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3Dマトリック Research Memo(7):2020年4月期は北米での販売がスタート
2019/7/18 7:57
FISCO
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*07:57JST 3Dマトリック Research Memo(7):2020年4月期は北米での販売がスタート ■今後の見通し 1. 2020年4月期の業績見通し スリー・ディー・マトリックス<
7777
>の2020年4月期の連結業績は事業収益で882~1,432百万円、営業損失で1,866〜1,316百万円とレンジ形式で予想を開示している。事業収益のうち、製品売上高については前期比168.2%増の882百万円を見込んでいる。地域別では欧州向けで同171.8%増の522百万円、アジア・オセアニア向けで同135.4%増の299百万円、中南米・カナダ向けは同20倍増の40百万円にそれぞれ拡大する見通しで、新たに米国向けで癒着防止材20百万円を見込んでいる。カナダ、米国向けが2019年秋以降の販売開始、欧州ではFUJIFILMの本格稼働が期の後半になる見通しであることから、半期ベースで見ると上期が3億円強、下期が5億円強と右肩上がりの成長を見込んでいる。 収益のレンジは、契約一時金及びマイルストーン収入の有無によるもので合計550百万円を想定している。このうち、500百万円は欧州での内視鏡領域以外(心臓血管外科、一般外科領域等)での独占販売権契約の締結、50百万円は韓国における止血材の販売承認取得によるマイルストーン収入で見込んでいる。欧州では現在、心臓血管外科領域で1社と協議を進めている段階だが、販売データの更なる積み上げが契約締結を行ううえで必要となっている。 費用計画について見ると、売上原価は前期比386百万円増加の699百万円、売上原価率では79.3%と前期の94.9%からは低下する。ただ、製造ラインの能力に対する生産量がまだ少なく、1本当たりの原材料比率や固定費率が高く同社が想定している本格量産時の原価率よりは高い水準となっている(製造は扶桑薬品工業に委託しているが、委託費の中に固定費部分も含まれている)。研究開発費は同190百万円減少の596百万円となる見通し。国内で止血材の臨床試験が間もなく終了することが減少要因となる。販管費については同44百万円減少の1,453百万円を見込んでいる。営業人員についてはオーストラリアや米国で増やす可能性があるものの、その他販管費の抑制に取り組んでいく。この結果、2020年4月期においても営業損失が続くことになるが、前期比では縮小する見通しだ。 (1) 欧州 欧州向け売上高は直近第4四半期(2019年2月−4月)の販売実績69百万円をベースに、主要代理店へのヒアリングから販売可能医療施設数の増加を前提に計画を策定している。特に、ドイツ、フランス、イギリス等の主要国において顧客数が増加する見通しで、ターゲット医療施設数は250件を前提に計画している。新たな販売パートナーとなるFUJIFILMによる売上増効果が下期以降に顕在化することから、半期ベースの売上比率は上期3割、下期7割と下期偏重型となる。 なお、イギリスでは2018年11月より消化器内視鏡手術領域における大規模臨床研究「POPS(Prospective Observational PuraStat Study)」が始まっている。「PuraStat®」の止血効果だけでなく、後出血予防や創傷治癒等の副次効果についての臨床データを収集し、その後の比較試験の設計や使用ガイドラインの策定につなげていくことが目的となっている。目標症例数は200例で現在、基幹病院を中心に20病院の参加(新たに3病院が参加予定)が決まっている。2019年6月時点で33症例(3病院)の組入れが実施中であり、今後、各地域の中核病院でも臨床研究を始め、およそ2年のスケジュールで臨床研究を終える予定となっている。 今回の「POPS」の費用は国家予算の補助金が充当されるため製品売上に寄与するほか、参加する基幹病院すべてでアカウントが開設されるため、新規顧客開拓のための時間と費用が大幅に短縮されるといったメリットがある。欧州では従来、アカウントの開設手続きだけで半年程度の時間を要するなど、取引開始までに時間がかかるケースが多かったが、「POPS」の開始によってイギリスでの売上成長スピードが加速していくものと期待される。 (2) アジア・オセアニア アジア・オセアニア向けでは主にオーストラリアでの販売増を見込んでいる。前第4四半期の売上実績が57百万円をベースに、ENT領域や内視鏡及び腹腔鏡領域における顧客数の増加を見込んでいる。主要都市部でもまだ顧客の開拓余地が残っており、営業スタッフを増員しながら増やしていく計画となっている。また、一般外科や心臓血管外科領域等へのプロモーション活動にも取り組んでいく方針となっているが、これら領域については売上計画に殆ど織り込んでいない。半期ベースの売上比率は上期、下期とほぼイーブンで見ているが、顧客数の増加傾向が続けば上振れする可能性はあると見られる。 その他の国では香港、タイ、ベトナムで若干の売上を見込んでいる。また、韓国については販売承認の取得時期によって製品売上が計上される可能性があるが、現時点では計画に織り込んでいない。 (3) 中南米・カナダ ブラジルとカナダでの売上を主に見込んでいるが、大半は2019年秋から販売を開始するカナダ向けになると予想される。このため、早ければ第2四半期以降に売上が増加するものと予想される。 (4) 米国 米国ではENT領域で癒着防止材「PuraSinus」の販売を2019年秋から開始する。まずは直販で販売実績を積み重ねた上で、独占販売権契約の締結を目指す戦略となっている。ENT領域の癒着防止材としてはオーストラリアでの成功事例を生かすことができるため、比較的早期に販売が拡大していくものと期待される。オーストラリアでは2015年10月に販売を開始してから、成長軌道に入るまでに3年近くかかったが、米国ではそれよりも早いスピードで成長軌道に乗ることが期待される。 既にENT領域で著名な医師10名程度(ハーバード大学やスタンフォード大学の医学部助教授等)にコンタクトを終えており、初期の関心度も非常に高く好感触を得ているようだ。医師からのヒアリングによる評価ポイントとしては、「既存止血材は癒着を助長するので使えないが、PuraSinusであれば使用可能」「癒着しない製品(ガーゼ等のパッキング材)は鼻を塞ぐものなので、患者のQOLが悪い」「傷の治癒が早まる可能性がある」「使い勝手が良い」「PuraSinusは炎症が起こらないため、手術後の壊死組織切除が不要になる可能性がある」等と言った点が挙げられる。 米国ではオーストラリアと同様に私立病院が多く患者の獲得競争も激しい。患者は病院を選択する際に、インターネットでの口コミ情報等を参考にするため、直接、患者のQOL向上につながる効果が期待できる「PuraSinus®」は病院にとって患者獲得のためのアピールポイントにもなるだけに、認知度が高まれば短期間で普及拡大が進む可能性もあると弊社では見ている。営業体制はマネージャーとスタッフの2名体制でスタートしているが、状況を見ながら増員する計画となっている。米国での潜在市場規模は100〜200億円、類似の競合品もないことから成長期待は大きい。なお、独占販売権契約については、候補先2社と協議を行っている状況に変わりない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
関連銘柄 1件
7777 東証グロース
スリー・ディー・マトリックス
111
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 10,727百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材は欧米で好調。欧州で次世代止血材の製造販売承認申請。疑義注記。 記:2024/09/19
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