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はてな Research Memo(2):UGCサービスのパイオニア、高い技術力を強みに法人向けサービスへ事業拡大(1)

2022/10/17 15:02 FISCO
*15:02JST はてな Research Memo(2):UGCサービスのパイオニア、高い技術力を強みに法人向けサービスへ事業拡大(1) ■事業概要 はてな<3930>は2001年に創立したインターネットサービス企業で、個人向けにユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスからスタートした。2014年以降は、同サービスで蓄積した技術・ノウハウを生かして、法人向けのコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスへと展開し、事業領域の拡大を図っている。また、法人向けビジネスでの経験がコンテンツプラットフォームサービスの強化などにも役立っており、3つのサービス領域でシナジーを高めながら、成長を続けている。 1. コンテンツプラットフォームサービス コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブックマーク」「はてなブログ」等のサービスを展開している。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいこと、長い文章や論考、コラムのようなものを発信するITリテラシーの高いブロガーが比較的多いことなどが「はてなブログ」の特長となっている。 売上高は「はてなブログ」等の無料ユーザーの画面に掲載されるアドネットワーク広告収入のほか、「はてなブログ」で本格的にブログを運営したいユーザー(個人・法人)に対して各種機能を有料で提供する月額課金収入で構成される。従来は売上高の8割程度を広告収入が占めていたが、最近は課金収入が伸びてきたことによって、広告収入の売上構成比が約6割まで低下している。アドネットワーク広告収入は主にPV数×広告単価で決まる。また、広告単価はその時々の需給によって変動するものの、趨勢的には低下傾向にある。このため、PV数をいかに伸ばせるかが売上成長のカギを握る。PV数については、サービスの登録ユーザー数を拡大していくこと、良質なコンテンツの投稿数を増やすことが重要となることから、優れた書き手や投稿者を惹きつけることでメディア全体の価値向上を目指している。 主要サービスは以下の3種類である。 (1) 人力検索はてな 2001年に開始した同社の最初のサービスであり、社名の由来ともなっている。検索エンジンで解決できない疑問があるときや簡単な統計を取りたいときに有用なQ&Aサービスで、ナレッジコミュニティサービスの草分け的な存在である。 (2) はてなブックマーク 2005年に開始した国内最大級のソーシャルブックマークサービス。気になったWebページを、感想やタグとともにオンライン上で簡単に管理できる。共有されたブックマーク先のページを見ることで、インターネット上で盛り上がっている話題を知ることができる。 (3) はてなブログ 2003年にサービスを開始した「はてなダイアリー」を進化させたブログサービスで、2013年に開始した。シンプルなデザインに、執筆を助ける機能が充実しており、長い文章をじっくり書いて発信したいハイエンドブロガー向けのサービスとして定評がある。 2012年より開始した有料サービス「はてなブログPro」は、使用可能ストレージ容量が無料プランの10倍となるほか、独自ドメインの設定や管理機能の強化、モバイル環境下での高速表示、画面上の広告配置の設定変更(非表示も可)など、本格的にブログを運営したいユーザー向けのサービスとなる。料金プランは月額1,008円、1年プラン8,434円(月額703円相当)、2年プラン14,400円(同600円相当)の3コースとなる。また、スタートアップ企業(設立5年以内)または小規模法人(資本金5千万円以下)向けに、2020年より「はてなブログBusiness」サービスを開始している。料金プランは月額4,980円、1年プラン41,800円(月額3,486円相当)、2年プラン71,700円(同2,988円相当)の3コースとなる。 2. コンテンツマーケティングサービス オウンドメディア(企業が顧客等に向けて伝えたい情報を発信するための自社メディア)の構築・運用支援サービス「はてなブログMedia」を2014年より開始している。同サービスはSaaSで提供しているため、顧客企業はサーバーの構築・保守運用が不要なほか、直感的なUI(User Interface)かつ複数人での編集作業が特長となっている。また、同社がUGCサービスで培ったシステム・ノウハウを生かし、費用対効果の高いオウンドメディアを構築できることが強みとなっている。 料金プランはレギュラープラン、ライトプラン、HRプラン(採用オウンドメディア)の3コースで、売上高は月額課金となるシステム利用料※のほか、コンテンツ作成支援料や、オウンドメディアを拡散していくための広告掲載料(「はてなブログ」等の同社UGCサービスを活用したネイティブ広告、バナー広告、タイアップ広告等)からなる。売上構成比はストック収入となるシステム利用料が1割程度で、残りをコンテンツ作成支援料や広告掲載料で占めており、システム利用料以外は顧客企業の予算状況によって変動する。 ※月額システム利用料はレギュラープランが個別対応、ライトプランが11.0万円、HRプランが7.7万円となっており、レギュラープランとライトプランは別途、初期導入費用が必要となる。 「はてなブログMedia」の運用件数はサービス開始以降順調に増加しており、2022年7月期末で128件となっている。1企業で複数の媒体を運用するケースもあり、ここ最近では働き方改革に関する情報発信や社員インタビューといった人材採用分野での活用を目的としたオウンドメディアのニーズが増大している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NS》
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マンガビューワ「GigaViewer」を中心とする受託サービスなどのテクノロジーソリューションサービスが主力。はてなブログ、はてなブックマーク等のサービスも。受託サービスが成長の柱。出版社DX支援に注力。 記:2024/10/05