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コスモスイニシア Research Memo(1):短期的には新型コロナの影響が懸念されるが、中長期経営方針は変わらず

2020/7/13 15:11 FISCO
*15:11JST コスモスイニシア Research Memo(1):短期的には新型コロナの影響が懸念されるが、中長期経営方針は変わらず ■要約 1. マンションデベロッパーから広がる事業領域 コスモスイニシア<8844>は、首都圏や近畿圏を地盤とする中堅デベロッパーで、新築マンションや投資用不動産の開発・販売、宿泊事業等を行っている。1969年に(株)日本リクルートセンター(現(株)リクルート(リクルートホールディングス<6098>))の子会社として設立され、新築マンションの販売事業を開始、現在は大和ハウスグループ(大和ハウス工業<1925>)の一員として成長戦略を推進中である。長年のノウハウ蓄積と顧客ニーズの多様化を背景に、現在では新築マンション以外へと事業の幅を広げている。同社の事業は、住宅に関わる商品・サービスを提供するレジデンシャル事業、投資用不動産の販売や賃貸運営管理などを行うソリューション事業、宿泊事業、工事事業に分けられる。2020年3月期の売上高構成比はレジデンシャル事業34%、ソリューション事業43%、宿泊事業11%、工事事業12%となっている。 2. 商品・サービスの企画力に強み レジデンシャル事業では、新築マンション「イニシア」や新築一戸建「イニシアフォーラム(旧:グランフォーラム)」、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション(旧:&Renovation)」などをブランド展開している※。かねてより新しい商品やサービスを生み出す企画力、アフターサービスなど「お客様」志向の強い事業展開に定評がある。ソリューション事業では、投資用のマンションやオフィスビルを販売する投資用不動産等、マンションやオフィスビルなどを転貸する不動産賃貸管理、投資用不動産の仲介や開発コンサルティングなど不動産仲介その他を行っている。宿泊事業では長期滞在型の「APRATMENT HOTEL MIMARU」の運営および販売、工事事業ではオフィス移転改修やマンションギャラリーの設営、インテリアオプションの販売などを行っている。いずれも、グループを挙げたワンストップサービスの提供に特徴がある。 ※同社は2020年春から販売するレジデンシャル事業の商品・サービスのブランドを「イニシア」に統合 3. 2020年3月期はソリューション事業が好調 2020年3月期の業績は、売上高110,559百万円(前期比5.7%増)、営業利益6,010百万円(同11.7%増)となった。期初計画に対しては、売上高で559百万円、営業利益で210百万円の過達となった。特にソリューション事業が好調で、6期連続増収・営業増益となり、営業利益は2ケタ増益となった。ソリューション事業の小口投資用商品である共同出資型不動産「セレサージュ」が人気だったようだ。しかし、仕入れの進捗により借入金が増加したため金融費用が増加し経常利益は1ケタ増、年明け以降世界的に広がった新型コロナウイルスの影響により2021年3月期業績見通しが悪化したことで繰延税金資産を取り崩したこと、および前期特別利益計上の反動により、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となった。 4.新型コロナウイルスは短期的な影響が大きいと想定 2021年3月期の業績見通しについて、同社は売上高105,000百万円(前期比5.0%減)、営業利益0百万円(同100.0%減)と見込んでいる。また、経常損失と親会社株主に帰属する当期純損失を計上する予想であり、非常に厳しく見ている。新型コロナウイルスの影響について、同社は2020年9月まで本格的に収束せず、10月以降徐々に収束へ向かい、期末には新型コロナウイルス以前の事業環境に近づくという前提を置いている。このため、第1四半期を中心とした営業活動の自粛や一部引渡物件の収益性低下を見込んでいるが、特に影響が大きいと思われる宿泊事業に関しては、施設稼働率の低下による影響を長期で見ている。今後の業績見通しは不透明な部分はあるが、中長期的には少子高齢化や訪日外国人の増加というトレンドは変わらないと思われることから、これらを背景とした中長期経営方針の大きな戦略変更には至らないと考える。 ■Key Points ・商品・サービスの企画力とクオリティに強みのある中堅デベロッパー ・共同出資型不動産など新機軸が引き続き好調 ・新型コロナウイルスの影響で短期的に苦戦する予想も、中長期経営方針は変わらず (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《ST》
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