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後場に注目すべき3つのポイント~FOMC結果とその後の株価動向を推察

2022/7/27 12:19 FISCO
*12:19JST 後場に注目すべき3つのポイント~FOMC結果とその後の株価動向を推察 27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり小幅反発、FOMC結果とその後の株価動向を推察 ・ドル・円は小じっかり、米追加利上げ期待で ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は3日ぶり小幅反発、FOMC結果とその後の株価動向を推察 日経平均は3日ぶり小幅反発。37.68円高の27692.89円(出来高概算4億3521万株)で前場の取引を終えている。 26日の米株式市場でダウ平均は228.50ドル安(-0.71%)と反落。小売のウォルマートによる業績下方修正を受けて小売セクターが大きく売られ、寄り付き後下落。国際通貨基金(IMF)が成長率見通しを引き下げたことに加え、7月消費者信頼感指数や6月新築住宅販売件数が軒並み予想を下回ったため、成長減速懸念が更なる売り圧力となり、終日軟調に推移した。ナスダック総合指数は-1.86%と3日続落。米株安を受けて日経平均は80.05円安からスタート。一時27525.09円まで下げたが、アルファベットとマイクロソフトの決算が想定程に悪くなかったことで、ナスダック100先物が大きく上昇している中、序盤に切り返すと前場後半にはプラスに転じる展開となった。 個別では、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、ルネサス<6723>の半導体関連株が大幅高。村田製<6981>、TDK<6762>、SMC<6273>などハイテク株も堅調で、三井ハイテック<6966>、新光電工<6967>は大きく上昇。商船三井<9104>、郵船<9101>もしっかり。業績予想を上方修正したタムロン<7740>が急伸し、決算が手掛かりとなった栄研化学<4549>、信越ポリマー<7970>が大幅高。ファイズHD<9325>はアマゾンジャパンの配送拠点増設を手掛かりに急伸し、東証プライム市場の値上がり率トップとなった。一方、韓国子会社の上場延期に関する思惑が一部で広がり、ダブル・スコープ<6619>が急落。決算発表銘柄ではマキタ<6586>、トプコン<7732>、シマノ<7309>が大きく売られ、東証プライム市場の値下がり率上位に並んだ。ほか、キヤノン<7751>、日東電工<6988>、オムロン<6645>なども決算を受けて売り優勢。 セクターでは陸運、医薬品、海運が上昇率上位となった一方、水産・農林、輸送用機器、パルプ・紙が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体34%、対して値下がり銘柄は60%となっている。 前日の米株式市場の取引時間中、夜間取引の日経平均先物は一時27400円まで下げる場面があったが、本日の日経平均は27600円台と前日終値とほぼ変わらない水準で引き続き底堅い推移。200日移動平均線も依然として割り込んでおらず、同線上での動きは20日以降で6日目となる。同線を下値支持線に変えてきているあたり、テクニカル面では良い兆しを感じさせてくれる動きだ。 注目されたGAFAM決算の第一陣であるアルファベットとマイクロソフトの決算は、売上高と一株当たり利益が揃って市場予想を下回ったものの、下振れ幅が限定的だったため、過度な警戒感が後退する形で、株価は時間外取引で大きく上昇した。これに伴い、ナスダック100先物が堅調に推移していることが東京市場の底堅さの背景になっている。マザーズ先物も心理的な節目の700を超えた状態での推移となり、FOMC前にしてはかなり堅調な印象。 ただ、指数は日経平均だけでなく、東証株価指数(TOPIX)、マザーズ指数まで揃って前日終値とほぼ同水準にある。明日午前3時に結果公表を控える米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、売り方も買い方もどちらも持ち高を大きく動かしたくないのだろう。明日の結果次第では、様相は一変する可能性もあり、今の底堅さをそのまま素直に受け取るのは難しい。 今回のFOMCでは0.75ptの利上げが8割程の確率でほぼ織り込まれており、事前の高官発言からしても、この予想通りの結果になるだろう。焦点は次の9月会合以降の利上げ幅に対する言及だ。米国での企業の景況感、個人消費者センチメントを巡る経済指標の相次ぐ下振れを受けて、投資家は9月からの利上げ幅の鈍化、来年からの利下げ、早いところでは12月の利上げ打ち止めまでを織り込む動きとなっている。 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が記者会見で、市場の期待通り、利上げ幅の鈍化を示唆すれば、相場はポジティブな反応を示すとみられ、日経平均でいえば、短期的には28500円くらいまでのオーバーシュートはあり得そうだ。一方、足元で資源価格が下落していてインフレピークアウト期待が根強いとはいえ、消費者物価指数(CPI)などの指標結果はピークアウトどころかまだ加速中だ。インフレ対応にあたってかなり後手に回り、一時、政策運営の信頼を失いかけた経緯を踏まえると、FRBは慎重な対応を取ると推察される。 つまるところ、「データ次第で利上げ幅は変化しうる」といったどうにでも解釈できる当たり障りのない言及にとどまると考えている。ただでさえ、後手に回ったインフレ抑制にあたって、早々に利上げ幅の鈍化・打ち止めを示唆したうえ、最終的にやはりインフレ抑制に失敗したなどという最悪の事態は、FRBとしては絶対に避けたいはずだ。