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フェローテク Research Memo(5):2020年3月期は半導体業界からの需要が失速し、減収減益

2020/8/24 15:45 FISCO
*15:45JST フェローテク Research Memo(5):2020年3月期は半導体業界からの需要が失速し、減収減益 ■業績動向 1. 2020年3月期の業績概要 (1) 損益状況 フェローテックホールディングス<6890>の2020年3月期決算は、売上高が前期比8.8%減の81,613百万円、営業利益が同31.5%減の6,012百万円、経常利益が同47.1%減の4,263百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同37.3%減の1,784百万円となった。既に上期から主力の半導体等装置関連が低調であったことから第2四半期時点で通期の予想を下方修正した。しかし、第4四半期に入るとコロナの影響を受け、修正後の数値をやや下回る結果となった。 セグメント別の売上高は、半導体等装置関連が前期比7.2%減、電子デバイスが同4.6%増、その他が同22.1%減となった。なお、縮小を進めている太陽電池関連は、「その他」に組み込まれている。主力の半導体等製造装置関連では、下期になり設備投資(製造装置)関連、消耗品関係ともに失速し、通期では減収となった。電子デバイスでは、自動車の温調シート向けは減収基調となったが、通信機器(5G)向けサーモモジュールやパワー半導体基板等が好調に推移したことから、セグメントとしては増収となった。その他は、縮小中の太陽電池関連を含むことから減収となった。 コロナの影響については、中国にある主要子会社の決算は12月であることから、本決算においては軽微であったが、2月以降は国内市場において物流・営業等で影響を受けた。設備投資額はウエーハ関連を中心に33,920百万円(期初計画48,000百万円)となり、一部案件が翌期にずれ込んだ。 全体の売上総利益率は33.0%(前期は30.3%)と改善した。主に電子デバイスセグメント及びその他セグメントの粗利率が改善したことによる。利益率は改善したが、減収により売上総利益は26,928百万円(前期比0.8%減)とほぼ前期並みとなった。一方で、新拠点の稼働開始や貸倒引当金の増加(575百万円)などにより販管費は20,915百万円増(同14.0%増)となったことから、営業利益は前期比31.5%減の6,012百万円となった。営業外損益については、営業外収益で補助金収入の増加671百万円があった。しかし、営業外費用で支払利息の増加538百万円、為替差損の増加885百万円、貸倒引当金繰入額の増加546百万円等により、1,749百万円の営業外損失(前期は722百万円の損失)となった。その結果、経常利益の減益率は営業利益より大きくなった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に表面処理事業等の減損損失788百万円を計上したことから前期比37.3%減となった。 設備投資額は、主に中国子会社での投資を中心に33,920百万円(前期は35,953百万円)となり、期初計画(48,000百万円)を約14,000百万円下回った。これは一部が翌期にずれ込んだもので、計画そのものが中止となったものではない。内訳としては、約24,500百万円が大口径ウエーハ関連、残り約9,400百万円がその他の投資であった。減価償却費は7,600百万円(同5,755百万円)と高水準であった。 高水準の設備投資により有形固定資産が増加する一方、有利子負債も大幅増 (2) 財務状況 2020年3月期末の財務状況は、流動資産は71,451百万円(前期末比5,819百万円減)となった。主に、現金及び預金の減少7,846百万円、受取手形及び売掛金の減少1,025百万円、たな卸資産の増加992百万円による。固定資産は118,558百万円(同32,731百万円減)となった。主に、設備投資による有形固定資産の増加34,683百万円、IFRS16の影響等による無形固定資産の減少3,057百万円、投資その他の資産の増加1,105百万円による。その結果、資産合計は190,010百万円(同26,911百万円増)となった。 負債合計は、139,862百万円(前期末比26,612百万円増)となった。主に、支払手形及び買掛金の減少2,635百万円、短期借入金の増加2,906百万円、1年内返済予定の長期借入金(社債含む)の増加2,764百万円、社債の増加8,057百万円、転換社債型新株予約権付社債の増加3,734百万円、長期借入金の減少65百万円等による。これにより、期末の有利子負債は78,474百万円(同17,398百万円増)となった。また、純資産合計は、50,147百万円(同299百万円増)となった。主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加908百万円、為替換算調整勘定の減少2,158百万円等による。この結果、期末の自己資本比率は25.5%(前期末30.3%)となった。 (3) キャッシュ・フローの状況 2020年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは8,902百万円の収入であった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上3,540百万円、減価償却費7,600百万円、売上債権の減少299百万円などである。主な支出は、たな卸資産の増加1,328百万円、仕入債務の減少1,168百万円等による。投資活動によるキャッシュ・フローは34,472百万円の支出であった。主に、有形固定資産の取得による支出33,795百万円等による。財務活動によるキャッシュ・フローは17,996百万円の収入であった。主な収入は、長短借入金の増加4,349百万円、社債の発行による収入11,941百万円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入3,707百万円等である。主な支出は配当金の支払額887百万円によるものである。 以上から、2020年3月期の現金及び現金同等物は7,968百万円減少し、期末残高は23,709百万円となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《EY》
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