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クオールHD Research Memo(6):M&Aの推進で店舗数は前期末比39店舗増の805店舗に拡大

2020/7/2 17:26 FISCO
*17:26JST クオールHD Research Memo(6):M&Aの推進で店舗数は前期末比39店舗増の805店舗に拡大 ■クオールホールディングス<3034>の業績の動向 2. 保険薬局事業の動向 保険薬局事業の売上高は前期比14.2%増の153,185百万円、セグメント利益は同14.3%増の7,255百万円となった。セグメント利益に関しては、2018年10月から持株会社体制に移行したことに伴い、連結グループ内取引に関する経営管理料がセグメント利益に影響を与えており、同要因を除いた利益で比較すると同20.2%増の8,263百万円、利益率では同0.3ポイント上昇の5.4%となるなど実質的には収益性も向上したことがわかる。 (1) 処方箋売上高の状況 保険薬局事業の売上高は、調剤薬局の売上高と売店の売上高から成り立っている。このうち調剤売上高は処方箋応需による売上高(以下では簡単に“処方箋売上高”と略す)と商品販売等の売上高があるが、調剤薬局売上高は処方箋売上高といって差し支えない。 2020年3月期の処方箋売上高は前期比15.0%増の141,107百万円となった。その出店期・出店形態別内訳を見ると、同社は自力出店の店舗について、既存店と新店に分けている。既存店については前期比5.6%増、金額ベースで2,201百万円の増加となり、新店については前期の期中に出店した店舗がフルに寄与していることや、2020年3月期に出店した店舗の貢献により同28.1%増、金額ベースで197百万円の増収となった。一方、M&A等で取得した店舗については、既存店と新店を分けていないため解りにくい面もあるが、前期比19.4%増、金額ベースで16,026百万円の増加となり、増収効果が大きかったことがわかる。 この調剤売上高は、処方箋応需枚数と処方箋単価の積で求められる。2020年3月期は処方箋応需枚数が前期比8.7%増の14,823千枚、処方箋単価が同5.8%増の9,519円と、いずれも順調に伸長した。これらも出店期やM&Aなどの要因による影響を受けているため、以下ではそれぞれについてもう少し詳細に見る。 処方箋応需枚数の総数は前期比8.7%増となったが、実態に近いと考えられる既存店の処方箋応需枚数は同2.8%増と前期実績の4.1%から伸びが鈍化した。これはインフルエンザ感染者数が今シーズンは少なかったことに加え、3月には新型コロナウイルス感染症拡大により応需枚数が減少したことが影響したと考えられ、売上高の計画比未達要因ともなっている。感染を避けるため病院に行く患者数が減少したほか、処方期間についても長期化した。 一方、処方箋単価は全体で前期比5.8%の上昇となったが、より実態に近い既存店に限れば同2.7%増となり、前期の4.6%減から回復に転じている。処方箋単価の変動は大きく3つの要因に分けることができる。1つは薬価だが、これは薬価改定によって低下方向に動くのが基本である。もう1つは薬剤の構成比だ。これは高単価薬の処方数量の変動によって影響を受けるようなケースが典型的だ。3つ目は調剤技術料となり、これは2年に1度のペースで実施される調剤報酬改定で引き下げられることが多いが、その後様々な加算点の獲得策によって回復・引き上げを図ることが可能だ。 2020年3月期においては2019年10月の消費税引き上げに合わせて薬価改定が実施され、若干のマイナス要因となったが、期末にかけて処方期間が長期化した(単価上昇要因)こともあり処方箋単価ベースで見ると影響はなかったと見られる。一方で、調剤技術料に関しては調剤基本料や地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算などの取り組みを推進したことで上昇した。特に、後発医薬品の取扱比率(数量ベース)についてはグループ全体で2019年4月時点の79.1%から2020年4月時点では81.0%まで上昇している。最高点数となる26点(取扱比率85%以上の店舗)を取得した店舗の構成比も2019年4月時点の30.8%から、2020年3月には46.0%と期初目標であった40%の水準を大きく上回るなど、取り組みの成果が表れた格好となった。調剤技術料についてはかかりつけ薬局としての機能充実や薬剤コストの低減に対する取り組みの成果に対して付けられる評価点、つまり店舗の付加価値分に相当するため、どれだけ技術料単価を引き上げることができるかが、店舗の収益性を左右すると言っても過言ではない。 (2) 店舗異動とM&A 2020年3月期の店舗異動は、60店舗を新規出店し、21店舗を閉鎖したため、純増は39店舗となった(売店の新規出店3店舗と閉店3店舗を含む)。調剤薬局の新規出店57店舗の内訳として、18店舗が自力出店、39店舗がM&A獲得となった。 店舗タイプとしては、自力出店14店舗のうち10店舗が通常の(マンツーマン型の)クオール薬局で、4店舗が新業態(ローソン2店舗、JR西日本グループ2店舗)となった(M&Aで獲得した店舗は店舗タイプとしては原則、マンツーマン薬局に分類)。 M&Aについては、2019年4月に(株)ナチュラルライフ(石川県で19店舗、佐賀県で9店舗を展開)、同年8月に(株)セラ・メディック(大阪府で9店舗、奈良県で1店舗を展開)を子会社化した。2グループとも経営状態に優れているほか、地域密着型で顧客をしっかり囲い込んでおり、比較的店舗当たり売上規模も大きいという特長を有している。関東の比重が高い同社にとって相対的に手薄となっていた地域で店舗網を獲得できたことで、同エリア内でのネットワーク構築に寄与する案件だったと言える。 このうち、ナチュラルライフグループが展開する北陸地域については、医薬分業率が低いため今後も店舗拡大余地があると期待される。セラ・メディックは同社グループが手薄な地域であった大阪府東部を地盤としている。近畿圏は関東・中部と並ぶ3大都市圏ということで店舗拡大の戦略地域であるだけに、今回のグループ化の意義は大きいと弊社では考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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時価総額 68,819百万円
大手調剤薬局チェーン。首都圏中心に「クレオール薬局」を運営。CSO事業など医療関連事業も。922店舗展開。18店舗の新規出店実施。保険薬局事業は売上増。M&A効果などが寄与。24.3期3Q累計は増収。 記:2024/04/15