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10日の香港市場概況:ハンセン3.0%安で4日続落、京東11.5%下落

2023/3/10 18:00 FISCO
*18:00JST 10日の香港市場概況:ハンセン3.0%安で4日続落、京東11.5%下落 10日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比605.82ポイント(3.04%)安の19319.92ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が203.73ポイント(3.06%)安の6445.90ポイントと5日続落した。ハンセン指数は年初来安値を更新し、昨年12月以来の安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1664億6520万香港ドルに拡大した(9日は1029億3070万香港ドル)。 内外環境の不透明感で投資家心理が冷え込む流れ。昨夜の米株安や、中国の景気鈍化が不安材料だ。直近で公表された経済指標の内容を受け、中国国内でも内需回復の遅れが指摘されている。2月の物価統計は予想以上に弱いものとなり、1〜2月の貿易統計では、輸入が前年同期比で予想以上に縮小した。また、昨夜の米株市場では、増資と損失で一部金融株が暴落し、主要株価指数も軒並み下落している。米雇用統計が今夜(日本時間午後10時30分)公表されることも気がかり。今後の米金利動向を占う意味で重要な指標となるためだ。(亜州リサーチ編集部) ハンセン指数の構成銘柄では、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が11.5%安と下げが目立った。同社が公表した10〜12月期決算は前年同期の赤字から黒字に転換したものの、増収率は減速している。ネット株全般に売りが広がり、ハンセン科技(テック)指数は3.8%安と他の指数をアンダーパフォームした。 中国自動車セクターも急落。比亜迪(1211/HK)が8.1%安、長城汽車(2333/HK)が6.2%安、吉利汽車HD(175/HK)が5.5%安、理想汽車(2015/HK)が4.1%安で引けた。電池・自動車メーカーの比亜迪は3月10〜31日にかけて、期間限定の販売促進キャンペーンを実施する。主要モデルなどの値下げが公表されたことで、競争激化の懸念が高まった。足もとでは、主要な自動車メーカーがそろって値引き販売に踏み切っている。 マカオ・カジノも安い。新濠国際発展(200/HK)が5.5%、金沙中国(1928/HK)が4.9%、銀河娯楽集団(27/HK)が4.1%、澳門博彩HD(880/HK)が3.9%ずつ下落した。 香港拠点の銀行セクターもさえない。恒生銀行(11/HK)が4.2%安、HSBC(5/HK)と東亜銀行(23/HK)がそろって3.7%安、渣打集団(2888/HK)が3.6%安で取引を終えた。 他の個別株動向では、生命保険大手のAIAグループ(1299/HK)が4.6%安。同社の通期決算は96%減益だった。増配方針を表明したものの、それを好感する買いは限定されている。そのほか、上述した京東集団の子会社、京東物流(2618/HK)が9.1%安。同社の通期決算は赤字継続だった。 一方、本土市場は5日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.40%安の3230.08ポイントで取引を終了した。自動車株が安い。エネルギー株、素材株、食品・酒造株、不動産株、インフラ関連株、金融株、ハイテク株なども売られた。 亜州リサーチ(株) 《CS》