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フェローテク Research Memo(3):事業内容(製品)は多岐にわたるが、主力は半導体等装置関連事業(1)

2020/8/24 15:43 FISCO
*15:43JST フェローテク Research Memo(3):事業内容(製品)は多岐にわたるが、主力は半導体等装置関連事業(1) ■事業概要 1. 事業セグメント 前述のようにフェローテックホールディングス<6890>は多くの製品を自社開発・製造すると同時に、M&Aによって多くの企業を子会社化してきた。そのため、事業内容は多岐にわたっている。現在の事業セグメントは半導体等装置関連(2020年3月期売上高比率64.8%)、電子デバイス(同16.5%)、その他(同18.7%)に分けられている。 これらの各セグメントは、次のようなサブセグメントに分けられている。 2. 半導体等装置関連 このセグメントは、さらに真空シール、石英製品、セラミックス、CVD-SiC、EBガン・LED蒸着装置、ウエーハ加工、装置部品洗浄、石英坩堝のサブセグメントに分けられる。 (1) 真空シール(2020年3月期対総売上高比率10.0%) 真空シールは、同社の核となる製品である。磁性流体を利用して、真空雰囲気内への回転導入機としての役割を担う部品で、半導体・FPD・LED・太陽電池等の製造工程で利用されている。主に、半導体ウエーハのエッチングや成膜工程、FPDのパネル搬送用ロボットの回転機構部などに導入される。密閉空間を外部から隔離しつつ、加工に必要な動力を正確に伝えることを可能にしている。 主な販売先業種別シェア(2020年3月期)は半導体41%、LED9%、FPD11%、太陽電池10%、その他(主に受託事業等)29%であった。 (2) 石英製品(同20.1%) 石英製品とは熱と化学変化に強い超高純度のシリカガラスで、同社の製品は主に半導体製造工程等で使われる。ウエーハの成膜生成や拡散プロセスなどで使われる。また、搬送や洗浄工程で治具、消耗品としても使われている。微細化・高純度化が進む半導体製造プロセスの中で、重要な役割を担っている。 主な販売先業種別シェア(2020年3月期)は、大手半導体メーカー向けを中心としたOEMが70%を占め、以下エンドユーザー(デバイスメーカー)26%、光ファイバー1%、その他3%となっている。主なOEM先は、日本大手3社、米国大手2社、中国1社となっている。 (3) セラミックス(同11.1%) 高強度・高純度のセラミックスに同社が持つ素材技術、生産技術、精密加工技術を生かして様々なセラミックス部品を提供している。セラミックス製品は高強度・高純度・高耐熱性などの特性に優れたファインセラミックス製品(FC)と、高度な機械加工が可能なマシナブルセラミック(MC)に分けられる。前者は、主に半導体製造装置用の部品として使われている。特にドライエッチング方式(プラズマエッチャー)では不可欠な部品となっている。後者は、様々な加工を施すことで各種部品や治具として利用される。特に半導体の検査工程での治具(ウエーハプロバー用)として需要が高まっている。また近年では、その精密加工特性を生かして高度な医療用機器での利用も進んでいる。 セラミックス製品の主な製品別販売シェア(2020年3月期)は、MC半導体検査11%、MC国内一般4%、MC輸出9%、FC国内半導体装置用15%、FC海外半導体装置用59%、その他2%となっている。 (4) CVD-SiC(同2.5%) 独自のCVD製造法による炭化ケイ素(SiC)製品で、超高純度・高耐熱性・高対磨耗性・耐腐食性を実現している。半導体製造工程で用いられるウエーハボートやチューブ、シリコンウエーハの代替となるダミーウエーハなど、主に高温で使用される治具として幅広く活用されている。 地域別販売シェア(2020年3月期)は、国内42%、中国36%、北米が12%、台湾が7%、欧州・その他3%となっている。 (5) EBガン・LED蒸着装置(同4.9%) EB(Electron Beam)ガンとは電子銃のことである。高機能なEBガンと高圧電源を心臓部とした米国製Temescal装置(精密蒸着装置)は、大学や研究所向けの小規模生産用タイプから、大規模生産用高スループットタイプまで幅広い製品がある。次世代通信などで利用が見込まれる化合物半導体での世界標準機として数多くの顧客に使用されている。現在ではLEDや通信チッププロセス等の導入が進んでいる。 (6) ウエーハ加工(同8.3%) 同社では半導体向けに6インチ以下の小口径シリコンウエーハを、単結晶インゴットからウエーハ加工まで一貫生産している。バイポーラIC用、ディスクリート用、MEMS用の量産品を中心にグローバルな供給体制を築いている。2017年から8インチウエーハの生産を開始し、後述するように今後は8インチウエーハの量産体制を構築する。 (7) 装置部品洗浄(同6.9%) 半導体製造装置用部品の洗浄作業を行う事業である。2018年3月期までは「その他事業」に含まれていた。今後拡大が見込まれる事業だ。 (8) 石英坩堝(同1.2%) 同社の石英坩堝製品は、半導体製造工程に不可欠な石英製品と同等の高純度の原料を使用している。単結晶シリコンの原料を充填する容器として使用されている。半導体用、太陽電池用などの単結晶シリコンを製造するメーカーが主な顧客である。今後は、半導体顧客への比率を高めることで収益を確保していく方針であることから、2020年3月期から半導体等装置関連のセグメントへと組織変更した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《EY》
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時価総額 116,617百万円
真空シール、石英製品、セラミックス製品等の製造・販売を行う半導体等装置関連事業が主力。サーモモジュール、パワー半導体用基板等の電子デバイス事業も。デジタル化・自動化の推進などで生産効率の向上を図る。 記:2024/10/06