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米国株式市場見通し:底入れ探るも過剰な強気は危険

2020/4/11 14:42 FISCO
*14:42JST 米国株式市場見通し:底入れ探るも過剰な強気は危険 米国の新型コロナウイルスの状況に関し、感染症の専門家で政権対策本部の主要メンバーであるファウチ氏が現時点での死亡者予想数を従来の10万‐20万人から6万人へと下方修正したことから、早ければ5月頃の経済活動再開に期待が高まっている。トランプ大統領は「トンネルの終わりが見え始めた」と言及、ムニューシン米財務長官もあくまでも新型ウイルスの感染状況次第としながらも、トランプ政権が経済の再開に取り組んでいることを明らかにした。サンダース氏が大統領選から撤退したことや、米政権の第4弾支援策への期待が引き続き相場の下支えとなりそうだ。一方で、経済活動の停止の影響で4−6月期の雇用や経済指標が過去最大の落ち込みとなることはほぼ確実な状況だ。経済が再開したとしても、ワクチンや治療薬が開発されない限り、人々の行動がウイルス危機前に戻ることは想定できず、経済や企業の業績も速やかに回復する保証はない。また、今までの強気相場を支えてきた企業の配当や自社株買いも期待できない。今後1-3月決算が本格化するが、大手銀や航空、小売りなどの決算に注目が集まるだろう。短期では不透明感が存続する中、長期投資家は優良株を安価で購入する機会を伺う展開が継続するだろう。 経済指標では、3月の小売売上高(15日)、4月ニューヨーク連銀製造業景気指数(15日)、4月NAHB住宅市場指数(15日)、3月住宅着工件数、許可件数(16日)、4月フィラデルフィア連銀景況指数(16日)、週次新規失業保険申請件数(16日)、3月景気先行指数(17日)などが予定されている。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は15日に地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表を予定している。新型ウイルスの蔓延拡大を受けた生産停止、休業を強いられた製造業や小売りが全米地区でどの程度、落ち込んだか状況が明らかになる。4月の地区連銀製造景況指数の結果には新型ウイルス危機の影響が100%織り込まれるため特に注目が集まる。 企業決算では金融では、JPモルガン、ウェルズファーゴ(14日)、バンクオブアメリカ、シテイグループ、ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、Eトレード、チャールズシュウェブ(15日)、ブラックロック、ブラックストーン(16日)などが予定されている。また、航空会社ではデルタ航空(13日)、ユナイテッド航空(14日)、ヘルスケア大手のジョンソン・アンド・ジョンソン(14日)、小売りのピアワンやベッド・バス・アンド・ビヨンド(15日)、ヘルスケアのユナイティッドヘルス(15日)、テクノロジーのハネウェル(17日)などが予定されている。大手航空会社は、資金繰りの状況が焦点となる。また、大手銀も低金利で利益率が圧迫されており収益悪化が警戒される。JPモルガンのダイモンCEOは減配や配当停止を示唆している。 (Horiko Capital Management LLC) 《FA》