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国内株式市場見通し:イベント豊富、波乱含みの展開か

2023/4/22 14:16 FISCO
*14:16JST 国内株式市場見通し:イベント豊富、波乱含みの展開か   ■ザラ場年初来高値を更新 今週の日経平均は週間で70.9円高(+0.25%)と続伸。週足のローソク足は上ヒゲを伴った陽線を形成した。日経平均は28500円近辺での底堅い展開が続いた。米連銀総裁のタカ派発言などで米金利が上昇する中、為替の円安が大きな支援要因になった。ほか、概ね予想通りとなった米金融決算や中国経済指標の改善を背景に景気後退懸念が緩和したことも寄与した。週後半には、台湾積体電路製造(TSMC)をはじめとした半導体企業の決算が想定程には悪くないとの見方から買い戻しに拍車がかかった。ただ上値は重く、週末に28778.37円とザラ場ベースの年初来高値を更新した後は大きく失速した。 ■日米主力企業の決算、日銀金融政策決定会合などに注目 来週の東京株式市場は神経質な展開か。ニデック<6594>(24日)、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>(26日)、キーエンス<6861>、信越化学<4063>、デンソー<6902>(27日)、ソニーG<6758>、村田製作所<6981>、レーザーテック<6920>(28日)など主力企業の決算発表が本格化してくる。基本は個別株物色が中心となり、週半ばまでは指数の方向感は出にくいと予想される。週末にかけては植田和男総裁の就任後で初となる日本銀行の金融政策決定会合が予定されており、国内大型連休中の米連邦公開市場委員会(FOMC)も近づく中、週末にかけては荒い展開となる可能性があろう。 4月第2週に連騰劇を見せた日経平均は第3週も想定以上の底堅さを見せた。日本取引所グループ(JPX)の投資部門別売買状況によると、4月第2週(10-14日)に海外投資家は日本株を現物で1兆円以上買い越した。こうした背景として、東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業への改善要請や、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の追加投資報道などをきっかけに日本株の見通し機運が高まっている故との指摘もある。ただ、1-3月の間に日本株を大きく売り越してきた海外勢が、金融システム不安が後退する中、主力企業の決算シーズンの本格化を前に買い戻したに過ぎないとも言える。 海外勢の現物ポジションについて年始からの累計でみると、4月14日時点において1700億円程の買い越しに転じてきた。ポジションはすでに中立に戻っており、先物では買い戻し余地が残っているとはいえ(年初来累計で日経225先物は約3900億円の売り越し、TOPIX先物は約1兆5900億円の売り越し)、日本株全体では買い戻し圧力のピークは過ぎたと考えられる。東証プライム市場の売買代金は2兆円台前半の状況が続き、本腰の入った買いが入っているようには見られない中、指数が上がっているのは売り方の買い戻しと短期筋の追随買いにとどまっているとも思われる。 一方、日経平均の変動率に対して2倍の値動きの実現を目指す、日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(ETF)の14日時点での信用残状況をみると、7日から売り残が大幅に増加する一方で、買い残が大きく減少しており、信用倍率は7日の1.60倍から0.77倍へと売り長に転じた。対照的に、日経平均の変動率に対してマイナス2倍の値動きの実現を目指す、日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信の信用残は買い残が売り残を大幅に上回る規模で増加し、信用倍率は7日の15.06倍から20.24倍へと急拡大した。 来週も週半ばまで株式市場で想定超の底堅い展開が続けば、国内大型連休や日米の金融政策イベントを前に売り方が損失覚悟の買い戻しに走ることで踏み上げ的な上昇が起きる可能性がある。その場合、短期的なオーバーシュートで日経平均は一時的に29000円を捉える場面がありそうだ。しかし、大型連休中の空白リスクを嫌った売りが早ければ来週後半から出てくる可能性もあり、「週末まで堅調」もしくは「前半堅調も週末にかけて崩れる」シナリオのどちらかを予想する。 日銀金融政策決定会合では現状維持が大方の予想だ。総裁就任後の初の会合でサプライズを演出してしまえばタカ派のレッテルを貼られ、その後のコミュニケーションに支障が出かねないとの指摘もあり、予想通りとなる可能性が高いだろう。一方、3月の全国消費者物価指数(CPI)で生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年同月比+3.8%と、2月(+3.5%)から加速し、市場予想(+3.6%)を上回った。春季労使交渉の結果が想定を上回るなど、持続的な物価上昇の機運が見え始めたこともあり、今会合で公表する経済・物価情勢の展望において、見通しの変化を通じて政策修正を織り込ませる可能性もある。結果次第では現状維持となった場合でも、為替の円高・ドル安が進む可能性があり注意したい。 ほか、攪乱要因としては米国でアルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドットコムなどのIT大手の決算が予定されている。景気後退懸念が強まっている中、顧客のクラウド投資については予算縮小やスケジュール延期などが想定され、注目のクラウド事業については3社ともに成長鈍化が予想される。ある程度は織り込まれていると思われるが、米S&P500種株価指数を対象としたPER(株価収益率)などバリュエーションに割高感が否めない中、あく抜け感よりは失望売りが先行する可能性に注意したい。 ■3月有効求人倍率、4月都区部消費者物価指数など 来週は25日に3月全国百貨店売上高、米4月消費者信頼感指数、米3月新築住宅販売、26日に米3月耐久財受注、27日に日銀金融政策決定会合(~28日)、米1-3月期GDP速報値、28日に3月有効求人倍率、4月都区部消費者物価指数、3月鉱工業生産、3月商業動態統計、3月住宅着工統計、植田日銀総裁会見、米3月個人消費支出(PCE)コアデフレーター、などが予定されている。 《FA》
関連銘柄 9件
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,660
11/22 15:30
-20(%)
時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6902 東証プライム
2,267.5
11/22 15:30
-19(%)
時価総額 7,146,661百万円
トヨタ系自動車部品メーカー。1949年にトヨタから分離独立。サーマルシステム、パワトレインシステム等を手掛ける。インバータで世界トップシェア。FA関連等の非車載事業も。電動化製品、安心・安全製品を拡販。 記:2024/10/07
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04