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ケネディクス Research Memo(5):2019年12月期も好業績。AUMの拡大により安定収益が順調に増加(2)

2020/3/17 15:05 FISCO
*15:05JST ケネディクス Research Memo(5):2019年12月期も好業績。AUMの拡大により安定収益が順調に増加(2) ■ケネディクス<4321>の業績動向 4. 2019年12月期における投資実績 不動産投資事業における自己勘定(エクイティ)投資については、自己資本の範囲内とする方針のもと、新規投資として約398億円(前期は約441億円)を実行。ブリッジファンドを中心とした機動的な物件取得や開発案件への投資等に取り組んだ。特徴的なのは、オフィスや住宅、ホテル、商業施設、認可保育園、海外など投資対象(アセットクラス)は多岐にわたり、投資タイプも、ブリッジ(コア等)を中心に、開発や長期保有などに分散投資されているところである。一方、投資元本の回収についても、ブリッジファンドを中心として、オポチュニスティック、開発、REIT証券等から約384億円を回収しており、いわゆる「リサイクル投資」がうまく回っていると評価できる。その結果、2019年12月末の投資金額総額(投資エクスポージャー)は722億円(前期末は709億円)を確保し、分散されたバランスの良いポートフォリオを維持している。なお、2020年12月期については、投資エクスポージャー(投資用現金を含む)の枠を940億円(前期は880億円)に増枠しており、より積極的な投資姿勢を示すものとして注目される。 5. その他の活動実績 (1) メインスポンサーREITの取り組み 同社の成長を支える柱の1つである「ベースAUM」は、前述のとおり、前期末比3,035億円増の1兆7,771億円と順調に伸びている。そのうちKDO※1は、物件取得環境が厳しいなかでもスポンサーサポートによる相対取引等によりポートフォリオの拡充を実現。KDR※2については、2期連続となる公募増資を実施するとともに、優良物件の取得によりポートフォリオの質の向上を図った。また、投資対象として社会的ニーズの高い保育施設も追加。2020年12月期に入ってからも2020年2月に公募増資を行っており、東京経済圏の賃貸住宅を中心に合計154億円の資産の取得を予定している。KRR※3についても、2年半振りとなる公募増資を実施するとともに、環境変化(EC市場の拡大等)や採算性を考慮した資産入替に取り組んだ。主力の「生活密着型商業施設」に加え、需要が伸びている「消費者配送型物流施設」※4への積極投資を行っている。私募REITのKPI※5についても、国内大手機関投資家からの投資参入が続くなか、都心の居住人気の高いエリアの物件を取得。「長期運用・安定配当」に寄与するファンドマネジメントを実施している。 ※1 ケネディクス・オフィス投資法人の略。東京経済圏を中心とする中規模オフィスビルの最大級REITである。2019年12月末のAUMは4,256億円(前期末比98億円増)。 ※2 ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人の略。「人が居住・滞在する空間」への幅広い投資を行う住居系REITである。ジャパン・シニアリビング投資法人との合併に伴い、ケネディクス・レジデンシャル投資法人から名称変更。2019年12月末のAUMは2,351億円(前期末比137億円増)。2022年までに資産規模3,000億円を目指す方針である。 ※3 ケネディクス商業リート投資法人の略。物流施設への投資で新たなステージを迎える生活密着型商業REITである。2019年12月末のAUMは2,250億円(前期末比149億円増)。 ※4 最終消費者に商品等を届けるための物流施設。 ※5 ケネディクス・プライベート投資法人の略。大規模オフィスビルを中心にホテル・商業施設等へ投資する私募REITである。2019年12月末のAUMは1,224億円(前期末比179億円増)。 (2) 私募ファンド(コア)の動向 同社成長のもう1つの柱である私募ファンドのAUMについても、国内外の大手機関投資家の強い投資ニーズに支えられ、コアファンドを中心に高成長を実現。2019年12月期は前期末比2,471億円増の7,689億円と大きく拡大した。私募ファンドへの投資需要増加に対応するため、2018年4月に設立したケネディクス・インベストメント・パートナーズ(株)も成長加速に向けて機能しているものと考えられる。 (3) 不動産クラウドファンディング事業の進捗 野村総合研究所との協業により新たなプラットフォームとして立ち上げた「不動産クラウドファンディング事業」についても、サービス提供開始から1年間で7ファンド※を組成し、総額15億円の募集を完了した。個人投資家に対してクラウドファンディングによる様々な投資機会を提供することにより、手数料ビジネスの強化を図っていくところに狙いがある。ファンド組成における様々なサポートや質の高いアセットマネジメントの提供により他社との差別化を図る戦略であり、早期に登録会員数1万人を目指す。 ※ホテル・賃貸住宅・保育施設など複数のアセットクラスを提供。更なる多様化を目指している。 (4) デジタル・セキュリタイゼーションの立ち上げ 不動産投資市場の未来像を展望し、フィンテックを利用した新たなビジネスを立ち上げるため、専門部署である「デジタル・セキュリタイゼーション推進室」を設立した。具体的には、不動産投資市場に流動性や簡便性を付与し、個人投資家層の拡大を図るため、セキュリティトークン※を活用した不動産プラットフォームビジネスを検討しており、先行するクラウドファンディング事業(bitREALTY)との連携も視野に入れている。 ※セキュリティトークン(電子記録移転権利)とは、ブロックチェーンを活用した金融商品の新たなアプローチで、金融商品取引法の改正により法的な位置付けが明確化され、不動産証券化への応用も期待されている。不動産の「トークン化」により、1)不動産投資商品(不動産クラウドファンディングやJ-REIT、不動産小口化商品等)に流動性を付与、2)取引の効率化・自動化、3)24時間365日取引が可能、4)客観的情報開示と取引簡便性向上などを実現することができる。 (5) アウトバウンドファンドの運用を開始 アジアの中でも安定性と成長性の両面が見込まれるシンガポールにおいて、大型オフィスビル※を組入対象資産としたアウトバウンドファンド(約100億円)の運用を開始した。日系投資家に対して初のアジアでの共同投資機会を提供するものであった。アジア地域での不動産投資市場における同社グループのプレゼンス向上にも狙いがあり、将来の成長に向けた布石として評価することができる。今後は北米でのアウトバウンドファンドの組成も目指している。 ※シンガポールのビジネス中心区であるRaffles Placeの好立地に所在する大型オフィスビル「Capital Square」の25%出資持分。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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4321 東証1部
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時価総額 164,995百万円
独立系の不動産ファンド運営会社。不動産管理・運営も。20.12期はコロナ禍に伴う運営ホテルの一時休業などが痛手に。三井住友F&リースによるTOBが成立。3月19日付で上場廃止に。伊藤忠との業務提携は解消。 記:2021/03/09