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サムティ Research Memo(4):2020年11月期上期は減収減益も、物件売却が下期偏重となっていることが主因

2020/9/4 15:04 FISCO
*15:04JST サムティ Research Memo(4):2020年11月期上期は減収減益も、物件売却が下期偏重となっていることが主因 ■業績動向 1. 2020年11月期上期決算の概要 サムティ<3244>の2020年11月期上期の業績は、売上高が前年同期比42.9%減の27,322百万円、営業利益が同61.5%減の5,368百万円、経常利益が同66.4%減の4,301百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同67.5%減の2,939百万円と大幅な減収減益となった。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を一部受けているものの、物件売却が下期に偏重していることが主因であり、計画に対して大きく下振れているわけではない。 売上高は、「不動産事業」が前年同期比で大きく減少した。ただ、前期は上期に売却が多かった一方、2020年11月期は下期偏重となっていることが理由である。同社の主力である賃貸マンションは新型コロナウイルス感染症拡大や景気動向の影響を受けておらず、世界的な低金利が続くなかで、引き続き国内外の機関投資家からの引き合いは強い。また、「不動産賃貸事業」は保有する賃貸マンションの稼働率や賃料水準は堅調であり、保有物件の増加に伴って増収を確保。一方、「その他の事業」については、新型コロナウイルス感染症拡大によるホテル稼働率の落ち込み(一部休業を含む)から減収となったが、同社業績全体に与える影響は限定的である上、足元の稼働率は回復傾向にある。 利益面では、減収により減益となり、営業利益率も19.7%(前年同期は29.2%)に低下した。ただ、前期は利益率の高い物件売却があったためであり、過去からの推移で見ると高い利益率水準を維持していると評価できる※。なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失については、稼働率が低下したホテルの固定費482百万円が利益を圧迫したが、そのうち臨時休業を実施したホテル等の固定費101百万円については特別損失に計上している。 ※過去の営業利益率(上期ベース)を振り返ると、2016年11月期上期は15.9%、2017年11月期上期は18.4%、2018年11月期上期は19.7%、2019年11月上期は29.2%で推移してきた。 また、同社が重視する「継続安定した利益」(各事業の中に含まれる合計額※1)についても、新型コロナウイルス感染症拡大によるホテル客室収入の減少や工事収入※2の落ち込み(一時的な中断等)により前年同期比3.9%減の6,015百万円と若干減少したが、下期にかけて回復傾向にある。 ※1 賃料収入、AM報酬、ホテル客室収入などによって構成される。 ※2 管理業務を担うサムティプロパティマネジメントはトータルサポートの一環として、「分譲マンション管理業」「賃貸不動産管理業」「ビルマネジメント業」のほか、「建設・リフォーム業」「不動産仲介業」にも注力している。 一方、今後の成長につながる仕入れの状況については、開発用地33件(取得価額125億円)、収益不動産39物件(取得価額246億円)を取得しており、順調に進捗している。 財政状態については、物件売却や借入により調達した資金などを有効に活用し、開発用地や収益不動産を積極的に取得したことから、総資産は前期末比15.4%増の252,522百万円に拡大した。一方、自己資本は利益剰余金が増加したものの、自己株式の取得(892百万円)等により同0.5%減の70,659百万円とわずかに減少し、自己資本比率は28.0%(前期末は32.5%)に低下した。また、有利子負債は同23.4%増の173,952百万円に増加したが、長期借入金が約77%を占め、ネットD/Eレシオ※も1.94倍の水準に収まっていることから、資産拡大を図りながらも安定した財務比率を維持していると言える。 ※(有利子負債−現金及び預金)÷自己資本。 各事業の業績は以下のとおりである。 (1) 不動産事業 売上高は前年同期比48.2%減の22,125百万円、セグメント利益は同55.1%減の6,669百万円と減収減益となった。売上高は、1)開発流動化が「S-RESIDENCE」シリーズ3棟(前年同期は10棟)の売却にとどまったことや「メルキュール京都ステーション」(自社開発ホテル)の売却が期ずれになったこと(ただし、6月に売却済み)、2)再生流動化も5棟(同8棟)の販売にとどまったことが減収要因となった。ただ、既述のとおり、前期は上期に売却が多かった一方、2020年11月期は下期偏重となっていることが理由である。一方、3)投資分譲は販売戸数49戸(同93戸)と減少しているが想定内。4)アセットマネジメントについても、SRRの運用残高の拡大に伴う運営及び管理手数料の底上げにより増収となった。また、利益面でも減収により減益となり、セグメント利益率も30.1%(前年同期は34.8%)に低下したが、前年同期は利益率の高い物件売却があったためであり、高い利益率水準を維持しているとの見方が妥当である。 (2) 不動産賃貸事業 売上高は前年同期比23.3%増の3,949百万円、セグメント利益は同42.3%増の1,671百万円と順調に拡大した。保有する賃貸マンションは高稼働を維持している上、収益不動産の取得を積極的に進めたことから賃料収入が増加した。なお、第2四半期末の保有物件数は66棟(固定資産のみ)を確保している。利益面でも、増収に伴って増益となり、セグメント利益率も42.3%(前年同期は36.7%)に大きく改善した。 (3) その他の事業 売上高は前年同期比31.7%減の1,439百万円、セグメント損失は285百万円と減収減益となり、セグメント損失を計上した。新型コロナウイルス感染症の影響から、ホテルの稼働状況※が大きく落ち込み、一部のホテルで一時休業を実施したことなどからホテル客室収入が減少した。ただ、足元では回復基調にあるようだ。利益面でも、減収に伴って固定費が利益を圧迫し、セグメント損失に陥った。 ※2020年4月から6月中旬までの稼働率は10%~20%で推移。ただ、7月には30%前後にまで回復している。 2. 開発計画(パイプライン)の状況 「S-RESIDENCE」シリーズ等の開発状況は、2020年竣工分が11棟(636戸)、2021年竣工分が48棟(3,073戸)、2022年竣工分が48棟(3,230戸)、2023年竣工分が12棟(1,058戸)、合計119棟(7,997戸)となっており、前期末(合計79棟5,267戸)と比較しても順調に積み上がっていることから、今後も高い業績水準を維持していくことが可能と考えられる。一方、ホテル・オフィス開発については、2020年度開業分が4棟、2021年開業分が4棟、2022年開業分が1棟となっている(詳細は後述)。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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自社賃貸マンションの開発や販売、販売用不動産の取得、再生、販売、不動産賃貸を行う。関西地盤。66物件の販売用不動産の販売で不動産開発事業は売上堅調。23.11期通期は大幅増収。24.11期は営業増益計画。 記:2024/01/27