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NYの視点:米利下げ軌道でFOMCと市場の見解異なる
2019/8/23 7:34
FISCO
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*07:34JST NYの視点:米利下げ軌道でFOMCと市場の見解異なる 米労働省が22日発表した最新の週次新規失業保険申請件数は前週比1.2万件減の20.9万件と前回22.1万件から予想以上に減少し4週間ぶりの低水準となった。依然、過去最低水準付近で推移した。失業保険継続受給者数は167.4万人と、前回172.8万人から予想以上に減少。6月初旬来の低水準となっており、米国の労働市場が依然強い新たな証拠となった。 米国の8月製造業PMI速報値が49.9と活動の縮小を示す50割れとなるなど、関税や世界経済の成長減速の影響を受けて米国の製造業や企業投資の鈍化が目出ち始めたが、雇用は強く消費を支え今後も成長をけん引していく可能性がある。失業保険申請件数の予想以上の減少は8月雇用統計をおしあげる可能性もある。9月連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定で鍵を握る雇用統計の8月分が強かった場合、FOMCの利下げ決定を不透明にする。 本日から米国ワイオミング州、カンザスシティーで連銀年次シンポジウムが開催されている。主催しているカンザスシティー連銀のジョージ総裁は22日のインタビューで「7月に利下げすべきでなかった」と主張。7月の利下げで政策金利は中立、または緩和に傾斜しており、追加緩和を供給する準備はないとした。緩和政策にはさらにリスクを生むコストがともなうと警告。 同総裁は7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、雇用や経済が順調で政策金利の据え置きを主張し、利下げに反対した。また、2019年の投票権は持たないがフィラデルフィア連銀のハーカー総裁も不本意にも7月の利下げを支持したが、現行で当面様子見すべきとの見解を示している。やはり投票権を持たないカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁はフォワードガイダンスの再開を提案。FRBが最低でもコアインフレが目標である2%を持続的に達成するまで利上げをしないとの公約をすべきだと主張。このガイダンスが経済を押し上げ、インフレが目標値に達する確率を引き上げると指摘している。 FOMCのメンバーは利下げに消極的。一方でトランプ大統領や市場は大幅な利下げを要求している。FRBの支援があまり得られないと見た米国債市場で長短金利は15日以降初めて再び逆転した。9月FOMCで追加利下げが見送られた場合、市場はより警戒感を強めリスクオフの動きが加速することになる。 《CS》
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