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アルプス技研 Research Memo(1):2019年12月期も6期連続最高業績を実現。新規参入の農業関連分野も順調

2020/3/19 16:51 FISCO
*16:51JST アルプス技研 Research Memo(1):2019年12月期も6期連続最高業績を実現。新規参入の農業関連分野も順調 ■要約 1. 会社概要 アルプス技研<4641>は、機械、電気・電子、ソフト・IT、化学などの分野において、大手製造業各社に高度技術サービスを提供する総合エンジニアリングアウトソーシング企業である。経営理念である“Heart to Heart”「人と人との心のつながり」を大切にしており、技術者としてのみならず社会人としても一流であるべしとの思いから、創業以来一貫して、技術力の強化に加え、ヒューマン教育にも注力している。これが同社の強みである人材を生み出す源泉となる企業組織文化となっている。同社グループは同社及び子会社5社から構成され、2016年12月期より、アウトソーシングサービス事業とグローバル事業の2つの事業セグメントとなった。2018年7月には創業50周年を迎えるとともに、第2創業期をスタート。新規事業分野参入(農業及び介護関連分野)を含め、SDGs(持続可能な開発目標)にも取り組みながら、次世代に向けた強みの創出(経営基盤の強化)を目指している。 2. 2019年12月期の業績 2019年12月期の連結業績は、売上高が前期比11.0%増の36,371百万円、営業利益が同11.9%増の4,014百万円と計画を上回る増収増益を実現し、6期連続で最高業績を更新した。良好な受注環境が続くなかで、主力のアウトソーシングサービス事業が高稼働率の維持や稼働人数の増加、契約単価の向上により伸長。グローバル事業も大型案件の検収等により大きく伸びた。損益面では、質を重視した積極採用やグループ採用強化に伴う募集費の増加、新規事業への先行費用等が負担となったものの、売上高の伸びで吸収することで営業増益を実現し、営業利益率も11.0%(前期は10.9%)と高い水準を維持している。 3. 新規事業(農業・介護関連分野)の進捗 2018年4月に新会社設立((株)アグリ&ケア)により参入した新規事業分野(農業・介護関連分野)については、農業関連分野が先に立ち上がり、2019年9月には人材派遣会社で全国初の外国人新在留資格「特定技能1号」を取得したほか、取引実績も全国規模で着実に積み上がってきた。これらの分野は、AIやIoT、ロボットなどの最先端技術の導入や外国人材の活用がカギを握ると言われており、これまで培ってきた高度な技術力や人材育成(外国人材の採用を含む)のノウハウが生かせることから、社会的課題の解決に貢献すると同時に、先行者利益を目指す戦略である。 4. 2020年12月期の業績予想 2020年12月期の業績予想について同社は、売上高を前期比5.4%増の38,320百万円、営業利益を同6.4%増の4,270百万円と増収増益を見込んでおり、引き続き最高業績を更新する見通しである。先端技術や次世代車等、主要顧客である大手製造各社からの派遣要請が堅調であることから、好調な業績が継続する前提である。ただ、景気減速懸念についても保守的に見積もり、工数については抑制傾向を想定しているようだ。2020年新卒、グローバルエンジニアとともに、通年採用による積み増しも図っていく。一方、新規事業(農業関連分野)については、本格的な業績貢献には時間を要する見込みであるが、引き続き新設在留資格を活用したアグリテック(農業先端技術)及びアグリ(就農)人材の育成・採用を計画的に進めるとともに、派遣先開拓(営業強化)に取り組む方針である。 5. 中長期の成長戦略 同社は中長期成長ビジョンとして、1)既存事業の強化、2)最先端技術への対応、3)グローバル展開、4)新規事業への挑戦、の4つの戦略軸を打ち出している。特に、第11次5ヵ年計画の定性目標で、「新産業革命時代に向けた経営資源の再投資」を推進する方針である。また、社会的課題の解決に向けても、引き続き、高度技術の提供をはじめ、人手不足が深刻な農業及び介護関連分野への貢献を通じて、企業価値のさらなる向上へつなげていく方針。3ヵ年の中期経営計画(ローリング方式)では、2022年12月期の目標として売上高43,920百万円、営業利益4,580百万円、ROE20%以上を目指している。 弊社でも、同社の事業展開の方向性は、国内人口の減少や経済のグローバル化が進展するなかで、今後の産業構造の変化を見据えた合理的な戦略であると評価している。新規事業(農業・介護関連分野)の進捗を含め、需要が拡大している新たな先端技術分野への対応を図り、いかに持続的な成長に結び付けていくのかが今後の注目点となるだろう。また、引き続き、強固な財務基盤を生かしたM&Aにも注意する必要がある。 ■Key Points ・2019年12月期の業績は、計画を上回る増収増益により6期連続で最高業績を更新 ・新規事業(農業関連分野)についても、人材派遣会社で全国初の外国人新在留資格「特定技能1号」を取得したほか、取引実績も全国規模で着実に積み上がってきた ・2020年12月期の業績予想についても、堅調な顧客ニーズにより増収増益を見込む。景気減速懸念から工数減少を保守的に見積もるも、同社の事業領域(R&D投資)への影響は限定的 ・第11次5ヵ年計画の定性目標では、「新産業革命時代に向けた経営資源の再投資」を推進。時代に先駆けた外国人材活躍推進により、農業・介護関連分野など、SDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組む方針 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《EY》
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アウトソーシングサービス事業が主力。技術者派遣や技術プロジェクト受託、事務派遣、職業紹介等を行う。自動車関連、半導体関連の売上比率が高い。稼働率は高水準維持。中計では26.12期売上高555億円目指す。 記:2024/07/08