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ユニリタ Research Memo(2):システム運用とデータ活用領域が強みのパッケージソフトウェアメーカー

2019/6/11 15:12 FISCO
*15:12JST ユニリタ Research Memo(2):システム運用とデータ活用領域が強みのパッケージソフトウェアメーカー ■会社概要 1. 事業概要 ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。 創業以来、金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が安定収益源となっており、高い収益性を誇っている。また、過去においては、顧客のジョブ管理や帳票管理など、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社の業績も着実な成長を遂げてきた。 しかしながら、システムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及、ビッグデータの活用など外部環境の急激な変化を受けて、中長期的な視点から将来を見据えた事業構造変革に着手※。それまでのITシステム運用の自動化、効率化に貢献する分野(生産性向上等)に加えて、顧客の企業価値向上に直接貢献する分野(市場拡大や競争力の向上等)へと事業領域を拡充することにより、ITの「攻め」と「守り」の両面において、顧客のデジタル変革ニーズに対応するための事業体制作りを進めている。 ※事業構造変革の一環として、2015年4月に連結子会社のビーコンITを吸収合併するとともに、会社名を株式会社ビーエスピー(BSP)から株式会社ユニリタへ変更。BSPの得意領域である「システム運用」とビーコンITの得意領域である「データ活用」が一体となった事業体制の確立により、環境変化への対応とシナジー創出の実現を進めている。 また、2019年3月期からは新たな中期経営計画を推進。これまでの取り組みをさらに進化させ、事業専門性を高めたクラウドサービスの提供やパートナー企業との協業モデルの推進など、より具体的なソリューション提供(顧客の直接的な課題解決や新しいビジネスの創造)を重視した方向性を打ち出している。 事業セグメントは「クラウド事業」「プロダクト事業」「ソリューション事業」「メインフレーム事業」「システムインテグレーション事業」※の5つに区分される。創業以来の主力である「メインフレーム事業」の構成比は、他の事業の伸長により低下傾向にある一方、成長分野である「クラウド事業」はまだ小規模ながら大きく伸びてきた。 ※2018年2月に買収した(株)無限の連結化に伴って、2019年3月期より「システムインテグレーション事業」が新たに追加された。 各事業の概要は以下のとおりである。 (1) クラウド事業 データ活用、システム運用、労務管理・バックオフィス業務などの領域において、同社グループの製品及びサービスをクラウドサービス(利用料課金型)で提供している。主力製品には、ITSM(ITサービスマネジメント)ツールである「LMIS」※1や働き方改革のニーズに対するセキュリティ機能を備えた「infoScoop×Digital Workforce」※2、人材派遣業界向けのSaaS型勤怠管理サービス「Digisheet」※3を主力製品として展開。また、国内ベンダー初となるコミュニケーション特化型PaaS「Smart Communication Platform」※4をリリースしたほか、クラウド型データセンターを運営するアイネット<9600>※5との協業により、アイネットのクラウド基盤上でのサーバの運用管理やセキュリティ対策、障害発生時の対応まで幅広くサポートする「ユニリタクラウドサービス」の提供も開始している。 ※1 「LMIS」は、サービスデスク機能を中心とした ITサービス全体を適切に管理する仕組みを提供するクラウドサービスである。 ※2 「infoScoop×Digital Workforce」はシングルサインオンや ID管理機能を持ち、業務効率向上とセキュリティ強化に貢献するクラウドサービスである。 ※3 子会社の(株)アスペックスが提供。 ※4 企業のデジタル変革の推進や、クラウドインテグレータがクラウドサービスを開発する場合に、同社の提供するシステム基盤やマイクロサービス(動画やSNSなど)から必要な機能だけを選択し、素早くサービスを展開できるプラットフォームとなっている。 ※5 2017年5月に資本業務提携を締結。 (2) プロダクト事業 自社開発のオープン系パッケージソフトを中心とした製品販売を行っている。