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大幸薬品 Research Memo(3):感染管理事業のBtoB戦略が本格化

2021/3/26 15:03 FISCO
*15:03JST 大幸薬品 Research Memo(3):感染管理事業のBtoB戦略が本格化 ■トピックス 1. 新型コロナウイルスに対する効果確認 大幸薬品<4574>では、二酸化塩素(クレベリンの主要成分)の新型コロナウイルスに対するエビデンスを取得しているが、これは「クレベリン」のブランド認知や信用の向上に寄与するものであり、BtoB事業の成長にもプラスに働くと考えられる。 同社は、2021年2月に、二酸化塩素の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果を確認したことを、大阪府立大学生命環境科学研究科(山崎伸二教授)との共同研究成果として発表した(第17 回日本小児消化管感染症研究会)。この実験は、同社製クレベリンPro希釈用液とSARS-CoV-2液及びSARS-CoV-2に感受性のある培養細胞を用いて行われ、結果として感染価が99.96%(10ppm、10秒)~99.997%(100ppm、10秒)低減することが確認された。本研究成果から、ヒトが触れる場所(ドアノブ、便座、床、洗面等)に二酸化塩素を活用することで、新型コロナウイルスの感染対策に有効であることが期待できる。なお、同社では2020年10月にも、二酸化塩素分子がSARS-CoV-2 のヒトの体内への感染を阻止するメカニズムを解明し、英文科学誌『Annals of Pharmacology and Pharmaceutics』に掲載されたことを発表している。 2. 感染管理事業のBtoB戦略が本格化 同社は、業務用(BtoB向け)の感染管理事業で大きく成長する戦略を遂行している。2020年12月期の国内・業務用売上高は2,265百万円(前期比111.3%増)と好調に推移した。一方で感染管理事業全体に占める業務用の構成比は16.2%であり、まだ伸びる余地がある。今後は、製品ラインナップの充実とともにマーケティング(ブランド戦略、コミュニケーション戦略など)にも力を入れる方針だ。2021年1月からは、業務用クレベリン製品のデザインを一新し、名称も新たに「クレベリンpro」シリーズとして順次発売した。デザインを手掛けるのは、世界的デザイナーの佐藤オオキ氏が率いるデザインオフィス「nendo」であり、2018年9月に一般用(BtoC向け)のパッケージとブランドロゴのデザインを一新した実績がある。業務用「クレベリンpro」の新しい容器と包装は白を基調にしたシンプルなデザインで、機能面の訴求と視認性を向上させ、多様な業務スペース(医療・介護施設、教育施設、オフィス、ホテル、レストラン、食品関連等)に馴染むことを重視した。 また、同社は2020年12月に、業務用「クレベリン発生機 エレクローラー」を新たに発売した。この装置は、本体にセットした「エレクローラー専用液500mL」を電気分解して、低濃度の二酸化塩素ガスを空間中に放出させる装置で、二酸化塩素分子による特異的な作用で、ウイルス・菌・ニオイを除去する。同社の製品には「クレベリンG大空間用」(約50m2で約2ヶ月間)等があるが、この製品は、小規模から中規模のオフィス・ロビー・待合室等の幅広い空間(約200m2~300m2)が主な対象となる。特長は、(1)コンパクトな省スペース設計であること、(2)設置工事などの手間がないこと、(3)実測による濃度設定でカスタマイズが可能であること、が挙げられる。3年後に売上規模で20~30億円を目指す、戦略商品である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《NB》
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正露丸、セイロガン糖衣Aなど一般用医薬品の製造・販売を行う医薬品事業が主力。「クレベリン」シリーズ等の感染管理事業も展開。1946年設立。医薬品事業は京都工場の医薬品ライン立ち上げなど増産施策に取り組む。 記:2024/09/01