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2万円割れが現実味を帯びてくる

2019/6/3 8:57 FISCO
*08:57JST 2万円割れが現実味を帯びてくる  3日の日本株市場は、不安定な相場展開になりそうだ。中国政府は1日、年間輸入総額600億ドル規模の米国製品に対する追加関税率を従来の最大10%から最大25%にする報復措置を発動した。中国は対立長期化を辞さない考えを示しており、米中の貿易摩擦はさらに激しくなっており、摩擦の解消を全く展望できない状況に陥っている。  また、先週末の米国市場は、メキシコが不法移民への対策を取らない限り、同国からの輸入品に最大25%まで関税を賦課する方針を明らかにしたことが嫌気され、NYダウは354ドル安となり、終値では1月末以来の25000ドルを割り込んでいる。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の20425円。円相場は1ドル108円30銭台と円高に振れて推移している。  先週末の日経平均はメキシコへの関税報道を受けて先回り的に下げていたが、改めて売り直される格好になりそうだ。積極的な参加者が限られていることもあり、薄商いの中を先物主導のインデックス売買によって下へのバイアスが強まる可能性もあろう。米中関係が泥沼化する中、6月のG20までは大きな進展が期待できないため、結果的には下も売り込めず、基本的にはこう着感の強い相場展開を期待していた。しかし、G20での進展も期待しづらくなっており、より見送り姿勢が強まることになろう。  日経平均は20500円処が心理的な支持線として意識されているが、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、これを割り込んでくる可能性が高い。サポートを失うことから2万円割れが現実味を帯びてくるため、押し目を拾うスタンスにも神経質にさせてくるだろう。さらに、VIX先物のショートポジションの買い戻しも意識されやすく、しばらくは底値を探る展開を余儀なくされそうだ。そのため、リスク回避姿勢の中で、外部環境に振らされ難い材料株などでの短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりそうだ。  とりわけ、慎重姿勢の強い相場環境が継続していたこともあり、先高期待は高まっていなかった。それ故にロングポジションに大きく傾いているとは考えづらく、キャッシュポジションを高めていたと考えられる。指数の下落ほど個人の需給状況は悪化していないと考えられ、個別での値幅取り狙いで対応しつつ、底値を見極めるスタンスが続きそうである。 《AK》