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カドカワ Research Memo(6):2020年3月期業績で利益予想を上方修正

2020/1/6 15:36 FISCO
*15:36JST カドカワ Research Memo(6):2020年3月期業績で利益予想を上方修正 ■今後の見通し 1. 2020年3月期の業績見通し KADOKAWA<9468>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.8%減の207,000百万円、営業利益が同269.3%増の10,000百万円、経常利益が同156.8%増の10,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が9,500百万円(前期は4,085百万円の損失)と期初会社計画のうち、売上高を除いて上方修正し、ドワンゴと統合した2015年3月期以降では営業利益、経常利益で4期ぶりに最高益を更新する見通しだ。売上高はMAGES.の売却で数十億円の減収要因(映像・ゲーム事業とその他事業でおよそ半々)となるが、利益面では電子書籍、アニメ・ゲーム事業による収益貢献、ドワンゴの事業構造改革によるコスト削減効果が主な増益要因となる。 事業セグメント別で見ると、増益要因の過半はWebサービス事業の損益改善によるものとなっており、映像・ゲーム事業の増益やその他事業の損失縮小、また、全社的なコスト削減に取り組むことが増益要因となっている。期初計画比での収益要因について見ても、Webサービス事業の損益改善効果が最も大きく、全社共通費用の削減効果や出版事業の増益が続く。なお、全社共通費用については持株会社であったカドカワ(株)を同社に統合したことにより、売上規模に応じて、出版事業を中心に、各事業セグメントに合計10億円程度配分されている点には留意する必要がある。 営業利益が第2四半期累計で6,389百万円だったことから、下期は上期比で減益となる計画だが、これはWebサービス事業の売上拡大に向けた施策を講じていくこと、映像・ゲーム事業における新作タイトルの販売計画を保守的に見ていること、所沢プロジェクトの進捗により減価償却費が上期比で数億円増加する見通しとなっていること等が要因となっている。ただ、通期計画に対する第2四半期までの進捗率は63.9%に達していることから、計画をさらに上回る可能性もあると弊社では見ている。 自社IPによるメディアミックス戦略は順調に推移、Webサービス事業は売上拡大施策を実行するフェーズに移行 2. 事業セグメント別見通し (1) 出版事業 出版事業の売上高は前期比1.8%増の118,000百万円、営業利益は同10.4%減の6,500百万円となる見通し。期初計画比で売上高は300百万円の減額、営業利益は400百万円の増額となる。前述のように全社共通費用の配分見直しにより、出版事業への費用配分が多くなっているため、実質ベースでの利益は横ばい水準を見込んでいることになる。所沢プロジェクトの進捗に伴う投資負担増があるものの、電子書籍・電子雑誌事業の拡大や雑誌事業の損益改善によりカバーする見通し。なお、新作タイトルについての販売計画は保守的に立てている。 (2) 映像・ゲーム事業 映像・ゲーム事業の売上高は前期比4.2%増の50,300百万円、営業利益は同30.1%増の5,100百万円となる見通し。期初計画比で売上高は4,100百万円、営業利益は200百万円の減額となる。売上高についてはMAGES.売却の影響が大きく、営業利益については全社費用配分の見直しによる。前期比では約12億円の増益となるが、このうち約11億円は前期に計上したドワンゴのゲーム事業の損失約11億円がなくなることによるもの。 映画やゲーム等の新作については保守的な販売計画を見積もっている。下期の期待IPとしてはアニメ映画「ぼくらの7日間戦争」(2019年12月13日公開)や、映画「Fukushima 50」(2020年3月6日公開予定)などがある。ゲーム事業については上期の利益増に貢献した「SEKIRO」のような世界的ヒット作がなく、保守的な計画となっている。このため、半期ベースで見ると上期の営業利益3,648百万円に対して、下期は1,452百万円とやや落ち込む計画となっている。 (3) Webサービス事業 Webサービス事業の売上高は前期比7.1%減の24,000百万円、営業利益は1,900百万円(前期は2,576百万円の損失)と3期ぶりに黒字転換する見通し。期初計画比でも売上高で400百万円、営業利益で1,600百万円の増額となる。営業利益を半期ベースで見ると、上期の1,591百万円に対して下期は309百万円と減少する見込みだが、これはポータル事業における事業構造改革により、黒字転換を実現したことで、売上拡大のための施策実行フェーズに移行することが要因となっている。 ポータル事業では、ニコニコ動画のプレミアム会員数について減少が続くものの、ニコニコチャンネルの有料会員数は引き続き増加基調にあるほか、プレミアム会員数の回復に向けた施策を講じることを予定している。 ライブ事業については各イベントの収益構造の見直しに取り組んだことで利益面では改善する見込みとなっている。また、モバイル事業については減収減益が続くが、コストコントロールにより引き続き一定の利益は確保する見通しだ。 (4) その他事業 その他事業の売上高は前期比2.0%減の21,700百万円、営業損失は2,000百万円(前期は2,613百万円の損失)を見込んでいる。期初計画比では売上高で6,400百万円の減額、営業利益は100百万円の増額となる。売上高の減額はMAGES.の売却が主な要因となっている。教育事業についてはバンタンの収益貢献により引き続き好調に推移し、インバウンド事業については2020年7月の「ところざわサクラタウン」のオープンに向けた準備等を引き続き進めていく予定となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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出版大手。旧KADOKAWAとドワンゴが経営統合して発足。映像制作やゲーム開発、グッズ販売なども手掛け、コアファンを抱えるIPを多数保有。出版セグメントで国内市場縮小の影響もあり、3Q累計は利益足踏み。 記:2024/02/09