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10日の香港市場概況:ハンセン0.7%高で続伸、不動産セクターに買い

2021/11/10 18:11 FISCO
*18:11JST 10日の香港市場概況:ハンセン0.7%高で続伸、不動産セクターに買い 10日の香港市場は、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比183.01ポイント(0.74%)高の24996.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が104.96ポイント(1.19%)高の8910.98ポイントと続伸した。売買代金は1362億4950万香港ドルに拡大している(9日は985億7400万香港ドル)。 中国不動産業を巡る不透明感がやや後退し、投資家心理が上向いた。証券専門メディアは10日、「不動産デベロッパーの一部が銀行間市場で近く起債する見込み」などと報道。メディアによると、一部の不動産デベロッパーが9日、銀行間市場取引業者の団体と行った座談会で起債計画を明らかにした。これは、国内起債に関する政策が緩和される兆しだという。 インフレ高進の警戒感で指数は安く推移していたが、後場途中からプラスに転じた。寄り付き直後に公表された10月の中国物価統計は、生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)がそれぞれ予想以上に前月から伸びが加速した。なかでもPPIはプラス13.5%に達し、26年ぶりの高い水準を記録している。(亜州リサーチ編集部) 不動産セクターが相場をけん引。融創中国HD(1918/HK)が14.9%高、華潤置地(1109/HK)が8.8%高、碧桂園HD(2007/HK)が7.9%高、中国海外発展(688/HK)が6.7%高で引けた。デベロッパーのほか、管理サービス銘柄群も急伸。世茂服務HD(873/HK)が15.8%高、保利物業発展(6049/HK)が10.5%高、融創服務HD(1516/HK)が10.3%高で取引を終えた。後場に入り急速に上げ幅を広げている。 ネット株も上げが目立つ。ハンセン科技指数は2.1%高と他の指数をアウトパフォームした。関連する構成銘柄では、騰訊HD(テンセント:700/HK)が4.2%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)と美団(メイトゥアン:3690/HK)がそろって2.6%高と値を上げている。 半面、非鉄セクターは安い。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が4.6%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.6%、江西銅業(358/HK)が1.9%ずつ下落した。 自動車セクターもさえない。比亜迪(BYD:1211/HK)が3.6%安、東風汽車集団(489/HK)が2.3%安、広州汽車集団(2238/HK)が2.0%安と値を下げた。業績動向を不安視。中国汽車工業協会は10日、今年10月の新車販売台数が前年同月比9.4%減の233万3000台に縮小したと発表した。 他の個別株動向では、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が5.2%安。産業統制の動きが警戒されている。中国政府系メディアの経済日報は9日、国内の乳製品業界を批判する専門家の論説文を掲載し、乳製品業界の重要な任務は消費者に安価で良質な乳製品を提供することだと指摘した。 一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.41%安の3492.46ポイントで取引を終了した。素材株が安い。消費関連株、エネルギー株、金融株、公益株、運輸株、インフラ関連株なども売られている。半面、不動産株は買われた。 亜州リサーチ(株) 《FA》