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ODK Research Memo(3):教育業務と証券・ほふり業務が主力。安定性の高いシステム運用の構成比が96.5%

2021/7/8 15:13 FISCO
*15:13JST ODK Research Memo(3):教育業務と証券・ほふり業務が主力。安定性の高いシステム運用の構成比が96.5% ■事業概要 1. サービス概要 ODKソリューションズ<3839>は情報処理アウトソーシングサービスの単一セグメントであるため、事業別売上区分をシステム運用、システム開発及び保守、機械販売としている。2021年3月期の売上高構成比(単体)は、システム運用が96.5%、システム開発・保守が3.2%、機械販売が0.3%となっており、安定性の高いシステム運用が大半を占めている。 業務(サービス)別売上区分は、教育業務(教育関連サービス)、証券・ほふり業務(金融関連サービス)、一般業務(医療関連サービス、カスタマーサクセス・カスタマーサポート関連サービス)としている。大阪証券金融(現 日本証券金融)向け運用業務が2019年3月期に終了し、2020年3月期以降は教育業務(教育関連サービス)及び証券・ほふり業務(金融関連サービス)を主力に、一般業務(医療関連サービス、カスタマーサクセス・カスタマーサポート関連サービス)を第3の成長ドライバーと位置付けて事業拡大を図っている。なお、2021年3月期の業務別売上高構成比(単体)は、教育業務が67.5%、証券・ほふり業務が19.3%、一般業務が13.2%となっており、教育業務の伸長により構成比が一段と上昇した。 2. 教育業務(教育関連サービス) 教育業務は、入試に関わるすべての業務(入試広報、Web・郵送出願、受験票発送、入試実施、成績処理、合否判定・発表、入学手続、入試統計資料作成などの支援)を一括受託している。学校法人(4年制大学など)から業務を受託して受験生がサービスを利用する。1960年代から学校法人の入試センターとして入試関連システムを提供してノウハウを蓄積し、入試広報支援から文部科学省への報告資料作成まで、一貫して担当している強みがある。 現在は、2016年に開始した日本初の大学横断型受験ポータルサイト『UCARO(R)』及び、2019年に開始した保護者向けサイト『UCARO(R) family』は注力している商材のひとつである。受験ポータルサイト『UCARO(R)』は、大学間の垣根を越えて入試関連のWebシステムサービスを集約することで、大学と学生をつなぐ大学受験の共通プラットフォームとしての事業展開を目指している。大学の公式ホームページなどで出願時に登録するよう紹介されているサービスで、受験生は利用にあたって登録料や利用料を払う必要はない。このサービスを使うことで受験の各プロセスを大学間で共通化することができ、受験生の負荷軽減・利便性向上、大学の業務効率化・コスト削減を実現する。保護者向けサイト『UCARO(R) family』は、『UCARO(R)』と連携して保護者が子どものお気に入り大学、受験スケジュール、出願・受験情報、合否結果、手続状況など、受験に関する様々な情報を把握でき、登録者数は前期比約2.5倍超と順調に登録者数を伸ばしている。 『UCARO(R)』の受託校数は2018年3月期に40校を突破し、2021年3月期末時点では75校に拡大している。また、Web出願システム受託校数は2021年3月期末時点で69校となった。入試関連業務は学内で処理することが一般的だが、DXの流れも背景としてアウトソーシングの動きが活発化しているようだ。 また大学入試アウトソーシング業務における志願者データ処理件数は約110万人で推移しており、2021年3月期は速報値ベースで105.3万人となった。13期連続で大学入学共通テストの志望者数(2021年3月期は53.5万人)を上回る水準であり、処理件数シェアは民間企業トップとなっている。 3. 証券・ほふり業務(金融関連サービス) 証券・ほふり業務は、証券会社・金融機関向けに投資家情報管理、注文約定管理、取引結果管理、代金精算に至る業務などに関連して、独自開発の証券総合システム『SENS21』、不公正売買監視システム『Watch21』、ほふり接続システム(証券会社等と証券保管振替機構(ほふり)との接続業務等に関するシステム)、マイナンバー関連サービスなどを提供している。 証券総合システム『SENS21』は、創業以来培ってきた証券業務に関わる知識と技術ノウハウを駆使して独自開発されたシステムである。注文から決済に至る証券取引のデータ処理を行い、証券会社のバックオフィス業務をトータルにサポートする。不公正売買監視システム『Watch21』は、商品先物取引に対応し、抽出基準に基づく該当事案を自動抽出・継続監視して再発防止につなげる。ほふり接続システムは、約定データを受けて残高更新管理・ほふり向け指図・ほふり向け報告を代行する。マイナンバー関連サービスは、SBI-BSと協業して、マイナンバーネット収集システムや管理システムなどによってトータルにサポートする。 大阪証券金融(現 日本証券金融)とだいこう証券ビジネスのシステム開発・運用を約半世紀にわたり手掛けて蓄積した証券バックオフィス業務・証券代行事務のノウハウを活用し、高セキュリティ環境下で大規模かつ長期的なシステム運用や大量データを処理していることや、ユーザーニーズに対応できる機動性と事務代行(BPO)サービス支援ができることなどが強みだ。なお、2021年3月期末時点の受託数は、証券総合システム『SENS21』が4社、不公正売買監視システム『Watch21』が2社、ほふり接続システムが21社、周辺システムが10社、マイナンバー関連サービスが26社となっている。 4. 一般業務(医療関連サービス、カスタマーサクセス関連サービス) 一般業務は、これまで培ってきたデータ処理ノウハウを活かした新規分野のサービスである。医療関連サービスは、(株)ファルコバイオシステムズ(2016年8月に業務・資本提携したファルコホールディングスの事業会社)の臨床検査関連システム運用業務、医療システム用タブレット製品の販売やアプリ開発などを展開している。カスタマーサクセス関連サービスは、SaaS提供事業者向けに、カスタマーサクセスオートメーションツール『pottos(R)』を提供している。既存ユーザのヘルス状況(サービス利用状況)をとおして解約予兆の把握が可能になるほか、カスタマーサクセス担当者の業務進捗を管理する機能や、ヘルス状況に応じて既存ユーザにメールやポップアップ通知を配信して自動アプローチできるなどの機能がある。なおSaaS業界は、毎年13%の成長(出所:富士キメラ総研「ソフトウェア新市場2020年版」2019年度実績、2020年度見込み、以降予測)を遂げており、国内IT産業における中心的なビジネスモデルになることが予想されるため、早期ポジションの獲得に向け拡販に注力をしている。 5. リスク要因・収益特性 情報システム産業における一般的なリスク要因としては、企業のIT投資抑制、受託開発案件の不採算化、技術革新への対応遅れなどがあるが、同社の場合はシステム運用(情報処理システムのアウトソーシング)を主力としているため、受託開発の不採算化リスクが小さい。一方で、情報セキュリティ、個人情報保護、品質管理などへの対応がリスク要因となるが、国際認証規格制度「ISO/IEC27001」などを取得して、全社でセキュリティマネジメントに取り組んでいる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《YM》
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独立系ITサービス企業。学校入試システムでは入試に関わる全業務を一括受託。機密性の高い大量データ処理に定評。システム開発及び保守は売上好調。臨床検査システムの開発等が増加。24.3期3Qは損益改善。 記:2024/02/24