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井関農 Research Memo(7):2023年12月期は増収及び営業増益を見込む

2023/4/7 14:47 FISCO
*14:47JST 井関農 Research Memo(7):2023年12月期は増収及び営業増益を見込む ■今後の見通し 1. 2023年12月期の業績見通し 井関農機<6310>の2023年12月期の連結業績に関しては、売上高が前期比5.9%増の176,500百万円、営業利益が同27.3%増の4,500百万円、経常利益が同6.3%増の4,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同36.9%減の2,600百万円を見込んでいる。新型コロナやサプライチェーンの混乱、原材料価格の高騰など、外部環境の不確実性が依然として一定程度残るものの、中期経営計画の各種施策を推し進め、国内、海外ともに増収を見込む。利益面に関しては、増収及び価格改定による売上総利益の増加に加えて、販売会社の収支構造改革やPT井関インドネシアを中心とした最適生産体制の構築など、構造改革と経営効率化をさらに推し進めることにより、収益性を高めていく考えだ。 2. 国内事業 国内事業に関しては、資材価格高騰の影響に伴う農機需要への影響などが懸念されるものの、経営継続補助金の反動が一巡したことや米価が下げ止まっていることもあり、外部環境は堅調に推移することが予想される。こうした状況のなか、中期経営計画の各種施策を確実に推し進め増収を目指す。具体的には、農業の構造変化に対応し、大型農機・スマート農機の販売に注力する。加えて、クラウド型営業モバイルツール「i-Magazine」によって、営業業務の効率化と適切な情報提供によるサービス品質の向上に注力する。有機ビジネス拡大に向けた事業活動も行う予定であり、「アイガモロボ」を500台販売することを目指している。さらに、原材料価格高騰の影響を受けた販売価格の改定も引き続き実施する。 これらにより、農機製品の売上高は前期比11.9%増の52,500百万円、作業機・部品・修理収入の売上高は同4.3%増の43,800百万円を見込んでいる。2022年12月期においては、大型農機・スマート農機の販売に注力しながらも、サプライチェーンの混乱により、機会損失が発生した。2023年12月期においては、外部環境の不透明性は依然としてあるものの、大型農機などに対する市場のニーズを確実に取り込み、業績拡大に結びつけることが期待される。加えて、「ビジネスモデル転換」の1つとして付帯サービスの業績拡大に注力するなかで、メンテナンス収入も堅調に推移することが予想される。 3. 海外事業 海外事業に関しては、北米のコンパクトトラクタ市場は引き続き調整局面と想定しているものの、現地の適正な在庫レベルに向け出荷を進めることにより、前期並みの売上高を見込んでいる。欧州は引き続き好調な業績が継続することを見込んでいる。同社グループが高いプレゼンスを誇っている景観整備用トラクタなどのプロ向け市場を中心に、増収を見込んでいる。新型コロナの影響が段階的に薄らいでいくなか、コロナ対策に割いていた予算が、景観整備など他の分野に回されるようになっているという。景観整備に割かれる予算の回復によって、業績も好調に推移することが予想され、前期は低水準であった流通在庫補充を推進する。加えて、2023年12月期は限定販売を開始した電動モーアの本格投入に向けた顧客評価を進める。また、コンシューマー向けに環境に配慮した電動商品の拡充を進める。環境先進国である欧州において、環境に優しい製品ラインナップを拡充することは、同社製品群の訴求力向上につながると言える。アジアにおいては、タイの連結子会社IST社などによる販売網の強化や、タイで前期より販売を開始したインド製低価格小型トラクタの拡販などにより、増収を見込んでいる。 これらにより、北米の売上高は前期比3.6%減の18,800百万円、欧州が同4.4%増の26,200百万円、アジアが同9.3%増の9,400百万円を見込んでいる。特に欧州においては、前期にサプライチェーンの効率化と販売体制の強化が進み、海外売上高過去最高の更新に寄与した。引き続き好調に推移することが予想される。 前期に中期経営計画の目標達成と将来のさらなる成長に向けた土台が整ってきた。2023年12月期においては、これらの成果を土台として、業績が拡大していくものと弊社は見ている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎) 《SI》
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老舗農業機械メーカー。1926年に愛媛県松山市で創業。トラクタ、耕うん機等の整地用機械が主力。田植機、コンバイン、芝刈機などの製造・販売も。国内では畑作市場などへ経営資源集中。海外は事業拡大の加速図る。 記:2024/08/09