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酒井重 Research Memo(3):ロードローラのトップメーカー。高付加価値化と海外シェアの拡大で成長を図る

2021/12/10 15:03 FISCO
*15:03JST 酒井重 Research Memo(3):ロードローラのトップメーカー。高付加価値化と海外シェアの拡大で成長を図る ■事業概要 1. 事業内容 酒井重工業<6358>の主たる事業は、道路舗装などに使われるロードローラの製造・販売で、ロードローラ関連が売上高の約95%を占める。一言でロードローラと言っても能力や大きさなどは多岐にわたり、同社の製品数はプラットフォームだけでも20種ほど、これにバリエーションを加えた最終製品数は70~80種に及ぶ。また、大きさは約1トンから20トン(大型土木向け)、中心の価格帯は500万円(中型ローラ)~1,000万円(大型ローラ)と幅広い。 2022年3月期第2四半期の地域区分別売上高※は、国内6,968百万円(売上高比率53.7%)、北米2,297百万円(同17.7%)、アジア3,298百万円(同25.4%)、中近東・ロシアCIS4百万円(同0.0%)、その他418百万円(同3.2%)となっている。 ※「地域区分別売上高」とは顧客向けに実際に販売された金額であり、決算短信での報告セグメントである「所在地別売上高」とは異なる。 2. 特色、強み 既述のように同社はロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーであるが、以下のような特色や強みを持っている。 (1) 専業メーカーとしての長い歴史 同社の最大の特色(強み)は、ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとしての長い歴史であろう。言い換えれば、選択と集中によるグローバルニッチ戦略によって専門性を高め、独自の技術を蓄積してきたことだ。 (2) 技術力 単に「道路を固める、舗装する」と言っても、それぞれの土地や土質、土壌などによって必要な圧力・回転力等(締固め技術)は異なる。そのため、工事会社はそれぞれの工事現場(地盤等)に合った異なる種類のロードローラが必要な場合も多い。同社は、長い間ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとして歩んできたことから、この「締固め技術」については高い技術力を誇っており、同業他社が追い付くことは容易ではない。 (3) 信用力 経験工学と実績に裏付けられた信用力も同社の強みだ。地下の締固め品質を確保する技術についてはブラックボックスであり、後発メーカーや非専業メーカーが容易に真似できるものではない。例えば、高温で運ばれてくるアスファルト合材は限られた時間のなかで施工する必要があることに加え、施工不良の場合は再施工という大きな代償を伴う。また、道路や盛土の施工品質問題の発生は遅効性があり、完工時の締固め品質はブラックボックスになる傾向にある。このような経験工学は、長年使い慣れたブランドと様々な現場経験による長年の知見が強みとなっており、これらの点が多くの顧客から信頼を得ている。 3. シェア及び競合 日本建設機械工業会のデータによれば、2020年度の国内建設機械出荷額は2.2兆円、このうち同社の主要製品であるロードローラ等の道路機械は2.8%となっている。この道路機械市場で、同社のシェアは70%超とトップメーカーとなっている。主な競合先としては日立建機<6305>などがあるが、いずれも専業メーカーではない。また、海外メーカーも一部進出しているものの存在感はない。したがって、国内においては、市場の浮沈がそのまま同社の業績につながっているとも言える。 世界市場(海外市場)では、正確な統計がないものの、同社のシェア(生産台数ベース)は6~7%と推定される。ただし、これは全世界をベースにしたもので、同社が主戦場としている日本、ASEAN、北米の市場に限ればシェアは20%程度のようだ。なお、世界市場での主な競合はCaterpillar<CAT>、FAYAT SAS、Deere & Company<DE>、Volvo Personvagnar ABなどであるが、ロードローラの専業メーカーは見当たらない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《NB》
関連銘柄 2件
6305 東証プライム
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11/22 15:30
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時価総額 726,443百万円
総合建設機械メーカー。ミニショベルや油圧ショベル等のほか、リジッドダンプトラックなど鉱山現場向け製品も。製品力、グローバルネットワークなどが強み。米州事業は拡大続く。海外レンタル事業の拡大等に注力。 記:2024/10/20
6358 東証プライム
2,389
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 21,133百万円
1918年創業の道路建設機械メーカー。ロードローラで国内トップシェア。路面切削機、散水車等も手掛ける。締固め技術に強み。ユアサ商事などが主要取引先。高付加価値化等による収益構造改革、アジア市場の深耕図る。 記:2024/10/04