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タナベ経営 Research Memo(6):無借金経営で手元キャッシュも潤沢、財務内容は良好

2020/8/5 15:16 FISCO
*15:16JST タナベ経営 Research Memo(6):無借金経営で手元キャッシュも潤沢、財務内容は良好 ■業績動向 3. 財務状況と経営指標 タナベ経営<9644>の2020年3月期末の総資産は前期末比200百万円増加の12,969百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現預金及び有価証券が797百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が56百万円減少した。固定資産では(株)リーディング・ソリューションの子会社化に伴い、のれんを160百万円計上した一方で、長期預金及び投資有価証券が275百万円減少した。なお、長短合わせた現預金及び有価証券は前期末比522百万円増加の9,115百万円となり、総資産に占める比率は70.3%と引き続き高水準を維持している。 負債合計は前期末比35百万円減少の2,018百万円となった。流動資産で賞与引当金が114百万円、買掛金が33百万円減少した一方で、未払法人税等が28百万円、前受金が40百万円増加した。また、純資産は前期末比235百万円増加の10,951百万円となった。配当金を361百万円支出したのに対して、親会社株主に帰属する当期純利益696百万円を計上した。 経営指標を見ると、自己資本比率は83.9%と継続して80%以上を維持しており、現預金及び有価証券も90億円以上と潤沢にあることから、新型コロナウイルス感染症の影響による景気後退にも耐えうる健全なバランスシートを維持していると判断できる。なお、手元キャッシュは社内での成長に向けた人材投資やオフィスのリニューアルを含めた働き方改革、デジタル投資などに投下していくほか、M&A・アライアンスも戦略オプションの1つとして考えている。同社の成長に寄与する案件があれば、引き続き前向きに検討していく方針だ。 ROAやROE、営業利益率については前期と比較して大きな変化はなく、安定性の高い収益構造になっていることがうかがえる。売上高の約5割が長期契約のコンサルティングサービスで占められ、安定した顧客基盤を有していることが主因だ。反面、ROEの水準としては6.4%と東証1部上場企業平均(金融除く)の6.7%に対して若干低くなっている。売上高純利益率は7.4%と上場企業平均の3.6%よりも高いが、総資産回転率(売上高÷総資産)や財務レバレッジ(総資産÷自己資本)が低いことが要因となっている。経済産業省が発表している「企業活動基本調査」の2018年度実績によれば、全産業の1社当たり平均の総資産回転率は0.98回、財務レバレッジは2.37倍となっており、特に財務レバレッジについては半分以下の水準にとどまっている。堅実経営を行っていることの裏返しとも言えるが、株価純資産倍率が1倍程度の評価にとどまっている要因でもある。潤沢な手元資金を活用して収益性を伴った成長を実現していくことが今後の課題となるが、(株)リーディング・ソリューションの子会社化によるデジタルコンサルティング分野での成長が期待される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NB》
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経営コンサルティング大手。経営戦略の策定から経営機能の実装・実行支援に至るまで経営全般の支援を手掛ける。全ての経営コンサルティング領域で売上堅調。人件費増等を吸収。グローバル戦略コンサルティング機能を強化。 記:2024/07/14