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学研HD Research Memo(5):教育分野の営業利益が2ケタ増と大きく伸長(1)

2022/1/11 16:05 FISCO
*16:05JST 学研HD Research Memo(5):教育分野の営業利益が2ケタ増と大きく伸長(1) ■学研ホールディングス<9470>の業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) 教育分野 教育分野の売上高は前期比2.0%増の78,919百万円、営業利益は同87.9%増の4,138百万円と収益性が大きく改善した。教室・塾事業が一部事業移管や事業譲受効果もあって増収増益となったほか、出版コンテンツ事業、園・学校事業とも減収ながらも増益となった。 a) 教室・塾事業 教室・塾事業の売上高は前期比10.9%増の31,493百万円、営業利益は同201.0%増の933百万円となった。このうち教室の売上高は前期比32.1%増の12,966百万円となった。園・学校事業から幼児教室を移管した影響で2,429百万円の増収要因となっており、これを除いた実質的な増収率は7.3%となっている。学研教室についてはコロナ禍の影響により教科会員数、認可教室数ともに前期比1ケタ台の減少傾向が続いたものの、2021年4月から開始した保護者向けコミュニケーションサービス「マナミル」等のデジタルサービスが寄与したことにより売上高は若干増加し、コロナ禍前の水準まで回復している。また、2020年4月に「小学館アカデミー」、2021年7月に「めばえ教室」を事業承継したことも増収要因となっている。利益面では、デジタルサービスの売上増や幼児教室の移管、事業承継効果等により増益となった。 塾の売上高は前期比0.2%減の18,526百万円となった。コロナ禍から順調に回復し、(株)創造学園や(株)早稲田スクールで過去最高業績を達成した一方で、不振が続いていた2社を清算したほか、不採算教室の整理を進めたことによる生徒数の減少が売上高の伸び悩み要因となった。一方、営業利益は好調塾の貢献と不振会社や不採算教室の整理を進めた効果で大幅増益となり、営業利益率は前期の1.3%から3.9%に上昇した。とは言え、好調2社の収益性が10%を超えていることを考えれば、まだ改善の余地は大きいと見られる。 b) 出版コンテンツ事業 出版コンテンツ事業の売上高は前期比0.6%減の31,531百万円、営業利益は同58.2%増の2,791百万円となった。このうち、出版の売上高は前期比7.7%減の20,781百万円となった。児童書・実用書の販売が好調だったものの、2020年7月にメディア事業を会社分割したことや巣ごもり特需の反動で学習参考書が減少したことで減収となった。一方、営業利益は前期並みの水準を維持した。不採算だった事業を売却したことや書籍の返品率が前期の35%から25%と大きく低下したことが寄与した。2021年は中学学習参考書の改訂年に当たり例年既刊本の返品があるが、書店での販売好調や在庫最適化等の流通改革に取り組んだことで返品数が少なかったためと見られる。この結果、営業利益率は前期の9.3%から10.2%に上昇した。 医学看護の売上高は前期比7.9%増の2,949百万円となった。看護書の販売減があったものの、看護師向けeラーニングの研修需要拡大が増収要因となった。2021年9月末の契約病院数は前期末比15.5%増の2,066施設となり、今後も2ケタ成長が続く見込みだ。増収により営業利益率も前期の16.6%から23.8%に上昇している。 出版以外の事業の売上高は前期比20.4%増の7,800百万円となった。教育ICTサービスを園・学校事業に移管したほか、文具カード・レターの不採算商品の整理を進めた一方で、英語事業の伸長が増収要因となった。営業損益は増収効果や不採算商品の整理を進めた結果、前期比で5億円弱縮小し、ほぼ収支均衡ラインまで改善している。 c) 園・学校事業 園・学校事業の売上高は前期比7.9%減の15,895百万円、営業利益は同50.8%増の745百万円となった。このうち、幼児教育の売上高は前期比9.8%減の10,820百万円となった。幼児教室を教室・塾事業に移管したことが減収要因となっており、実質的には10%程度の増収だったと見られる。先生向け衣類やコロナ対策衛生用品、大型遊具などの販売が好調だったほか、園舎設計の売上も伸長した。営業利益率も増収効果により前期の-0.2%から2.0%と黒字に転換している。 学校教育事業の売上高は前期比5.2%減の4,025百万円となり、営業利益も減益となった。中学校教科書の教師用指導書の採択部数が、前期の小学校向けに対して減少したことが要因で、営業利益率も8.2%から7.2%に低下した。新たにGIGAスクールに対応したデジタル教科書等のICT教材サービスを出版事業から移管している。社会教育事業の売上高は前期比2.5%増の1,050百万円となった。就職セミナーや企業向け研修のデジタル化を推進したことで、リアルのセミナーや研修会等からシフトした。また、商品サービスのデジタル化による原価抑制が進み、営業利益率も前期の16.5%から22.5%に上昇した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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教室・塾事業や出版コンテンツ事業等の教育分野、高齢者住宅事業や認知症グループホーム事業等の医療福祉分野が柱。市進ホールディングス等を傘下に持つ。高齢者住宅事業は入居率が高水準維持。不採算事業を見直し。 記:2024/10/07