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エラン Research Memo(4):入院患者と家族、病院、リネンサプライ業者にメリット

2021/4/2 16:14 FISCO
*16:14JST エラン Research Memo(4):入院患者と家族、病院、リネンサプライ業者にメリット ■エラン<6099>の事業概要 4. 「WIN-WIN-WIN」の関係を構築 CSセットはサービスを利用する入院患者・入所者とその家族だけではなく、病院・介護老人保健施設等、リネンサプライ業者等にとっても大きなメリットがあり、同社を中心に「WIN-WIN-WIN」の関係を構築した共存共栄型のビジネスモデルである。 サービスを利用する入院患者・入所者とその家族にとっては、入院・入所の際に身の回り品を準備しなくても「手ぶらで入院・入所」でき、さらに退院・退所の際にも「手ぶらで退院・退所」できる。 短期間の入院・入所の場合には、必要な身の回り品を新たに買いそろえるよりも経済的メリットがあり、衣類・タオル類等の日々の交換・洗濯や日常生活用品の補充といった作業・手間を省くことができるというメリットもある。家族にとっては、日常生活用品の補充を主目的としたお見舞い訪問ではなく本来のお見舞いや看病に専念することができる。また入院患者・入所者にとっては、家族に日常生活用品を準備・補充させているという気兼ねがなくなるという心理的メリットもある。 利用者の多くは高齢者であるが、若年層にもメリットは大きい。共働き世帯や単身世帯においては、入院生活時の日常生活用品の準備や補充を頼める家族がいないケースも多いが、1人でも安心である。このように「手ぶらで入院・退院、入所・退所」を実現させるCSセットへの評価は高い。 病院・介護老人保健施設等においては慢性的な看護師・介護士等の不足状況が続いているが、CSセットを導入することで、入院患者・入所者の入院生活時の日常生活用品まわりの作業(物品の不足等が生じた場合の家族への連絡や、個人が持ち込んだ衣類・タオル類の交換・洗濯・消毒にかかる作業など)を省いて、本来の看護・介護業務に専念することが可能になる。このため看護師・介護士等の業務効率化や労働環境改善につながるメリットがある。また、入院患者・入所者が独自で入院生活時の日常生活用品を持ち込む場合との比較において、使用後交換待ちの衣類・タオル類がベッド周りで保管されることもなくなり、院内感染対策・衛生管理徹底というメリットにもつながっている。 さらに、保険適用外のサービスに関して、病院・介護老人保健施設等が自ら患者・入所者に利用料金を請求する場合、厚生労働省からの行政指導に従った厳格な対応が必要となるが、CSセットは行政指導に適合した形態で提供しているため行政指導リスクを低減できる。そして、同社からの業務委託手数料が保険適用外の収入となるため、新たな保険外収益の増加や収益機会の創出につながるというメリットがある。 なお、病院・介護老人保健施設等におけるCSセット導入ニーズとしては、大都市圏では収入・収益機会の増加、中都市圏では看護師・介護士等の労働環境改善、地方都市圏では入院患者・入所者へのサービス向上といった要望が強いようだ。 リネンサプライ業者等は、病院・介護老人保健施設等と契約して、医療保険・介護保険の対象となる寝具類(布団、包布、シーツ、枕、枕カバー)の納入や洗濯業務を受託している。CSセット導入によって、これまでリネンサプライ業者等が扱っていなかった衣類・タオル類の洗濯業務や、日常生活用品の販売といった新たな収益機会を得るメリットがある。 また同社は自らがリネンサプライ業に参入することを考えておらず、CSセットの提案に当たっては、対象となる病院・介護老人保健施設等と既に契約・取引している各地域のリネンサプライ業者等に、リネン品の洗濯業務を委託することを基本方針としている。リネンサプライ業者にとっての脅威は、自社が寝具類の供給・洗濯などを行っている病院等に他の同業者が関与することであり、同社のこの基本方針によって、リネンサプライ業者等の多くは同社との連携にメリットを感じている。 5. 全国をカバーする営業拠点網 2020年11月に沖縄支店(沖縄県那覇市)を開設し、2020年12月期末のグループ営業拠点は21ヶ所(長野県松本市の松本本社を含む)となった。これによって全都道府県をカバーする7エリア(北海道、東北、関越、中部、関西北陸、中四国、九州沖縄)の営業拠点網構築が完了した。今後は契約施設数の増加に合わせて拠点を開設し、きめ細かい営業活動を展開する方針だ。なお2021年12月期には千葉支店の新規開設、及び大阪支店の分割(第一支店、第二支店)を予定している。 6. 新商品・サービスの開発 入院セットの付加価値向上や同業他社との差別化に向けた取り組みとして、M&Aやアライアンスも活用して新商品・サービスの開発を推進している。 CSセットRはイントラスト<7191>と業務提携して共同開発し、2018年9月にサービス開始した。CSセットとイントラストの連帯保証人代行サービスを組み合わせた入院費用保証サービス付入院セットである。病院に入院する際には入院費用に関する連帯保証人を求められるのが通常で、独身世帯の増加などで連帯保証人の用意に苦労する患者も多いが、CSセットRを利用すればイントラストが連帯保証人を代行するため、入院患者の入院準備にかかる手間と心理的負担を軽減することが可能になる。病院においても、事務職員の入院手続時の労力軽減や入院費の未回収リスクの低減が図れるメリットがある。 CSセットLC入院保証は(株)日本総険と業務提携して共同開発し、2019年4月サービスを開始した。CSセット利用患者に起因する損害事故(備品破損、職員・入院患者への怪我などの補償)を補償するサービスが自動付与された入院セットである。 CSセットRとCSセットLC入院保証については、2021年12月期第2四半期頃から本格展開を開始した。標準サービスとして新規顧客開拓時の提案初期段階に組み入れ、期末にかけて導入が加速している。なお外国人旅行者向けCSセットについては、コロナ禍の影響で外国人の入国が制限されているためサービス開始を延期し、2021年中に沖縄支店でサービス開始予定としている。 2020年7月には、入退院・入退所の困りごとに対する無料相談サービスの「キクミミ」サービスを開始した。同社はCSセットを「入院中の困った」をビジネス化したサービスと位置付けており、さらに「入院前・退院後の困った」も解決するビジネスの創出も目指している。2020年7月~12月の相談件数は169件で、相談内容は相続関連(相続税、遺言等)が最も多かった。 また医療従事者向け白衣等を企画・製造・販売するクラシコ(株)と2020年3月に資本業務提携し、CSセットの付加価値向上に向けてオリジナル商品の共同開発も推進している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《EY》
関連銘柄 2件
6099 東証プライム
699
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-11(%)
時価総額 42,359百万円
病院の入院患者や介護施設の入所者に衣類、タオル等を日額定額制でレンタルするサービスを提供。長野県松本市に本社。オリジナル患者衣ブランド「lifte」も。ケア・サポートセットの導入施設数は2300施設超。 記:2024/08/06
7191 東証スタンダード
768
11/22 15:30
-12(%)
時価総額 17,182百万円
家賃債務保証や医療費用保証、介護費用保証などの保証事業が主力。保険デスクサービスなどのソリューション事業も。家賃債務保証は新規契約増。月次更新型商品の更新保証料も順調。27.3期売上高150億円目標。 記:2024/06/17