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CAICA Research Memo(1):金融機関向けのシステム開発が堅調、デジタル化の潮流に合致した成長戦略に期待

2020/7/22 15:11 FISCO
*15:11JST CAICA Research Memo(1):金融機関向けのシステム開発が堅調、デジタル化の潮流に合致した成長戦略に期待 ■要約 1. 会社概要 CAICA<2315>は、金融業界向けのシステム開発を主力とする「情報サービス事業」のほか、「暗号資産関連事業」、eワラント証券(株)の買収に伴い2018年10月期よりスタートさせた「金融商品取引事業」を複合的に展開している。長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、約400人の社員全員がブロックチェーン技術者になる計画を実行中である。2020年3月1日には持株会社体制へ移行。経営資源の最適配分や各事業のシナジー創出等により、早期に成長軌道に乗せていく考えだ。なお、法人向け学習管理システムや育成型人材紹介事業を手掛けるクシム<東証二部2345>(旧 アイスタディ)については、株式売却により連結範囲から除外されたものの、事業戦略上の関係に変化はない。今後も高度IT人材の育成や技術的な連携を強めていく方針である。 2. 2020年10月期上期の連結業績 2020年10月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比19.7%減の3,139百万円、営業損失が519百万円(前年同期は298百万円の損失)と減収減益となり損失幅が拡大した。(株)ネクス・ソリューションズの連結除外による減収は想定内。金融機関向けのシステム開発が堅調に推移しているものの、「金融商品取引事業」におけるトレーディング収益がコロナ禍の影響(金融市場の混乱)により大きく悪化した。利益面でも、減収による収益の下押しのほか、のれん償却費の増加やトレーディング収益の悪化により減益となり損失幅が拡大した。 3. 2020年10月期の業績見通し 2020年10月期の連結業績について同社は、期初予想から2回目の減額修正を行った。修正後の業績予想として、売上高を前期比13.5%減の6,567百万円、営業損失を109百万円(前期は615百万円の損失)と見込んでいる。上期業績の下振れやクシムの連結除外(第3四半期より)に加え、コロナ禍の影響(営業先の新規投資の見合わせ)を保守的に見積もったことが減額修正の理由である。利益面でも、販管費の削減に取り組むものの、上期までの落ち込みをカバーしきれず、営業損失となる見通しである。ただ、主力の金融機関向けシステム開発が安定していることに加え、同社グループの暗号資産交換所「Zaif」の事業拡大に伴うシステム開発受注が増加してきたこと、金融商品取引事業のCFD取引(差金決済取引)サービス※が立ち上がってきたこと、新たに開始したテレワーク及び情報セキュリティ関連の案件の引き合いが増えてきたことは、今後に向けて明るい材料となっている。 ※少額で、国内外の相場に、レバレッジをかけた投資を、ほぼ24時間行うことができる、という特徴がある。 4. ライツ・オファリングによる資金調達 2020年6月18日付けで、全株主を対象としたライツ・オファリング(ノンコミットメント型/上場型新株予約権の無償割当て)による資金調達を行うことを決議した(2020年7月29日開催予定の臨時株主総会の承認を得ることが実施の条件)。仮に50%行使された場合には約27億円の資金調達が可能となる。同社では、eワラント証券の増資資金やM&A資金などに充当する予定である。特に、eワラント証券の増資資金(5億円)については、今後の収益ドライバーとして期待されるCFD取引による預かり資産増加に向けて自己資本規制比率の維持に充てるものであり、同社グループが目指す「システム開発企業からIT金融企業への変革」にあたり必要となる成長資金の確保と財務基盤の強化が主な目的となっている。 5. 成長戦略 同社は、これまでのシステム開発業に加え、ブロックチェーンを活用したFinTech関連ビジネスと高度IT技術者の確保につながる事業をコア事業としている。とりわけ暗号資産ビジネスへの取り組みを加速することにより、FinTech分野でのトップランナーを目指すとともに、中長期的には海外展開や社会インフラ関連ソリューションへの進出も視野に入れているようだ。また、未来像として、金融とITをシームレスに統合したこれまでにない新しいタイプの事業モデルの構築(金融サービスのプラットフォーマー構想)にも取り組む方向性を描いている。 ■Key Points ・足元業績は金融機関向けシステム開発が堅調に推移するものの、コロナ禍の影響により、金融商品取引事業におけるトレーディング収益の悪化等により計画を下回る進捗 ・一方、「Zaif」向けシステム開発案件の増加や金融商品取引事業におけるCFD取引の開始、テレワーク関連サービスの立ち上げなどは今後に向けてプラス材料 ・ライツ・オファリングによる資金調達を決議(株主総会承認が条件)。「IT金融企業への変革」に向けて成長資金の確保と財務基盤強化が目的 ・FinTech分野でのトップランナーを目指すとともに、将来的には金融とITをシームレスに統合した新しい事業モデルの構築にも取り組む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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時価総額 8,330百万円
システム開発等を行うITサービス事業が柱。金融向けシステム構築に強み。NFT販売プラットフォーム「Zaif INO」の運営等を行う金融サービス事業も。ITサービス事業ではDXソリューションサービスに注力。 記:2024/10/22