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コロナ懸念も「売り一辺倒」ではない

2020/7/17 12:35 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;22773.95;+3.59TOPIX;1579.90;+0.84 [後場の投資戦略]  本日の日経平均は新型コロナワクチン開発への期待継続、TSMCの好決算や強気の設備投資計画を背景に反発スタートしたが、上値の重い展開となっている。16日は東京都の新型コロナ新規感染者数が286人と過去最多だった。また、米国でも感染者数が過去最多になったと伝わっている。米雇用回復が予想より鈍り、国内では旅行需要喚起策「Go Toキャンペーン」から東京発着が除外される見通しとなるなど、新型コロナ再拡大は経済活動にも影響し始めた。株価の上値が重くなるのも無理はないだろう。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、ここまでの東証1部売買代金が9000億円程度にとどまっていることからも買い見送りムードが窺える。  反面、値がさのソフトバンクGや時価総額トップのトヨタ自が堅調。さらに半導体関連もおおむね小じっかりで、日経平均や東証株価指数(TOPIX)は小幅ながらプラスとなっている。業種別騰落率にはディフェンシブセクターへの資金逃避も見られる。新興市場ではマザーズ指数が続落。米株式市場と同様に新興ハイテク株の売りが続いているが、中小型株全体を見渡すと東証1部でベイカレントやIRJ−HDといったところが賑わっている。売り一辺倒になっているわけではないと言えるだろう。  日銀による上場投資信託(ETF)買い実施が期待できないことから売りが出る場面もあるだろうが、中国・上海総合指数が反発していることは一定の安心感につながる。後場の日経平均も方向感に乏しい展開になると見込むが、本日の東京都の新型コロナ新規感染者数を注視しておきたい。  さて、日経平均は週半ばに23000円に接近する場面もあったが、その後上値が重い。とはいえ、本日も日足チャート上で22700円台に位置する5日移動平均線水準をキープしており、新型コロナ再拡大や米中対立への懸念が強まるなかでも大きく値を崩していない。前日の外資系証券の先物手口を見ると、日経平均先物を売り越す一方、TOPI先物を買い越していた。直近のバリュー(割安)株優位、グロース(成長)株劣位の流れを意識したものだろう。本日はその反動的な動きも見られるが、つまり日替わりでの循環的な物色が続いており、前述のとおり売り一辺倒とはなっていないわけだ。  また、15日に日証金<8511>が日経レバETF<1570>の自己取引を含む新規売りに伴う貸株申し込み停止などの規制(売り禁)の実施を発表したことも話題となっている。かねて指摘しているとおり、ここまで個人投資家や海外投資家は売り持ち高を増やしてきた。株式相場全体の底堅さは売り方にとって厳しい状況で、買い戻し主導での「意外高」の可能性はなお残る。(小林大純) 《AK》
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