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アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤での追加試験を実施

2021/9/7 15:01 FISCO
*15:01JST アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤での追加試験を実施 ■要約 アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。遺伝子医薬に特化した開発を進めており、将来的に「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目標にしている。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況などによって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。 1. 新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬の開発状況について 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチンの開発について、同社は2021年7月26日付で高用量製剤での第1/2相臨床試験を行うことを発表した。同試験は、有効性としての免疫原性をより高めるための取り組みとなり、先行品と同等程度の予防効果の高いワクチンを開発する必要があるとの判断から実施することとなった。目標症例数は400例で、2021年内の接種完了を目指す。なお、既に実施した第1/2相及び第2/3相臨床試験の結果については、2021年秋頃の発表を予定している。海外も含めた第3相臨床試験は今回の臨床試験の結果を見て判断していくことになるが、順調であれば2022年にも開始される可能性がある。一方、カナダのVasomune Therapeutics(バソミューン・セラピューティクス)(以下、Vasomune)と共同開発中の治療薬「AV-001」(中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者を対象)については、米国で実施した第1相臨床試験の良好な結果を受けて、現在FDA(米国食品医薬品局)と協議を行い、前期第2相臨床試験への準備を進めている。 2. その他開発パイプラインの動向 慢性動脈閉塞症を対象としたHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の国内における市販後調査※並びに適応拡大のための第3相臨床試験、米国での後期第2相臨床試験については、現在のところ順調に被験者登録が進んでいる。また、米国で実施している椎間板性腰痛症を適応症としたNF-κBデコイオリゴの開発については、後期第1相臨床試験で良好な結果(高い安全性と痛みの大幅な軽減及び持続効果)が確認されたことを受け、大手製薬企業とのライセンス契約の可能性も出てきており、第2相臨床試験の開始に向けた計画を策定している段階にある。オーストラリアで実施している高血圧DNAワクチンの第1相/前期第2相臨床試験は、現在全データの解析を進めている状況で、解析結果をもとに今後の開発方針を決定していくことになる。また、新たに子会社化した米国のEmendBio Inc.(以下、Emendo)については、先進ゲノム編集技術を生かした適応症の選定など、具体的なプロジェクト化に向けた協議を進めているほか、同技術をプラットフォーム化してライセンスフィーを獲得していくビジネスモデルについても検討を開始している。 ※「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能として、厚生労働省から条件及び期限付製造販売承認を2019年3月に取得し、同年9月より提携先である田辺三菱製薬(株)を通じて販売を開始すると同時に、市販後調査(予定症例数120例中、2021年6月時点で約100例)を実施している。同調査の結果を持って本承認の申請を行うことになる。 3. 業績動向 2021年12月期第2四半期累計(2021年1月−6月)の売上高は前年同期比37.1%増の23百万円、営業損失は7,540百万円(前年同期は1,766百万円の損失)となった。売上高はコラテジェン®の販売増により増加した。一方、営業損失が拡大しているのは、新型コロナウイルス感染症ワクチンの研究開発費用増加に加えて、新たに子会社化したEmendoの事業費用やのれん償却額(1,180百万円)を計上したことが主因となっている。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発費用については国の補助金等で賄われているため、国の認定が下り次第、営業外に補助金収入として計上される見込みとなっている。2021年12月期の業績見通しについては、合理的な算定ができないことから未定としている。なお、2021年6月末の現金及び預金は約238億円となっており、当面の事業活動を進めていくうえでの資金は確保している。 ■Key Points ・新型コロナウイルス感染症ワクチンは高用量製剤による追加試験を実施 ・新型コロナウイルス感染症治療薬「AV-001」は前期第2相臨床試験の開始に向けた準備を北米で進める ・HGF遺伝子治療用製品の市販後調査は想定を上回る進捗、日米で実施中の臨床試験も順調に進む ・椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴは、後期第1相臨床試験の良好な結果を受けライセンス契約の期待が高まる (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《AS》
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時価総額 8,753百万円
大阪大医学部発のバイオベンチャー。遺伝子医薬やDNAワクチンのバイオ医薬品を開発。受託数の順調増で手数料収入は伸長。研究開発費は減少。23.12期通期は損益改善。24.12期は大幅増収、損益改善計画。 記:2024/03/05