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学研HD Research Memo(2):2021年9月期第2四半期累計業績は10期連続増収、7期連続の営業増益を達成

2021/7/8 16:02 FISCO
*16:02JST 学研HD Research Memo(2):2021年9月期第2四半期累計業績は10期連続増収、7期連続の営業増益を達成 ■業績動向 1. 2021年9月期第2四半期累計業績の概要 学研ホールディングス<9470>の2021年9月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比3.0%増の78,077百万円、営業利益で同15.8%増の4,970百万円、経常利益で同13.5%増の4,826百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同1.4%減の2,344百万円となり、第2四半期累計として10期連続増収、営業利益は7期連続増益となった。コロナ禍による逆風が続くなかで、児童書・実用書の販売が伸長したほか、看護師向けeラーニングが好調を持続したことなどにより、教育分野が想定を上回る増益となった。また、オンライン化に取り組んだことで、旅費や会議費、交際費など合わせて398百万円のコスト削減を実現したことも増益要因となっている。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益に関しては、不採算事業の整理損失引当金や減損損失を特別損失として計上したことにより若干の減益となっている。 教育分野の営業利益が2ケタ増と大きく伸長 2. 事業セグメント別動向 (1) 教育分野 教育分野の売上高は前年同期比1.2%減の43,040百万円、営業利益は同35.1%増の3,843百万円となった。教室・塾事業、出版コンテンツ事業、園・学校事業とも増益となり、なかでも出版コンテンツ事業の利益増が大きく貢献した。 a) 教室・塾事業 教室・塾事業の売上高は前年同期比4.8%増の15,673百万円、営業利益は同31.1%増の485百万円となった。学研教室は、コロナ禍に伴い認可教室数、会員数ともに減少傾向が続いたものの、英語併修率が上昇したことにより顧客単価が増加した。また、園・学校事業から幼保・こども園向け幼児教室を移管したことや、2020年4月に小中学生向け学習教室「小学館アカデミー」を事業譲受した効果などもあり増収となった。利益面では、増収効果に加えて会員募集費や旅費、交際費等のコスト削減に取り組んだことで増益となった。 塾は、コロナ禍の影響からオンライン対応に取り組んでいるものの、塾間で生徒獲得状況に好不調の差が生じており、一部の塾の事業譲渡や不採算校舎の閉鎖を進めた。この結果、2021年3月末の教室数が前年同月末比13.9%減、生徒数が同4.2%減と減少したため売上高は減収となったが、一部の塾の伸長や広告宣伝費等のコスト削減により減収増益となった。 b) 出版コンテンツ事業 出版コンテンツ事業の売上高は前年同期比2.5%減の17,758百万円、営業利益は同53.2%増の2,317百万円となった。出版については、メディア事業の会社分割(2020年7月)や前期に巣ごもり特需で好調だった学習参考書の反動減で減収となったものの、児童書や既刊実用書の販売は好調に推移した。また、書籍の返品率が前年同期の31%から27%へ低下したことにより収益性も改善し、営業利益は前年同期並みの水準となった。 医学看護は、看護師向けeラーニングの契約病院数が引き続き伸長し2ケタ成長を持続した。コロナ禍でオンライン教育の需要が高まったことが背景にあると見られる。また出版以外では、オンライン英会話が伸長したほか、文具カード・レター等の不採算商品の整理を進めたことで増収増益となった。 c) 園・学校事業 園・学校事業の売上高は前年同期比7.5%減の9,608百万円、営業利益は同4.3%増の1,206百万円となった。幼児教育は、幼児教室を教室・塾事業に移管したことにより減収となったものの、園舎設計や大型遊具、先生用衣類、コロナ対策衛生用品などの販売が好調に推移したことで増益となった。 学校教育は、中学校教科書の教師用指導書の採択部数が、前期の小学校向けに対して減少したことから、減収減益となった。社会教育は、就職セミナーの開催数減少や企業向け研修の受注減により減収となったが、商品サービスのデジタル化の推進による原価抑制効果で増益となった。 (2) 医療福祉分野 医療福祉分野の売上高は前年同期比8.3%増の32,106百万円、営業利益は同2.4%増の1,285百万円と堅調に推移した。高齢者住宅、認知症グループホーム、子育て支援とすべての事業で増収となった。営業利益は、新規施設の立ち上げ費用や感染対策費用等のコスト増もあって高齢者住宅事業が減益、子育て支援事業が損失となったものの、認知症グループホーム事業の増益でカバーする格好となった。(今期より医療福祉分野全体では、持株会社への経営管理料の負担が増加している。) a) 高齢者住宅事業 高齢者住宅事業は、第2四半期に3事業所を新規開設し、過去に事業譲受した2事業所を譲渡したことにより、累計156事業所(FC含む)となり、2021年3月末時点の入居者数は前年同月末比11.1%増の6,985人となった。入居者数の増加に加えて、訪問介護保険サービスの利用が増加したこともあって、売上高は同13.1%増となった。一方、新規施設の立ち上げ費用が増加したことにより、営業利益は同6.7%減となった。 b) 認知症グループホーム事業 認知症グループホーム事業は、人材充足や感染症対策費用の増加があったものの、入居率が98.0%と高水準を維持したことに加えて、前期に開設した施設の伸長や自社保有施設2棟の売却を実施した結果、売上高で前年同期比4.9%増、営業利益で同14.1%増となった。 c) 子育て支援事業 子育て支援事業は、認証保育園の認可化や不採算園の閉園などを進め、収益改善に取り組んだ。売上高は園児数増加により前年同期比7.8%増となったが、利益面では2021年4月開園予定の新園準備費用やスタッフの採用費用、感染対策費用等の増加により損失を計上した。 なお、同社は2021年1月に保育園・学童の運営で国内トップであるJPホールディングスの株式を取得し、持分法適用関連会社するとともに業務提携したことを発表した。売上高営業利益率で約7%と業界トップの収益性を誇るJPホールディングスの経営ノウハウを共有することで同事業の収益力強化を図るとともに、顧客の囲い込み(卒園児を学研教室へ送客)や幼児向け教育コンテンツ及び教材の提供などを推進していくことで、シナジーを高めていく戦略となっている。 (3) その他 その他の売上高は前年同期比10.8%増の2,930百万円、営業損失は168百万円(前年同期は192百万円の営業利益)となった。グループ全体のDX推進に伴うシステム及び人材投資を行ったことで損失となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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時価総額 45,124百万円
教室・塾事業や出版コンテンツ事業等の教育分野、高齢者住宅事業や認知症グループホーム事業等の医療福祉分野が柱。市進ホールディングス等を傘下に持つ。高齢者住宅事業は入居率が高水準維持。不採算事業を見直し。 記:2024/10/07