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品川リフラ Research Memo(7):2020年3月期下期は、高炉メーカー各社の業績が更に悪化へ(1)

2020/1/14 15:27 FISCO
*15:27JST 品川リフラ Research Memo(7):2020年3月期下期は、高炉メーカー各社の業績が更に悪化へ(1) ■今後の見通し 1. 2020年3月期の連結業績予想 品川リフラクトリーズ<5351>の2020年3月期通期は、期初予想が据え置かれた。売上高が前期比5.2%増の125,300百万円、営業利益が同4.2%減の9,800百万円、経常利益が同6.2%減の10,000百万円、売上高経常利益率8.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.6%減の6,000百万円の予想となる。中期経営計画の目標値(2021年3月期)である売上高1,230億円とROS(売上高経常利益率)8%をクリアーする予想となっている。 マグネシアなどの耐火物の主要原材料は、価格の上昇が止まり、調達難も緩和された。同社の原材料調達力の優位性は薄れる。前期は、原材料価格の急騰期に在庫評価益が10億円ほど発生したが、2020年3月期の予算には入っていない。人件費は、前期比10億円程度の増加を見込む。 2. 高炉メーカーの業績予想の推移 主要顧客となるJFEホールディングスの鉄鋼事業(JFEスチール)の2020年3月期の業績予想は、四半期毎に大幅に下方修正された。2019年3月期は、鉄鋼事業セグメント利益は1,613億円と前期比259億円減少した。単独粗鋼生産数量は2,631万トン、同215万トン減となった。2020年3月期の期初予想では2,900万トンを見込んだ。それが第1四半期に2,800万トンへ、第2四半期では2,700万トンに下方修正された。鉄鋼事業セグメント利益の半期毎の推移は、2019年3月期上期が1,173億円、同下期に440億円と下げ、2020年3月期第1四半期時点計画では2020年3月期上期が260億円、同下期が440億円と上期が底となる予想であった。第2四半期決算発表時点では、2020年3月期上期の177億円の実績に対し、下期は同額の損失とさらに悪化し、通期の利益がゼロと予想を修正した。 2020年3月期通期の利益予想は、期初の1,050億円から第1四半期決算発表時に700億円へ、第2四半期決算時点でゼロとなり、前期比1,613億円の減少になる。最大手の日本製鉄の鉄鋼事業のセグメント経常利益は、2020年3月期上期実績の492億円に対し、同下期はわずか8億円しか見込んでいない。通期では前期比2,246億円の減益予想になる。鉄鋼業界全体に逆風が吹いている。 予想利益の大幅な減少は、需要の一層の低下、高水準の在庫、鋼材市況の悪化から、数量及び価格とも減少するダブルパンチに見舞われるためである。国内市場では、造船、建設機械・産業機械及び建設分野で需要が一層低下するとみている。需要減の上、輸入鋼材の影響などから在庫は高水準が続き、生産調整を余儀なくされる。米中貿易摩擦の激化などを背景に、世界各地で需要が減少している。海外鋼材市況は、インド及びロシアミルの輸出攻勢で価格競争が激化し、一段と下落。中国の鋼材輸出が低位にあるものの、粗鋼生産は高水準を継続しているため警戒を要する。2016年3月期に、中国経済の成長率鈍化により中国鋼材の輸出圧力が高まり、安値攻勢により鉄鋼不況を世界に蔓延させたことの再発を懸念している。JFEホールディングスでは、2020年3月期下期の社内為替レートについて、上期の1米ドル=109.20円から105円程度に円高が進むと想定している。 最大顧客の業績が大幅に悪化しているため、同社にとっても収益面での圧力が高まるおそれが大きい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《HN》
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時価総額 89,061百万円
大手耐火物メーカー。鉄鋼業界向けに強みを持つ。耐火物に加え、断熱材やセラミックス製品も提供。耐火物は堅調。販売価格の改定、販売構成の改善でスプレッドが拡大。特別利益計上。24.3期3Qは大幅最終増益。 記:2024/02/10