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テリロジー Research Memo(5):業績底打ちで経常利益率は6%台乗せへ。増資効果も加わり財務体質は大幅改善

2019/12/20 15:05 FISCO
*15:05JST テリロジー Research Memo(5):業績底打ちで経常利益率は6%台乗せへ。増資効果も加わり財務体質は大幅改善 ■業績動向 1. 業績底打ちを示す2019年3月期決算 テリロジー<3356>の2019年3月期連結業績は、売上高が前期比13.6%増の3,660百万円、営業利益が同47.0%増の244百万円、経常利益が同32.3%増の229百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同34.6%増の207百万円となった。期初会社計画に対する達成率を見ると、売上高こそ3.7%の計画未達となったものの、営業利益は22.1%、経常利益は25.6%の計画過達、親会社株主に帰属する当期純利益については投資有価証券売却益の特別利益計上で計画を62.3%上回る大幅過達で着地しており、業績底打ちを示唆する順調な決算と評価できる。 売上総利益率は2015年3月期の20.6%(単体)から2019年3月期は38.3%と大幅に良化、収益性が高い自社製品・サービスの立ち上がりによるミックス改善効果が顕在化している。経常利益率段階で見ても、2019年3月期の6.3%(前期比0.9ポイント上昇)は上場来最高の2004年3月期実績の7.1%に迫る水準となっており、業績底打ちを受けて同社の稼ぐ力は大きく改善していると見ていいだろう。2019年3月期の販管費率は31.7%と、増収効果と経費削減努力が奏功し、過去10年間(単体決算含む)で最低水準の26.6%となった2018年3月期からは上昇しているものの、収益獲得能力の一層の強化を目指した負担増によるものであり、問題視する必要はないと考える。 2019年3月期末における総資産は3,194百万円、純資産合計は1,441百万円となった。2018年3月期との比較を見ると、受取手形及び売掛金が120百万円減少、短期借入金等の1,039百万円減少、純資産合計の678百万円増加などが目立った変化として指摘できる。財務安全性指標をみると、自己資本比率は45.0%と前期末に比べ20.6ポイントもの大幅上昇となった。業績回復に自己株式売却と新株予約権行使完了の効果が加わった結果である。また、流動比率も179.2%と前期末の99.0%から改善している。 なお、決算短信ベースのROEは18.8%と前期比1.4ポイント低下しているが、自己資本増強に伴うものであり問題はない。実際、ROA(総資産経常利益率)は7.3%と同1.7ポイント上昇、過去10年間(単体決算含む)で最も良好な数値となっており、全体としての資産収益性は好転が続いている。 2019年3月期末における現金及び現金同等物の残高は、569百万円となった。各キャッシュ・フローの状況を見ると、営業キャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益が279百万円となったことを主因に374百万円の収入、投資キャッシュ・フローは55百万円の支出とM&Aによる一時的な支出増が見られた前期から自然な状況に戻っている。一方、財務キャッシュ・フローは、新株予約権の行使等による収入が468百万円あったものの、短期借入金の純減が1,177百万円あったことから、全体としては218百万円の支出となった。 2. 実質的に増収増益を達成した2020年3月期上期決算 2020年3月期第2四半期累計期間(上期)の連結業績は、売上高が前年同期比18.4%増の1,839百万円、営業利益が同8.8%増の61百万円、経常利益が同65.2%増の72百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益については、同37.3%減の43百万円となっているが前年同期に計上した投資有価証券売却益がはく落したためであり、その影響を除けば実質的には増収増益決算であったとみていいだろう。 期初会社計画に対する進捗率は、売上高は44.5%、営業利益は21.9%、経常利益は28.0%、親会社株主に帰属する当期純利益は24.0%であった。2019年3月期上期の通期実績に対する進捗率を見ると、売上高は42.5%、営業利益は23.1%、経常利益は19.2%、親会社株主に帰属する当期純利益は33.3%となっており、下期偏重型の事業特性を勘案すれば、上期実績はほぼ計画に沿った推移だと考えられる。 上期の実績で特筆すべきは、財務体質の健全化である。財務安全性指標を見ると、上期末の自己資本比率は55.1%と前期末の45.0%から一段と上昇、流動比率も224.2%と十分な支払余力を示す200%超えを達成している。流動資産の内訳としては、現預金が1,800百万円と全体の60.2%を占めている。また、自己資本は2,096百万円まで積み上がり、資本剰余金からの振替もあって通常の配当原資となる利益剰余金は95百万円と前期末のマイナス水準(565百万円)からプラス転換を果たしている。今期末に予定している1株当たり5円配当を賄うために必要な資金は81百万円であり、上期末時点で既に十分な配当原資を確保していることになる。 また、財務体質の健全化は営業外損益の改善にもつながっている。輸入商材を主力プロダクトとして取り扱う同社の場合、為替差損益が営業外収益に与える影響を完全に排除することはできないものの、2020年3月期上期には有利子負債圧縮効果が顕在化(支払利息が前年同期比66.2%減)、営業外損益の好転に一役買っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘) 《SF》
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海外のハードウェアやソフトウェア製品を輸入販売。社内ネットワークの構築や医療機関向け多言語サービスも事業領域。米Synackとのパートナーシップでセキュリティ領域を拡充。受注拡大し、3Q累計は大幅増収。 記:2022/03/23