データ活用領域では、非定型でリアルタイムに生成される膨大なデータを連携させ分析・活用するためのソフトウェア製品並びにサービスを提供するとともに、システム運用領域では、基幹業務システムの運用を正確・効率的に稼働させるために必要なソフトウェア製品並びにサービスを提供している。製品の使用権の許諾料(ライセンス料)及び製品価格の一定割合の保守料が収益源となっている。主力製品には、ジョブ管理ツール「A-AUTO」(自動化領域)※1やデータ連携・統合ツール「Waha! Transformer」(ETL領域)※2のほか、BPM※3や子会社によるバス事業者向けIoT型ソリューション※4、BCP対応製品※5なども展開している。 ※1 「A-AUTO」は、異なるプラットフォームで稼働するシステムのジョブを統合管理し、自動実行制御を実現するバッチ処理のジョブ管理ツール。 ※2 「Waha! Transformer」は、業務で利用される様々な形式のデータを必要な形式にノンプログラミングで変換する国産ETLツール。 ※3 ビジネス・プロセス・マネジメントの略。企業の全社的な業務の流れを把握・分析し、情報システムを用いて継続的に管理・改善・最適化していくこと。 ※4 IoT技術を活用したバス事業者向けソリューション。バス位置検索システム(路線検索、運用位置情報検索等)のほか、バス乗降者数をリアルタイムで計測できるシステムも開発。子会社の(株)ユニ・トランドが提供。 ※5 ビジネス・コンティニュイティ・プランの略。災害や不祥事などの緊急事態が発生した際、特定の重要な業務を中断しないこと、または万一活動が中断した場合でも事業の中断によるロスを最小化するために策定される計画。子会社の(株)ビーティスが提供。 (3) ソリューション事業 「クラウド事業」及び「プロダクト事業」の拡大に当たって、両事業の前後の工程を担うものであり、顧客のデジタル変革を支援するためのシステム運用やデータマネジメントのコンサルティングのほか、同社グループの製品及びサービスに付随する導入支援・技術支援を通じて、顧客に付加価値の高いソリューションを提供している。すなわち、「ソリューション事業(コンサルティング)」でマーケットにアプローチし、両事業の製品・サービスの販売につなげ、その後、「ソリューション事業(技術支援、アウトソーシング等)」で一貫したサービスを提供する形となっている。したがって、相互に影響を及ぼす関係性があるところに注意が必要である。 (4) メインフレーム事業 金融機関や生損保、大手製造業を中心とした基幹業務システムの運用管理のためのメインフレーム向け自社ソフトウェア製品の販売・サポート事業を行っている。創業以来の主力事業であり、安定収益源となっている。市場全体は縮小傾向(成熟分野)にあるものの、底堅い需要に支えられている上、ユーザ企業の関心の高い新機能※の提供も開始するなど、新たな需要の開拓にも取り組んでいる。 ※同社がこれまで培ってきたノウハウとスキルを活かしたメインフレームユーザのためのシステム運用シミュレーション機能を付加したソフトウェアの提供を開始。 (5) システムインテグレーション事業 2018年2月に買収した無限の連結化に伴って2019年3月期より新たに追加されたセグメントである。情報通信業、流通小売業、製造業などの顧客を中心に、顧客管理、eコマース、コンテンツマネジメント、IT基盤などの企業情報システムを構築している。事業特性上、収益性は同社の全体的な水準と比較して低いものの、顧客のシステムライフサイクルの上流からワンストップで提案するグループエコシステムにおいて重要な役割を担う。 2019年3月末の顧客数(同社製品の導入実績数)は1,200社を超え、大手企業による導入実績が多くみられる。業種別売上構成比では、幅広い業種に対応しているが、製造、小売・流通、金融・保険の比率が高い。 販売チャネルは、従来、直販を中心に提供してきたが、最近では、パートナー企業(販売代理店)との協業によるソリューション提供力の強化(協業モデル推進)に取り組んでおり、パートナー企業数も100社を突破している。 連結子会社は、システム運用コンサルティング事業を展開する(株)ビーエスピーソリューションズと中国の販売拠点である備実必(上海)軟件科技有限公司(以下、BSP上海)のほか、(株)アスペックス(人材派遣業界向けの勤怠管理用のSaaSビジネス)、(株)ビーティス(BCPサービスの構築・運用・保守のサポート)、(株)データ総研(データ活用に関するコンサルティング事業)、(株)ユニ・トランド(移動体向けITソリューションの提供)、(株)ユニリタプラス(西日本地域の顧客への販売強化及びパートナー企業との連携)、(株)無限(システムインテグレーション事業、自社パッケージソフトの開発・販売など)の計8社となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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