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ダイナムジャパンHD Research Memo(1):厳しい業界環境が続くなか、業界大再編時代への備えが着実に進捗

2019/12/25 15:01 FISCO
*15:01JST ダイナムジャパンHD Research Memo(1):厳しい業界環境が続くなか、業界大再編時代への備えが着実に進捗 ■要約 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みと特長がある。また、顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など、質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。 1. 厳しい環境のなか、パチスロ機へのシフトやローコストオペレーションの徹底により増収増益で着地 同社の2020年3月期中間決算は、営業収入73,970百万円(前中間期比0.5%増)、営業利益14,042百万円(同14.5%増)、税引前中間利益13,150百万円(同6.0%増)と増収増益で着地した。厳しい事業環境のなかでパチンコの稼働率は減少したもののパチスロは堅調で、同社もパチスロ機へのシフトを強化して収入増に努めた。粗利益率の上昇もあり、営業収入はわずかながら前中間期比増収を確保した。費用面ではパチスロ機導入で機械費が増加したもののその他の店舗営業費用の削減に努め、営業増益を達成した。 2. 中長期の成長戦略は不変ながら、足元は2018年規則への対応を優先。迫る費用増加への備えは万全 中長期の成長戦略については、店舗数の拡大と既存店客数の拡大の2つの軸による成長を目指しており、この点は従来からまったく変化はない。しかし足元では2018年2月の出玉率についての新規則を視野に入れた計画的な対応が必要となる。これはパチンコホールに対して2021年1月31日までに、すべての遊技機を2018年規則に対応した機種への入替を迫るもので、一時的に機械費が大幅増となり、収益を大きく圧迫することが予想されている。同社については店舗数がグループ全体で449店舗と非常に多いため、通常のペースに比べて200億円ほど機械費が増加すると試算される。これを2020年3月期と2021年3月期の2年間のうちに消化する必要があるが、かなりの部分が2021年3月期にずれ込む可能性もあり、その場合は一時的に大幅減益になる可能性もある。同社はここ数年、有利子負債削減と収益性強化に努めており、備えは万全な状況にある。 3. 2018年規則への対応は業界再編のトリガーとなる可能性。競争力に優れる同社にとっては飛躍のチャンス 2018年規則は、同時にまた、業界再編のトリガーとなる可能性がある。機種入替に伴う費用増は同社にとっても大きな負担だが、2022年3月期以降は再び増益に転じ、それを回収できる可能性が高い。同業他社の中には事業継続を断念するケースも少なくないとみられており、ローコストオペレーションの強みを有する同社は、そうしたなかで着実に残存者利益を獲得できると弊社ではみている。新規事業として2020年3月期から本格的に始まった航空機リース事業も順調だ。2019年10月までに2件のリース契約が成立し、2020年3月期中にさらに成約が見込まれている。リターンの評価尺度であるIRR(内部収益率)は、同社の期待値どおりの5~6%程度の水準を確保できているとみられる。 ■Key Points ・2018年規則への対応は順調に進捗。業界大再編時代に向けて、足元は体力を温存 ・航空機リース事業が本格的にスタート。2019年11月時点で2件のリース契約を締結し引渡しを完了済み ・2022年3月期以降は残存者利益による新たな成長期に入る可能性 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《MH》