そうした背景を踏まえると、自ら政策運営のフリーハンドを無くすような、手枷足枷をはめるような発言をするとは考えにくい。そのため、市場が期待しているような利上げ幅の鈍化といったメッセージを明確に送ることは考えにくいだろう。 となると、今後の相場動向を占う上では現在本格化してきている企業決算ということになる。特に米国では事前の警戒感がかなり高まっていたこともあり、日米ともにこれまでに発表済みの決算については無難なものが多い印象。米国については「想定より底堅い」、日本については「そこまで悪くない、まずまず」といったところか。 しかし、仮に今後もこうした無難な決算が大半を占めた場合に、相場は今のリバウンド基調を維持し続けるだろうか。先日紹介したバンク・オブ・アメリカ(BofA)の最新の月次ファンドマネージャー調査によると、歴史的にみて機関投資家の現金比率は非常に高い一方、株式の組み入れ比率は非常に低い水準にあることが分かった。しかし、これから欧米諸国が景気後退を迎えようとするなか、思ったほどには悪くない程度の決算を確認したところで、果たして機関投資家が「よし、やっと買える」となるだろうか。せっせと現金化してきたキャッシュをそんな早々に再び買いに投じるだろうか。 国内企業の決算反応をみても、安川電機<6506>、日本電産<6594>、日東電工あたりの反応を見ていると、内容は悪くないものの、株価の反応は冴えない。日東電工については4-6月期実績および上方修正後の通期計画はともに市場予想を上回ったが、本日の株価は下落している。上振れ要因のほとんどが為替の円安だが、円安については既に周知の事実といったところで、むしろ為替効果を除いた実質ベースで伸びていないと評価されないようだ。 このように、今後の株式市場の動向については、足元で強気な見方が徐々に増えてきてはいるが、依然として軟調継続を想定するに値する根拠も多くあるように見受けられる。こうした中、今晩の米国市場ではFOMCの結果だけでなく、スナップチャットやツイッターの決算を受けて警戒感が高まっているメタ・プラットフォームズの決算などもある。足元の日経平均の日足チャートは非常に堅調な形だが、明確に強気に転じるには依然として材料不足ということを認識しておきたい。 後場の東京市場は引き続きもみ合いだろう。今晩のイベントを前に完全に様子見ムードといったところで、持ち高を大きく動かす向きは限られるとみる。 ■ドル・円は小じっかり、米追加利上げ期待で 27日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、136円後半から137円前半に値を上げた。米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げの公算で、ドル買いに振れやすい地合いとなった。また、日本株の反発で円売りも観測される。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は136円80銭−137円14銭、ユーロ・円は138円44銭−139円07銭、ユーロ・ドルは1.0116ドル−1.0147ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・不二硝子<5212>、光・彩<7878>の、2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・4-6月期消費者物価指数:前年比+6.1%(予想:+6.3%、1-3月期:+5.1%) 【要人発言】 ・国際通貨基金(IMF)世界成長見通し 「2022年の世界成長率見通し+3.2%へ引き下げ(4月時点3.6%)、23年+2.9%(+3.6%)」 <国内> ・14:00 5月景気動向指数・先行改定値(速報値:101.4) <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 26件
4549 東証プライム
2,092
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 80,628百万円
総合臨床検査薬メーカー。免疫法便潜血検査用試薬や尿検査用試験紙、各種細菌検査用培地が主要製品。免疫法便潜血検査薬で国内トップシェア。配当性向30%以上目標。海外における便潜血検査用試薬等の売上増を見込む。 記:2024/06/15
5212 東証スタンダード
1,681
3/18 14:59
-6(%)
時価総額 3,601百万円
医療用ガラス器具メーカー。注射剤容器のアンプルに強み。管瓶・試験管も。昨年11月にMBOに向けたTOB実施を発表。TOB価格は1700円。TOB成立し、3月19日付で上場廃止に。24.3期3Q累計は増益。 記:2024/03/09
6273 東証プライム
66,580
11/22 15:30
-230(%)
時価総額 4,485,428百万円
空気圧制御機器メーカー。方向制御機器や駆動機器、空気圧補助機器、温調機器等の製造・販売を行う。空気圧機器で世界トップシェア。豊富な品揃えなどが強み。千葉県柏市の新技術センターは25年9月に完成予定。 記:2024/10/04
6506 東証プライム
4,157
11/22 15:30
-70(%)
時価総額 1,108,630百万円
ACサーボモータ等のモーションコントロール、産業用ロボットが柱。1915年創業。鉄鋼用大型プラント設備、環境・エネルギー機器なども手掛ける。欧州地域のロボット生産体制を強化。販売力の強化にも取り組む。 記:2024/10/25
6586 東証プライム
4,614
11/22 15:30
+17(%)
時価総額 1,292,003百万円
1915年創業の総合電動工具メーカー。電動工具で世界シェアトップクラス。愛知県安城市に本社。製品販売国は約170ヵ国。海外売上比率が高い。販売・サービス体制が強み。充電式園芸用機器の開発などに注力。 記:2024/10/08
