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日ピストン Research Memo(9):市場環境変化はあるがエンジン生き残りのシナリオも(1)

2022/12/27 15:29 FISCO
*15:29JST 日ピストン Research Memo(9):市場環境変化はあるがエンジン生き残りのシナリオも(1) ■日本ピストンリング<6461>の成長戦略 2. 市場環境 グローバル自動車市場は、新興国を中心に自動車需要の拡大が見込まれるものの、地球温暖化やエネルギー問題に対応するため、環境規制の導入やEV化に向けた動きが加速しているほか、ICE(Internal Combustion Engine:内燃機関搭載車)が減少し、パワートレイン構成に変化が生じている。一方で、水素エンジンや再生可能エネルギーを利用して生成したクリーンなe-fuel(e燃料)エンジンの開発も進められており、次世代モビリティの選択肢として新たに普及する可能性も予想されている。EVとHEV(Hybrid Electric Vehicle)のWell to WheelでのCO2排出量を比較すると、現在研究開発が進められている熱効率50%のエンジンを搭載したHEVは、EVに対し競争力があるためEV化が一気に進む可能性は低く、先進国においてエンジン生き残りのシナリオもあると想定している。なお、2022年12月にはトヨタ自動車が、タイで開催された耐久レースにクリーンな水素を燃料とするエンジンを搭載した「GRカローラ」で参戦した。水素エンジン車が海外のレースに出場するのは初めてで、カーボンニュートラル時代に向けた新たなクリーン燃料自動車の選択肢の1つとして水素エンジンをアピールしている。直近のトピックとしては、2022年8月、i Labo(株)が実施する水素エンジントラック開発プロジェクト(同社は2021年より参画)において、同社製のピストンリング及びバルブシートを搭載したエンジンの性能を評価する設備が稼働を開始した。 3. 経営戦略 長期ビジョン及び中期経営計画の目標達成に向けては、自動車業界の動向を踏まえ、(1) 既存事業(自動車エンジン事業)の収益力強化、(2) 新製品事業(非自動車エンジン事業)の育成・確立、(3) サステナビリティ経営の推進、の3つの重点分野にリソースを注力する。 (1) 既存事業(自動車エンジン事業)の収益力強化 既存事業では、環境規制に対応した高品質の内燃機関部品を提供することで顧客のエンジン開発に貢献し、収益力を強化する。具体的には、他社と差別化した技術でエンジンの熱効率50%達成に貢献する製品開発を進めるほか、e-fuelや水素燃料などカーボンニュートラルに向けた検討に取り組む。また、コア技術を生かして新興国市場への拡販を強化する。インドやアフリカといった新興国市場はEV化が見えておらず、当面はICE搭載車の拡大が続くと見込まれることから、成長余地のあるこれら新興国市場でのシェア拡大を目指す。また、大型商用車のEV化には課題が多く、当面はディーゼルエンジンを搭載していくことが見込まれることから、多くの案件獲得に成功している中国市場での大型商用車領域のシェア拡大を目指す。さらには、新車が徐々にEVに置き換わってもエンジン補修需要は底堅く推移すると見込まれることから、北米・中米・アフリカを中心にアフターマーケットビジネスのシェア拡大を推進する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《SI》
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自動車メーカー向けピストンリング、バルブシート、シリンダ、カムシャフト等を製造。金属粉末射出成形品など非自動車領域も。産業機器向け製品は伸び悩むが、自動車関連製品事業は収益伸長。24.3期1Qは2桁増益。 記:2023/09/16