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後場に注目すべき3つのポイント~中長期リスクあれど需給要因が目先支え

2020/6/19 12:45 FISCO
*12:45JST 後場に注目すべき3つのポイント~中長期リスクあれど需給要因が目先支え 19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり小幅反発、中長期リスクあれど需給要因が目先支え ・ドル・円は反落、利益確定売りで ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファーストリテ<9983> ■日経平均は3日ぶり小幅反発、中長期リスクあれど需給要因が目先支え 日経平均は3日ぶり小幅反発。30.95円高の22386.41円(出来高概算4億6000万株)で前場の取引を終えている。 18日の米株式市場でNYダウは小幅に続落し、39ドル安となった。週間の新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったほか、各州で新型コロナウイルスの感染者数が連日増加しているため、大きく下落して始まった。ただ、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数や5月の景気先行指数が予想を上回り、景気回復への期待が相場を下支えした。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は5日続伸。また、国内でも都道府県をまたぐ移動制限が全面解除となったことから、本日の日経平均は反発期待の買いが先行し160円高でスタート。寄り付き後は時間外取引でのNYダウ先物の伸び悩みなどから上げ幅を縮め、マイナスに転じる場面もあった。 個別では、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>やファーストリテ<9983>が堅調。新たに開示した今期業績見通しが市場予想を上回った東エレク<8035>は5%上昇し、一部証券会社の投資判断引き上げが観測されたアドバンテス<6857>も2%超上昇するなど、半導体関連の一角で上げが目立つ。中小型株ではDLE<3686>やチェンジ<3962>が急伸し、売買代金上位にランクイン。また、一部事業の売却が報じられたペッパー<3053>や業績予想を上方修正した西松屋チェ<7545>はストップ高を付ける場面があった。一方、前日におよそ12年ぶりとなる5万円台を回復した任天堂<7974>は小反落。ソニー<6758>、レーザーテック<6920>、トヨタ自<7203>なども小安い。また、古河電池<6937>などが東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、空運業、陸運業、精密機器などが上昇率上位。半面、鉄鋼、保険業、海運業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の32%、対して値下がり銘柄は62%となっている。 本日の日経平均は3ケタの上昇でスタートしたが、買いが続かず失速する展開となっている。日足チャート上では22260円近辺に位置する5日移動平均線を終始上回り、底堅い印象。米国でハイテク株が堅調な値動きを見せていることは支援材料となるが、一方で新型コロナの感染再拡大などへの警戒感からNYダウの上値は重く、週末ということもあって積極的には買い進みにくいところだろう。ここまでの東証1部売買代金は9000億円にも届いておらず、主力大型株の手控えムードが窺える。 売買代金上位ではファーストリテなどの値がさ株が日経平均を押し上げる一方、やや利益確定売り優勢の銘柄が多く、東証株価指数(TOPIX)は小幅に3日続落。とはいえ、強気の会社計画に先行き警戒感が和らいだ東エレクは大きく上昇し、「買える銘柄は買いたい」との思惑が強いことも透けて見える。業種別騰落率では、移動制限の緩和で業績回復が期待される空運業や陸運業が上昇率上位にランクインする一方、典型的なシクリカルバリュー株(景気敏感系の割安株)である鉄鋼や海運業が下落率上位にランクイン。 また、IT化サポートのチェンジが売買代金上位にランクインし、連日で年初来高値 を更新している。企業のデジタルトランスメーション(DX)推進などを背景に、新興 株への個人投資家の期待は引き続き強そうだ。新興市場ではマザーズ指数が4日続伸し ている。 前引けのTOPIX下落率は0.34%にとどまり、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れは実施されないと睨んだ短期筋の売りが出てくる可能性はある。ただ、アジア株式市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が小動き。時間外取引のNYダウ先物も大きく下押ししているわけでなく、積極的に売り込もうとする向きは限られるだろう。後場の日経平均は前日終値近辺でのもみ合いになるとみておきたい。 さて、前日の先物手口を見ると、メリルリンチ日本証券のTOPIX先物売り越しがやや大きかったものの、日経平均先物では買い越し上位にランクイン。ほかにモルガン・スタンレーMUFG証券が日経平均先物を売り越していたが、やはり外資系証券全体として売り買い一方向に傾いている感はない。また、前日は日銀が4営業日ぶりに通常のETF買い入れを実施(1001億円)し、日経平均を下支えした。前述のとおり主力大型株の売買がやや低調となっているだけに、日銀ETF買いのインパクトは大きくなりやすい。これらを踏まえると、日経平均は当面、方向感が出にくいかもしれない。かねて当欄で述べているとおり、新型コロナ再拡大の懸念がくすぶるなかで底堅いが、上値も重いだろう。個人投資家の物色が中小型株に向く一因となりそうだ。 なお、中長期的には日米で親ビジネス・株高志向の現政権が交代し、現在の株高の構図そのものが根底から変わる可能性もある。米国では11月に大統領選が控え、各種世論調査で民主党候補のバイデン前副大統領が現職のトランプ大統領に対するリードを広げている点が市場の注目をじわりと集めているようだ。