6594 東証プライム
2,858
11/22 15:30
-50(%)
時価総額 3,408,362百万円
総合モーターメーカー最大手。旧社名は日本電産。京都府京都市に本社。精密小型モーター、車載・産業用モーター、商業・産業用ロボットなどを手掛ける。電動パワステ用モーターなどに強み。車載向けは収益性最優先。 記:2024/10/14
6619 東証プライム
327
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 18,031百万円
リチウムイオン二次電池用セパレータの製造、販売を行う。イオン交換膜事業等も手掛ける。売上構成比は車載向けが6割超。欧米、アジア地域のEV用電池メーカーなど新規顧客開拓図る。製品競争力の強化等にも注力。 記:2024/07/28
6645 東証プライム
5,011
11/22 15:30
-98(%)
時価総額 1,033,494百万円
制御機器大手。電子部品や車載機器、自動改札機、血圧計等の健康医療機器も手掛ける。家庭用血圧計で世界トップシェア。オランダの遠隔医療会社買収。ヘルスケアは堅調。人員を大幅削減、構造改革費用重し。 記:2024/06/15
2,012
11/22 15:30
-3(%)
時価総額 3,763,677百万円
大手半導体メーカー。車載用マイコンで世界首位級。海外での大型買収により、電圧制御用や通信用の半導体を拡大。自動車向け事業は堅調。円安や自動運転支援、EV向け製品の売上が増加。米GaNパワー半導体会社買収へ。 記:2024/06/15
6762 東証プライム
1,875.5
11/22 15:30
-6.5(%)
時価総額 3,645,709百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6966 東証プライム
763
11/22 15:30
-7(%)
時価総額 150,566百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
6967 東証プライム
5,255
11/22 15:30
-22(%)
時価総額 710,329百万円
半導体パッケージメーカー。フリップチップタイプパッケージが主力。長野県長野市に本社。海外売上比率が高い。セラミック静電チャック等も。プラスチックBGA基板は生産能力増強図る。光電融合デバイスの開発に注力。 記:2024/09/02
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
6988 東証プライム
2,403.5
11/22 15:30
-1.5(%)
時価総額 1,698,700百万円
1918年創業の高機能材料メーカー。偏光板やフレキシブルプリント基板等のオプトロニクス部門、インダストリアルテープ部門が柱。核酸の受託製造、衛生材料等も。情報機能材料ではハイエンド製品向けに注力。 記:2024/09/02
7309 東証プライム
21,335
11/22 15:30
+360(%)
時価総額 1,906,922百万円
自転車部品大手。スポーツ自転車向けに強く、変速機やブレーキ等で世界トップシェア。リール、ロッドなど釣具も手掛ける。1921年創業。大阪府堺市に本社。自転車部品はロードバイク向けコンポーネントの需要が堅調。 記:2024/10/21
7732 東証プライム
1,567.5
11/22 15:30
+15.5(%)
時価総額 169,890百万円
総合精密光学機器メーカー。服部時計店精工舎の測量機部門を母体として1932年に設立。測量機器、ICT自動化施工システム、眼科用医療機器等を手掛ける。アイケア事業の収益力強化、低採算事業の整理等に取り組む。 記:2024/10/08
7740 東証プライム
4,505
11/22 15:30
+140(%)
時価総額 207,230百万円
光学機器メーカー。カメラ用交換レンズ等の写真関連事業が主力。監視カメラや車載カメラ用レンズ、医療用レンズなども手掛ける。総還元性向は60%程度目安。ミラーレスカメラ用交換レンズのラインナップを拡充。 記:2024/06/25
7751 東証プライム
5,054
11/22 15:30
+61(%)
時価総額 6,740,838百万円
精密機器大手。1937年設立。オフィス複合機やレンズ交換式カメラ、FPD露光装置などで世界トップシェア。バランスの取れた事業構造が強み。海外売上比率は7割超。商業印刷、産業印刷分野はラインアップ強化図る。 記:2024/10/21
7878 東証スタンダード
1,166
11/22 14:51
-6(%)
時価総額 923百万円
ジュエリーパーツ、ジュエリーの開発・製造・販売等を行う。山梨県甲斐市に本社。イヤリング金具などジュエリーパーツで国内トップシェア。価格転嫁推進。高付加価値商品、アレルギー配慮商品などの開発を強化。 記:2024/10/25
7970 東証プライム
1,645
11/22 15:30
+9(%)
時価総額 135,915百万円
信越化学工業傘下の樹脂加工メーカー。入力デバイスや半導体関連容器、ラッピングフィルム等を手掛ける。半導体搬送用ボックスなどで世界シェアトップクラス。主力製品の拡販、生産・供給体制の拡充などに注力。 記:2024/08/12
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9325 東証スタンダード
975
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 10,552百万円
倉庫内業務の一括受託等を行うオペレーションサービスが主力。アマゾンが主要顧客。大型幹線輸送等のトランスポートサービス、国際物流サービス等も。AZ-COM丸和HD傘下。27.3期売上高450億円目標。 記:2024/06/09