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DEAR・L Research Memo(8):東京圏の投資型マンション開発・収益不動産投資を加速

2019/6/19 15:28 FISCO
*15:28JST DEAR・L Research Memo(8):東京圏の投資型マンション開発・収益不動産投資を加速 ■中長期の成長戦略 1. 仕入れと開発プロジェクト ディア・ライフ<3245>は2021年9月期を最終年度とする中期経営計画「Go For The Future 2021」を推進中である。継続的な成長を維持しながら、2020年代の発展に向けた布石を打つことが目的となる。主力の不動産事業の重点テーマとしては、従来どおり東京圏エリアに特化して開発・投資事業量の拡大を目指す方針が再確認された。また新機軸としては「継続安定収益アセットのストック推進」が盛り込まれた。今後はフローとストックのバランスを取りながら事業運営が成されることになる。数値目標としては、2021年9月期の経常利益で50億円、ROE15%以上、ROA10%水準、自己資本比率30%以上を目指す。 高い成長を目指すなか、初年度である2019年9月期の第2四半期には都市型マンション開発プロジェクト用地及び収益不動産の仕入れがこれまでよりもさらに積極的に進められた。仕掛販売用不動産で前期末比54.8%増となる10,239百万円、販売用不動産で同2.53倍(同152.5%増)となる5,773百万円と大幅に資産規模を拡大した。特に販売用不動産が伸びている要因としては、中期経営計画にうたわれているとおり「アセットストック」として収益不動産の取得が加速された証だろう。案件の大型化も進んでおり、第2四半期末において前年を上回る、事業規模で約236億円に達する資産の仕入れに成功している。資産総額、案件規模、ストックとフローのバランス、いずれの指標においても新中期経営計画のもとギアチェンジが行われたことが確認できる。 2. ワーキングスペース運営のコインスペース社と業務資本提携 同社は、2019年5月20日にワーキングスペースの出店・運営を行うベンチャー企業であるコインスペース株式会社(本社:東京都港区)と業務提携および資本提携を行うことを決定した。ワーキングスペースは、政府による働き方改革や各企業によるテレワークの導入などにより需要が増加している。コインスペースは「テクノロジーを活用した新たな空間創造を通じて、生活者の時間的価値の向上を実現する」ことをビジョンに掲げ、都心部を中心に9店舗(約5000人が利用)を展開している。コインスペースのワーキングスペースの特徴は、単発利用者も利用できる様々な料金体系と、PC・スマートフォンによる事前予約やキャッシュレス決済などユーザビリティの高い運営システムにある。今回の第三者割当増資では、(株)ディア・ライフ、(株)リビングハウス、その他事業会社など複数企業から1.4億円を集めた。業務提携に関しては、同社の不動産投資・運用ノウハウや関係会社である株式会社パルマのセルフストレージ事業におけるノウハウや情報を提供することにより、ワーキングスペースの出店加速化や最適な店舗運営システムの確立に寄与するとともに、同社グループが投資開発する不動産へのワーキングスペース出店を通じて、利用価値や資産価値の向上を図る。 3. 早稲田大学ベンチャーファンドへの出資 同社は、2019年5月10日に早稲田大学に関係するベンチャー企業を専門に出資する専門ファンドへの出資を決定した。同ファンドの運営を行うのは、早稲田大学認定ベンチャーキャピタルであり、2018年10月に東証マザーズ市場に上場したVALUENEX株式会社(早稲田大学理工学術院中村達生氏の研究成果のAI技術を活用したビッグデータ解析サービスを展開)を始めとした、アーリーステージの企業の成長支援実績を多数有するウェルインベストメント株式会社が行う。ファンド規模は20億円の予定。同社は1億円を出資する。この取組みを通じて、早稲田大学の国際競争力の向上に貢献していくとともに、本件投資先企業への同社ノウハウの提供や協業機会の創出を目的としている。ちなみに、同社代表取締役の阿部幸広氏は早稲田大学の卒業生である。 4. OYO T&Hと業務提携 6月6日にOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN(OYO T&H)との間の「不動産の管理委託に関する情報の相互提供及び検討」にかかる業務提携の開始を発表した。提携によって、同社が東京圏で保有する賃貸物件及び開発中の都市型マンションに、「OYO LIFE」を始めとした価値の高い不動産サービスを導入し、高品質ながら手軽さと利便性を兼ね備えた優良不動産を市場へ供給していくことが狙い。 ソフトバンクグループの「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」などが主要株主のOYO T&Hは、世界第7位のホテルチェーンであるインドのホテル運営企業OYOとヤフー<4689>の合弁による日本での賃貸住宅事業「OYO LIFE」をスタートしている。業務提携の具体的な内容は、同社が東京圏で保有する賃貸物件や開発中の都市型マンションに関して、優先的にOYO T&H に情報提供を行うというもの。OYO T&H は該当する物件を調査し、アパートメントサービス「OYO LIFE」対象物件として借上やサービスの導入を検討する。2019年6月時点では、新宿区山吹町と東五軒町の2物件・5住戸について OYO T&Hと提携を締結している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《ST》
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