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壽屋 Research Memo(3):人気キャラクターの版権を取得して企画開発から製販一体型で展開

2022/4/20 15:33 FISCO
*15:33JST 壽屋 Research Memo(3):人気キャラクターの版権を取得して企画開発から製販一体型で展開 ■事業概要 1. ホビー関連品における製品展開 壽屋<7809>は映画・アニメ・コミック・ゲーム等の人気キャラクターに関わるフィギュア、プラモデル、雑貨などホビー関連品の企画開発・製造・販売を展開している。版権元(コンテンツ保有者)から版権(コンテンツの使用許諾・販売権利)を取得し、製品の企画立案・開発、自社内の造形技術者による原型製作及び製品形態のデザイン業務を本社で行った後に国内外の卸売業者から事前に購入意向を確認し、採算性の判断を行ったうえで生産に移行する。製造は外部(主に中国の製造会社)に委託するファブレスメーカーである。1953年の創業以来約70年の歴史で培われたブランド力や製品企画開発力、さらに顧客の要望に対して柔軟に対応できる製販一体型の事業展開などを強みとしている。 (1) フィギュア 映画、アニメ、コミック、ゲーム等のキャラクターをフィギュア化し、細部まで造り込まれたディテールや塗装による色彩表現及び質感表現などのクオリティーを、量産品においても維持している。 (2) プラモデル 映画、アニメ、コミック、ゲーム等のメカニカルキャラクターを組立式キットとして立体で再現し、細部のディテールや質感表現はもとより、従来は塗装が必要であったプラモデルを、未塗装でもキャラクターの配色を再現できる精密な設計を施している。また、メカニカルな可動部分の再現やギミック(仕掛け・からくり)の再現にも重点を置いて製品化している。 (3) 雑貨 コミック、ゲーム、映画、歴史・史実等からキャラクターやアイテムをデザイン化し、生活雑貨等にアレンジしている。単なるキャラクター雑貨ではなく、今まで市場になかった商品を企画し、立体表現技術を生かしてデザイン性を高めた雑貨製品を展開している。特に女性向けジャンルでは、他社に先駆けて企画したイラストレーターによる独自アレンジ製品「es」シリーズのラバーストラップなどが定番シリーズとなっている。 地域別売上比は重点戦略の海外が上昇傾向 2. 地域別及び販路別売上高の推移 過去5期間(2017年6月期~2021年6月期)の地域別及び販路別売上高の推移は以下のとおりである。地域別売上高比によると、おおむね日本国内が約7割、海外が約3割で推移しているが、同社が重点戦略と位置付けている海外の売上比が、海外キャラクターを含めた幅広く高品質な製品ラインナップやクールジャパン需要の高まりなどを背景として上昇傾向となっている。 また販路別売上比によると、おおむね卸売販売が約7割、小売販売(ネット通販含む)が約3割で推移しており、構成比に大きな変動は見られない。なお品目別では、日本はプラモデル、海外はフィギュアが主力となっている。海外はこれまで同社プラモデルが行きわたらなかったため、今後は市場開拓余地が大きいと同社は見ている。 自社オリジナルIP製品にも注力 3. 事業背景 同社は、主に他社の人気IPの版権を取得して企画・製造している。版権使用許諾を受けるには版権元へ製品企画を申請し、製品仕様の詳細設計について承認を受け、利用の対価として使用料を支払う。版権使用は無条件で許諾されるのではなく、キャラクター等をフィギュアやプラモデルへと立体化した際の再現力や表現力が認められて、はじめて版権使用許諾を獲得することができる。同社は従来から再現力や表現力といったクオリティー重視の製品を企画・製造してきた豊富な実績があり、多くの版権元から高い評価を得て安定的な版権確保を実現している。なお一般的に、版権使用許諾は1社に独占的に与えられるとは限らず、同じコンテンツについて競合他社にも許諾される可能性がある。 また、相対的に利益率の高い自社オリジナルIP製品の強化にも注力している。2015年7月には中国政府文化部及びCCG EXPO主催社より、中国最大規模のアニメ・マンガ・ゲームの総合イベント「上海CCG EXPO 2015」において、自社オリジナルプラモデルシリーズ「フレームアームズ・ガール」が「最人気海外プラモデル賞」を受賞するなど、自社IPにおいても着実に実績を積み上げている。さらに自社オリジナルIPの海外利用権や商品化権など、国内外のパートナー企業に商品化許諾を行うことで二次利用も促進している。 自社IPは「フレームアームズ・ガール」シリーズなどが代表的製品 4. 自社IPにおける代表的製品 他社IPの代表的な製品としては映画「スター・ウォーズ」関連などがある。自社IPの代表的な製品としては、2009年11月に発売したプラモデル「フレームアームズ」シリーズ、2015年5月に「フレームアームズ」のスピンアウトシリーズとして発売した「フレームアームズ・ガール」シリーズ、2016年12月に発売したプラモデル「メガミデバイス」シリーズ、2021年1月に発売した女の子プラモデル「創彩少女庭園」シリーズや2021年12月に発売したプラモデル「エヴォロイド」、プラモデル「アルカナディア」シリーズ、などがある。さらに2022年2月には新規自社IPシリーズ「幻奏美術館」からキャラクター「水晶の天使 アリア」を発表した。 世界累計出荷数は、プラモデル「フレームアームズ・ガール」シリーズが2021年11月に200万個を突破、プラモデル「メガミデバイス」シリーズが2021年9月に100万個を突破した。いずれも好調に推移している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
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時価総額 15,184百万円
プラモデルやフィギュアを製造・販売。好採算の自社IP製品に力注ぐ。昨年12月の資本業務提携でテレビ朝日が筆頭株主に。24.6期上期は競合他社参入よる競争激化でシェア低下。想定以上の原材料高も利益の重石に。 記:2024/04/12