バイデン氏による穏健路線回帰が期待される一方、党内左派を取り込むため法人税増税や大企業規制に傾く懸念もある。また、今月下旬から企業の3-5月期決算発表、来月下旬から4-6月期決算発表があり、業績面への懸念が株価の重しになると予想する市場関係者は多い。 ただ、こうした中長期のリスク要因を抱えつつも、目先は需給要因が株価の下支えになるだろう。 ■ドル・円は反落、利益確定売りで 19日午前の東京市場でドル・円は反落。朝方の取引で円売り優勢となり、一時107円台を回復したが、日経平均株価の上げ幅縮小で円売りは抑制され、ドルは再び106円台に失速。その後は中国株や米株式先物のプラス圏推移で、一段のドル売り・円買いは抑えられた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円87銭から107円05銭、ユーロ・円は119円70銭から120円03銭、ユーロ・ドルは1.1200ドルから1.1213ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・西松屋チェーン<7545>、ペッパーフードサービス<3053>など、12銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がファーストリテ<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・5月全国消費者物価指数(生鮮品除く) :前年比-0.2%(予想:-0.1%、4月:-0.2%) 【要人発言】 ・日銀金融政策決定会合議事要旨(4月27日) 「委員は政策金利のフォワードガイダンスについても議論」 「物価安定目標に向けたモメンタムはいったん損なわれていると判断せざるを得ず、政策金利のフォワードガイダンスは感染症の影響に紐づけたものに変更することが適当」(ある委員) 「政府の緊急経済対策を受けた国債発行の増加の影響を踏まえ、イールドカーブ全体を低位で安定させる観点から、国債買い入れをさらに積極的に行うことが望ましい」(何人かの委員) <国内> ・月例経済報告 <海外> ・15:00 英・5月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:+6.3%、4月:-18.1%) ・15:00 英・5月公的部門純借入額(銀行部門除く)(予想:+500億ポンド、4月:+621億ポンド) ・EU首脳会議(テレビ会議) 《HH》
関連銘柄 13件
3053 東証スタンダード
196
11/26 15:30
+9(%)
時価総額 11,645百万円
「いきなり!ステーキ」を主力とする外食チェーン。本格ステーキ専門店「炭焼きステーキくに」、こだわりとんかつ・かつき亭の運営、商品販売事業等も展開。いきなり!ステーキ事業では店舗サービス力の強化図る。 記:2024/08/27
3686 東証スタンダード
125
11/26 15:30
+1(%)
時価総額 5,314百万円
ファスト・エンタテインメント事業を展開。IP・コンテンツの制作及び販売、セールスプロモーションなどを行う。「秘密結社鷹の爪」等のIPを保有。朝日放送グループHDが筆頭株主。クラファンのアジア展開等に注力。 記:2024/10/05
1,307
11/26 15:30
-23(%)
時価総額 96,525百万円
企業や自治体のDX化支援ビジネスなどを手掛ける。IT人材の育成、ふるさとチョイスの運営等も行う。イー・ガーディアンなどを傘下に収める。LoGoチャット、LoGoフォームは有償自治体数が順調に増加。 記:2024/10/24
6758 東証プライム
2,983
11/26 15:30
+5.5(%)
時価総額 18,623,161百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
8,834
11/26 15:30
-398(%)
時価総額 6,768,090百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
16,705
11/26 15:30
-970(%)
時価総額 1,575,048百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6937 東証プライム
1,368
11/26 15:30
+5(%)
時価総額 44,870百万円
古河電気工業傘下の二次電池メーカー。自動車用などの鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン電池等を手掛ける。小惑星探査機「はやぶさ2」などで納入実績。トヨタなどが主要取引先。鉛電池の収益向上を図る。 記:2024/06/29
7203 東証プライム
2,667.5
11/26 15:30
-27(%)
時価総額 42,133,128百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7545 東証プライム
2,329
11/26 15:30
+51(%)
時価総額 162,073百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
7974 東証プライム
8,309
11/26 15:30
+110(%)
時価総額 10,790,815百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,650
11/26 15:30
-485(%)
時価総額 10,682,487百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9983 東証プライム
51,450
11/26 15:30
+720(%)
時価総額 16,372,470百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,844
11/26 15:30
-30(%)
時価総額 13,000,636百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17