マーケット
4/26 15:15
37,934.76
+306.28
38,239.66
+153.86
暗号資産
FISCO BTC Index
4/28 9:00:08
10,029,227
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

橋本総業HD Research Memo(3):管材を深掘りした、多様で安定的な品ぞろえが強み

2019/12/13 17:58 FISCO
*17:58JST 橋本総業HD Research Memo(3):管材を深掘りした、多様で安定的な品ぞろえが強み   ■事業概要 1. 取扱商品 橋本総業ホールディングス<7570>の取扱商品は、管類、継手類、バルブ類、化成品類、工具関連機材などの管材類をはじめ、便器・手洗器、洗面化粧台など衛生陶器・金具類、給湯関連や厨房関連など住宅設備機器類、各種エアコンや各種ポンプなど空調機器・ポンプであり、水回りのパイプやガス関連の商品が多いという特徴がある。主要な仕入先メーカーは住宅設備の積水化学工業<4204>や衛生陶器のTOTO、建材・電材のパナソニック<6752>、バルブのキッツ<6498>、エアコンのダイキン工業<6367>など、業界や日本を代表する大手有力メーカーが多い。なかでもTOTOからの仕入高は全仕入の約30%を占めており、メーカーサイドにとっても同社は外すことのできない流通の要となっている。取扱アイテム数は約4万点あり、主要倉庫では売れ筋を中心に常時約1万点以上を在庫しているが、各拠点でも地域に密着した在庫を取りそろえている。なお、2020年3月期第2四半期のセグメント別売上高構成比は、管材類31.1%、衛生陶器・金具類29.2%、住宅設備機器類15.6%、空調機器・ポンプ22.7%となっている。 2. 流通構造上の特徴 近年、MRO(間接資材)の販売において、MonotaRO<3064>やアスクル<2678>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>などネット通販業態の成長が目覚しい。メーカーとの直接取引やユーザーへの大量販売を背景に価格が安いというイメージがあり、非効率な多段階流通や中間マージンを是正して成長する新流通と見なされることが多い。こうした株式市場の先入観により、新流通と見られた企業の株価評価は高く、従来型流通と見られる企業は低くなりがちである。確かに一部で流通の短縮や既存流通からの顧客(工事店など最終ユーザー)のシフトが起こることもある。しかしこれは、かつてホームセンターがプロ向け商材を拡充した際の状況に似ている。大型化を進めたホームセンターが巨大な売場に大型機械から建材、MROなど様々な商品を品ぞろえした際、株式市場では既存流通からホームセンターへのプロ客のシフトを予想した。しかし、ホームセンターの既存流通への影響は一部にとどまった。むしろ、DIYer(自ら施工する一般消費者~セミプロ)という新たな市場を創造したことの方が評価されている。これは、ホームセンターのビジネスモデルが工事店のニーズを捉えきれなかったことが理由と考えられる。 ネット通販業態も、単に安く早く商品を流すだけでは工事店のニーズを捉えきることはできないと思われる。なぜなら、それは従来の流通でも可能だからである。しかも従来の流通は、ホームセンターやネット通販と違って、メーカーと販売店の事情を知って商売をしている。一方、メーカーにも情報伝達や価格維持といった流通への期待があるため、大量取引だけで出し値が変わることは少ないとも言われている。特に同社は、取引先向けに商品情報や地域~マクロの情報、人材の研修・教育などのサービスを提供しており、その他にも設計段階から見積もりに参加するなど業界自体を育成する力があり、メーカー、2次卸、ゼネコン、工事店と川上から川下までが一体となった強固なバリューチェーン※の中核になっているという強みがある。 ※バリューチェーン:川上から川下までが一体となった商物情報流それぞれに高い付加価値のある流通。 加えて、同社は古い流通に固執しているわけではなく、新しいIT技術も積極的に取り入れている。同社は、土日祝日も含め24時間365日いつでも注文や在庫検索のできる会員専用Webサイト「Online Partner System(OPS)」を運営している。またネットカタログ「e-設備NET/PRO」では、建築現場で必要となるカタログや図面などをWeb上から取り出すことができる。販売店からのWeb受注は既に売上の2割に達しているが、販売店の効率化のため、さらに比率を引き上げることを目指している。同社がWebを通じた利便性ニーズをしっかり捕捉している証拠である。さらに、全国を網羅した拠点は、ホームセンターやネット通販よりも現場に近いところにあり、そこで現場に密着した在庫を十分取りそろえ、一部エリアでは発注当日に配送することも可能となっている。もちろん、管材に特化したより深い情報やサービスをもって、営業が直接納品することもできる。このように、利便性も価格も同等以上の流通が廃れるわけがなく、むしろ今後も管材の大動脈であることに変わりないと言えるだろう。これは、ネット通販やホームセンターが、期待されながら専門卸の牙城を崩せない理由でもある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
関連銘柄 7件
2678 東証プライム
2,367
4/26 15:00
+22(%)
時価総額 230,827百万円
オフィス用品通販で成長。個人向けEC「ロハコ」も。ヤフーLINEの傘下。24.5期3Q累計はロハコが足踏み。だが法人向け通販の粗利率改善や物流効率化などで増収増益に。損害賠償金特益。総還元性向45%目安。 記:2024/04/09
3064 東証プライム
1,782.5
4/26 15:00
-150(%)
時価総額 893,649百万円
間接資材のインターネット通販最大手。工場・工事用、自動車整備用等の間接資材を販売。取扱商品は約2200万点。登録会員数は910万6521口座。購買管理システム事業は高成長。23.12期通期は2桁増収増益。 記:2024/04/15
4204 東証プライム
2,228
4/26 15:00
+3.5(%)
時価総額 1,032,694百万円
高機能樹脂、環境・ライフライン、住宅が柱。医療事業などメディカル事業も手掛ける。高機能プラスチックス部門は堅調。モビリティ分野は自動車関連の需要が回復。特別利益計上。24.3期3Q累計は2桁最終増益。 記:2024/03/04
6367 東証プライム
21,160
4/26 15:00
+760(%)
時価総額 6,202,292百万円
エアコン世界首位。世界で唯一、空調と冷媒の両方を手掛け、インバータ搭載機に定評。フッ素樹脂も展開。換気や除菌機能搭載商品、IoT活用サービスなどにも注力。業容好調で売上高、営業利益ともに過去最高を更新。 記:2024/02/06
6498 東証プライム
1,318
4/26 15:00
+14(%)
時価総額 119,143百万円
世界的なバルブメーカー。「KITZ」ブランドで青銅や鉄鋼製のバルブ、継手、浄水器、工業用フィルターを製造、販売する。伸銅品にも強みを持つ。23年12月期の売上高は過去最高となった。バルブ事業等が増加した。 記:2024/03/08
1,338
4/26 15:00
+13(%)
時価総額 3,283,528百万円
総合家電大手。家電、住設設備、FA機器、電池も。くらし事業では北米コールドチェーン、国内電材が増収。北米車載電池の増販、米国IRA補助金の計上等でエナジー部門は収益伸長。24.3期3Qは大幅増益。 記:2024/04/07
7570 東証スタンダード
1,323
4/26 15:00
+22(%)
時価総額 28,171百万円
住宅設備機器の専門商社。管材類や衛生陶器・金具類、住宅設備機器類、空調機器類を扱う。管材類は売上堅調。非住宅分野における金属管材類の需要増などが寄与。衛生陶器・金具類等も売上増。24.3期3Qは増収。 記:2024/02/10