コンサルティング、仮想通貨の投融資及び運用を行う戦略子会社(株)CCCTを設立したことに伴い、2018年10月期からセグメント区分された事業である。前述のとおり、成長性が期待でき、これまでの知見が生かせる戦略的注力分野として位置付けられている。仮想通貨関連のシステム開発については、同社グループ内※1の仮想通貨交換所「Zaif」や「フィスコ仮想通貨取引所」の保守・改修に加え、FinTech分野向けの自社製品として開発を進めてきた「仮想通貨交換所システム」の外販等を手掛けている。一方、仮想通貨の投融資運用は、仮想通貨に関するシステム構築のノウハウ獲得のために行っているものである。また、ブロックチェーン技術を用いたアートの登録・管理システムの開発も手掛けており、公証プラットフォーム「regist ART」として(株)レジストアート※2に提供している。 ※1 2018年12月に仮想通貨交換所「Zaif」や「フィスコ仮想通貨取引所」を運営する(株)フィスコ仮想通貨取引所を有する(株)フィスコデジタルアセットグループ(以下、FDAG)と資本業務提携を行うとともに、FDAGを持分法適用関連会社としている。 ※2 ブロックチェーン技術による美術品登録サービス等を手掛けており、2018年3月に同社と資本業務提携を締結している。 (3) 金融商品取引事業 2018年2月に金融商品取引業(金融商品取引法に基づく第1 種金融商品取引業)を営むeワラント証券などを連結子会社化したことに伴い、2018年10月期から新たなセグメントとして追加された事業である。eワラント証券は、カバードワラント※の商品設計、システム開発、安定運用等について、高度な専門知識と経験を持つスタッフを擁するとともに、日本における代表的な小口の投資家向け店頭カバードワラントである「eワラント」(eワラント証券の登録商標)を提供している。「eワラント」はこれまでオンライン証券を通じて取引されていたが、2019年9月よりeワラント証券自身による直接販売「eワラント・ダイレクト」を開始。また、2019年12月にはEVOLUTION JAPAN証券から「eワラント」の販売の取扱事業を譲り受け、更なる販売体制の強化も図っている。将来的には、仮想通貨分野における新たな金融プラットフォームの構築に向けて重要な役割を担う。 ※カバードワラントとは、金融商品取引法上の有価証券であり、オプション取引に係る権利を表示する証券のこと。「オプション取引」と同様に、投資家はオプションの買い手として、株式等のコール型ワラント(買う権利)やプット型ワラント(売る権利)を購入することができる。 (4) HRテクノロジー事業 2019年4月に法人向け学習管理システムや育成型人材紹介事業を手掛けるアイスタディ<東証二部2345>を連結子会社化したことに伴い、2019年10月期から新たなセグメントとして追加された事業である。アイスタディは、eラーニングや社員のスキル・資格取得状況の管理を行うシステムの開発及び販売、ビデオ配信を行う「LMS※事業(ソフトウェア事業)」のほか、オラクル<ORCL>、IBM<IBM>などベンダー認定の研修事業や教育コンテンツの販売、カスタムコンテンツの制作・配信を行う「研修サービス事業」、従来の人材育成関連の事業にとどまらず、育成人材の評価及びクライアント企業への有料紹介斡旋等、クライアント企業における人材に関わる部分をトータルで提供する「育成型人材紹介事業」を展開している。とりわけ2018年5月から開始した「iStudy ACADEMY」(育成型人材紹介事業)については、人材不足が顕著となっているAIやデータサイエンスなどの人材を育成する一方、クライアント企業(求職者)が受講状況や成績を参照し、選考できるようにすることでマッチングの精度をより高めた、新しい形の人材紹介ビジネスとして注目されている。また、同社グループ自身においても高度IT技術者の育成・獲得は重要課題となっていることから、人材確保面での連携も期待できる。 ※Learning Management Systemの略。 2. 企業グループの状況 同社グループは、同社のほか、連結子会社11社※1、持分法適用関連会社2社※2により構成されている(2019年10月期末現在)。なお、2020年3月を目途に持株会社体制へ移行する予定であり、同社については「株式会社CAICA」に商号変更するとともに、持株会社としてグループ全体のマネジメントに特化する。もっとも、事業セグメントに変更はなく、同社から事業を引き継ぐ新会社(株)CAICAテクノロジーズ(情報サービス事業)のほか、CCCT(仮想通貨関連事業)、eワラント証券(金融商品取引事業)、アイスタディ(HRテクノロジー事業)を中核事業会社とする体制となるもようだ。 ※1 SJ ASIA PACIFIC LIMITED(中間持株会社)、CCCT、東京テック、eワラントグループ4社(eワラント証券のほか、海外子会社3社)、アイスタディ、エイム・ソフト、ネクストエッジ、カイカ分割準備会社の11社。 ※2 (株)ネクス、FDAGの2社。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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時価総額 7,647百万円
システム開発等を行うITサービス事業が柱。金融向けシステム構築に強み。NFT販売プラットフォーム「Zaif INO」の運営等を行う金融サービス事業も。ITサービス事業ではDXソリューションサービスに注力。 記:2024/10/22