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新興市場見通し:中銀イベントウィークで小休止

2023/1/30 0:01 FISCO
*00:01JST 新興市場見通し:中銀イベントウィークで小休止   ■利上げ幅縮小期待で買い先行 今週の新興市場は3週続伸。米フィラデルフィア連銀・ハーカー総裁、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事などが0.25ptへの利上げ幅縮小を支持し、米金利が低下する中、週初から買いが続いた。一方、週後半の2日間は騰勢一服で小幅ながら下落した。この間、米ナスダック指数などの上昇は続いていたが、マザーズ指数は25日の時点で6日続伸と連騰が続いていたうえ、節目の800ptが視野に入ってきたタイミングで、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)開催が近づいてきたこともあり、利益確定売りが出やすかったようだ。なお、週間騰落率は日経平均が+3.12%であったのに対して、マザーズ指数は+2.30%、東証グロース市場指数は+2.39%だった。 時価総額上位銘柄では、決算が再評価につながったアイドマHD<7373>が+14.0%と上伸。今期2ケタ増益見通しを発表して以降の上値追いが続いたFPパートナー<7388>は+10.4%となった。一方、株式の海外売出などを背景に株価低迷が続いているANYCOLOR<5032>は-9.4%と冴えなかった。週間騰落率ランキングでは、自社開発したAI電力削減ソリューション「AIrux8」を日本で最初の販売パートナーとして加賀電子<8154>に提供開始すると発表したトラースOP<6696>が+44.5%となった。 ■来週騰勢一服も翌週から再注目か 来週の新興市場はもみ合いか。今週末に発表された米12月個人消費支出(PCE)コアデフレータは前年比+4.4%(予想+4.4%、11月+4.7%)、前月比+0.3%(予想+0.3%、11月+0.2%)だった。前月比でのプラスは続いたが、前年比及び前月比ともに市場予想一致にとどまり、前年比での鈍化傾向は継続した。また、サービス分野のインフレは続いているとはいえ、米住宅価格はすでに昨年4月にピークアウトし、遅行性のある賃料も鈍化傾向にある。米不動産会社レント・ドット・コムが26日に公表したデータによると、米国のアパート賃料は昨年12月に前年比+4.7%と、2021年7月以来の小幅な伸びにとどまったという。インフレ沈静化の傾向が確認されたことや、米長期金利が安値圏で安定して推移していることは引き続きサポート要因となろう。 一方、来週はFOMCや欧州中央銀行(ECB)定例理事会、英国金融政策委員会が開催される。もはやFOMCでの利上げ幅がサプライズになることはないだろうが、年後半における利下げの有無を巡っては、市場とFRBとの間で乖離が大きい。足元の株高と金利低下などにより、緩和的な金融環境が創出されてしまっているため、パウエル議長の会見ではタカ派な発言が出やすいことに注意したい。ECBも、一時は0.5ptの利上げは2月が最後になるのではないかといった報道が出たが、その後、一部高官が3月まで0.5ptの利上げを続けると憶測を一蹴する発言をした。今週、スイス中銀が次回会合での利上げ停止を示唆したこともあり、引き締め緩和方向への期待が高まっているが、来週の中銀イベントを境にした金利の調整(上昇)には注意を払いたい。 ほか、日米で主力企業の決算発表が本格化することで、決算発表のピークが少し先の新興株は、来週はやや蚊帳の外に置かれる可能性がある。ただ、中銀イベントを消化した後、週末の米雇用統計で平均時給の伸び鈍化を再確認できれば、翌週からは再び新興株に脚光が当たる可能性があるため、中長期では引き続き強気で臨みたい。 個別では、独自のビジネスモデルや高い成長性を誇り、上場後の株価推移も堅調なフーディソン<7114>、サンクゼール<2937>などに注目したい。 《FA》
関連銘柄 7件
2937 東証グロース
1,748
11/27 15:30
-12(%)
時価総額 16,145百万円
ジャム、ワイン等の製造・販売を行う。サンクゼール、久世福商店、MeKELなどを展開。グループ店舗数は170店舗超。長野県上水内郡に本社。FBCプログラムの充実化、生産・供給能力の拡大などに取り組む。 記:2024/08/09
5032 東証プライム
2,152
11/27 15:30
-12(%)
時価総額 134,115百万円
VTuberグループ「にじさんじ」の運営が主力。英語圏におけるVTuberビジネス「NIJISANJI EN」等も手掛ける。29歳以下のユーザーが多い。所属VTuber数は160人超。ID数は順調に増加。 記:2024/10/26
345
11/27 15:30
-6(%)
時価総額 1,620百万円
AI電力削減ソリューション「AIrux8」等のTRaaS事業、受注型Product事業、テクニカルサービス事業を展開。SaaS月額課金型サービスに経営資源集中。AIrux8は戦略販売パートナー数が着実増。 記:2024/10/10
7114 東証グロース
1,052
11/27 15:30
-34(%)
時価総額 4,790百万円
飲食店向け食品Eコマースサービス「魚ポチ」、個人向け鮮魚セレクトショップ「sakana bacca」の運営を行う。食品事業者向け人材紹介サービスも。HRサービスでは飲食店向け営業の強化などに取り組む。 記:2024/07/04
1,755
11/27 15:30
-3(%)
時価総額 26,836百万円
セールス・プラットフォームサービスを中心とする営業支援サービスが主力。ママワークス等の人材支援サービス、オンラインMTGツール等も手掛ける。営業支援サービス、人材支援サービスともに受注件数は増加傾向。 記:2024/10/26
7388 東証プライム
3,050
11/27 15:30
-20(%)
時価総額 69,915百万円
無料FP相談サイト「マネードクター」、来店型店舗「マネードクタープレミア」を運営。30~40代の顧客に生命保険や損害保険を販売。保有契約件数は伸長も営業費用増が重し。26.11期売上高480億円目標。 記:2024/10/19
8154 東証プライム
2,591
11/27 15:30
-75(%)
時価総額 148,734百万円
独立系のエレクトロニクス総合商社。半導体、一般電子部品等の製造・販売を行う電子部品事業が柱。パソコン販売やCG映像制作なども。25.3期は増収計画。電子部品事業、ソフトウェア事業中心に売上増を見込む。 記:2024/07/01