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SI Research Memo(5):E-Commerce事業が唯一増収増益を確保し、他2事業は減収減益に

2021/5/21 15:05 FISCO
*15:05JST SI Research Memo(5):E-Commerce事業が唯一増収増益を確保し、他2事業は減収減益に ■システムインテグレータ<3826>の業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) Object Browser事業 Object Browser事業の売上高は前期比14.4%減の657百万円、営業利益は同31.7%減の223百万円となった。コロナ禍における企業の購買意欲低下により、主力製品の「Object Browser」シリーズの販売が前期比2割減と大きく落ち込んだほか、「OBPM」も販売形態を売り切り型からクラウドサービス型へ移行している影響※で、一時的に売上高が落ち込んだことが減収減益要因となった。 ※2021年2月期より200ライセンス以下の案件はクラウド型のみの販売とし、200ライセンス超の案件についてもクラウド主体の営業活動を実施している。また、2022年2月期以降はすべてクラウド型で販売している。 「Object Browser」シリーズの販売については、政府による緊急事態宣言が発出された4~5月に前年同月比で約5割減の水準まで落ち込み、6月以降はやや回復する動きも見られたが、秋以降の第3波の到来とともに売上減少幅が再び拡大した。売上回復に向けた取り組みとして、政府のIT導入補助金対象製品としての認定を受けたほか、ネット広告やWebセミナーの開催などデジタルマーケティングに注力しており、その効果も出始めている。また、2021年2月にサブスクリプションモデルの提供を開始しており、今後はストック収入比率の向上を加速していく計画となっている。 「OBPM」は販売形態をクラウドサービス型にシフトしていることが売上高の目減りにつながっているが、同影響を除けばほぼ前期並みの売上水準だったと見られる。販売施策の1つとして、2020年7月より中小企業向けERP製品「勘定奉行クラウド※」と連携する「奉行API連携オプション」の販売を開始し、中小企業向けの拡販に取り組んだが、売上への貢献は限定的であった。 ※オービックビジネスコンサルタント<4733>のERP製品で、中堅・中規模向けERPでシェアNo.1の導入事績を誇るクラウド会計システム。 アプリケーション設計ツールの「OBDZ」については、2019年6月にパフォーマンスを大幅に向上した完全Web版(月額課金モデル)をリリースして以降、着実に導入社数が増加してきたが、コロナ禍の影響で拡大ペースは鈍化し、当面の目標である100社の達成は2022年2月期以降に持ち越しとなった。 (2) E-Commerce事業 E-Commerce事業の売上高は前期比0.2%増の831百万円、営業利益は同3.0%増の212百万円と若干ながら増収増益を確保した。上期はコロナ禍の影響で顧客の意志決定スピードが鈍化し、新規案件の契約タイミングが遅れたことにより売上高も減少したが、第3四半期以降はこれらの遅れを取り戻し前年同期比で増収増益基調に転じた。また、利益率についても、2年前から実施している開発手法の見直しや業務改善の取り組みが奏功し、上昇傾向が続いている。 なお、同社では製品の競争力強化を図るため、第三者機関によるセキュリティ診断を受けた「SI Web Shopping Ver.12.8」を2020年6月にリリースし、同製品の強みである「堅牢なセキュリティ」をさらに強化したほか、キャッシュレス決済サービスに対応すべく、「PayPay」との標準連携機能も同年9月にリリースするなど、機能の拡充にも取り組んだ。 (3) ERP・AI事業 ERP・AI事業の売上高は前期比6.2%減の2,733百万円、営業利益は同82.6%減の31百万円となった。このうち、ERP事業の売上高は前期比6.2%減の2,724百万円、営業利益は同53.1%減の130百万円と減収減益に転じた。ERP市場はコロナ禍でも拡大基調が続いたが、既述のとおり不採算プロジェクトの発生が足かせ要因となった。受注損失引当金231百万円(開発費用増加分)の影響を除けば営業利益は同30%増益となり、それ以外の開発プロジェクトの収益性については前期と比較して大きく向上していたことになる。 AI事業については売上高で前期比4.4%減の8百万円、営業損失で98百万円(前期は95百万円の損失)となった。「AISI∀-AD」(ディープラーニング異常検知システム)は、工場の目視検査工程用として多くの企業から引き合いを受け(対象検査物は、輸送機器用部品、ペットボトルのキャップ、電設資材、フィルム製品等)、実証実験などを行いながらノウハウを蓄積して製品強化及びソリューション力の向上に取り組んでいる。当初は売上高で実用化案件の寄与を見込み1億円を目標としてきたが、実用化時期が2022年2月期の後半にずれ込んだことが売上未達要因となった。営業人員3名、開発人員7~8名の体制で各種案件に取り組んでいるため、まだ投資フェーズの位置付けとなっている。 (4) その他 その他の事業の売上高は前期比13.2%減の36百万円、営業損失は50百万円(前期は54百万円の損失)となった。プログラミングスキル判定サービスの「TOPSIC」については、コロナ禍の影響で解約件数が増加したこともあり、契約件数が伸び悩み、売上高も前期比で5百万円減少した。このうち3百万円はプログラミングコンテスト「PG Battle」のスポンサー料減少によるものとなっている。 無借金経営で財務内容は良好 3. 財務状況と経営指標 2021年2月期末の総資産は前期末比209百万円増加の3,498百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が177百万円、仕掛品が194百万円それぞれ増加した一方で、売掛金が381百万円減少した。固定資産ではソフトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)が167百万円、有形固定資産が22百万円、投資その他資産が65百万円それぞれ増加した。ソフトウェアについては「OBPM Neo」等の自社製品の開発に伴う増加となっている。 負債は前期末比42百万円増加の1,066百万円となった。買掛金が102百万円、未払法人税等が46百万円それぞれ減少した一方で、受注損失引当金が231百万円増加したことによる。また、純資産は同167百万円増加の2,431百万円となった。当期純利益293百万円の計上と配当金の支払143百万円により、利益剰余金が149百万円増加した。 経営指標を見ると、自己資本比率は前期末の68.9%から69.5%と引き続き高水準を維持しており、また流動比率も200%を超える水準で有利子負債もないことから、財務内容は良好と判断される。収益性については不採算プロジェクトの発生を主因として営業利益率、ROEともに低下したものの、一時的な要因によるものであるため、不採算プロジェクトがなくなることにより再び上昇に転じるものと予想される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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