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後場に注目すべき3つのポイント~配当絡みの需給イベント通過後は?

2022/3/31 12:27 FISCO
*12:27JST 後場に注目すべき3つのポイント~配当絡みの需給イベント通過後は? 31日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は小幅続落、配当絡みの需給イベント通過後は? ・ドル・円は底堅い、122円台をおおむね維持 ・値下がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位がファーストリテ<9983> ■日経平均は小幅続落、配当絡みの需給イベント通過後は? 日経平均は小幅続落。49.27円安の27977.98円(出来高概算5億5000万株)で前場の取引を終えている。 30日の米株式市場でNYダウは5日ぶりに反落し、65ドル安となった。ロシアがウクライナとの停戦交渉について「事態打開の進展なし」との見解を示したほか、ウクライナへの攻撃を継続していることもあり、停戦期待が後退した。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は3日ぶりに反落して-1.21%。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は-3.23%となり、決算発表のマイクロン・テクノロジーも売りに押された。本日の日経平均は米株安の流れを引き継いで217円安からスタート。米政権が石油備蓄の放出を検討しているとの報道を受けて原油先物相場が急落すると、商品高によるインフレ懸念が和らいだとみられ、プラス圏に浮上する場面があった。しかしその後、中国の企業景況感の悪化を受けて香港・上海株が軟調な出足となったことで伸び悩んだ。 個別では、レーザーテック<6920>、任天堂<7974>、ソニーG<6758>などがさえない。米ハイテク株安の流れを引き継いでリクルートHD<6098>やベイカレント<6532>は3%の下落となり、ここまで連騰していたMRO<3064>は12日ぶりに急反落。また、決算発表のマルマエ<6264>や業績下方修正のIRJ−HD<6035>、それにMROなどが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株の上昇が目立ち、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、トヨタ自<7203>も堅調。西松屋チェ<7545>は決算や自社株買い実施を発表して大きく買われている。また、決算が好感されたERI HD<6083>は東証1部上昇率トップとなり、業績上方修正のバイク王<3377>はストップ高水準での買い気配が続いている。 セクターでは、証券、その他製品、サービス業などが下落率上位。一方、海運業、パルプ・紙、輸送用機器などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の69%、対して値上がり銘柄は27%となっている。 前日の米株安を引き継いで本日の日経平均は200円超の下落でスタートすると、その後下げ渋る形で前場を折り返した。日足チャートを見ると、28000円割れ局面での押し目買いが根強いと感じられそうだが、一方で上昇一服した5日移動平均線が上値を抑える格好となっている。ロシアとウクライナの停戦交渉への期待後退、中国の企業景況感の悪化などがネガティブな材料だが、米国の石油備蓄放出による需給緩和への期待が下支え材料だろう。前引けの日経平均が-0.18%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.22%。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりとやや低調な印象だ。 個別・業種別の騰落状況を見ると物色の方向感はややつかみづらいが、米ハイテク株安の流れからグロース(成長)株がやや軟調。前日に配当落ちで大きく下落した海運株が押し目買い優勢といったところか。前日の取引時間中には伝わっているが、自動車を巡ってはトヨタ自の2月の世界生産台数が前年同月比10.9%増の74万台となり、2カ月ぶりに前年実績を上回ったという。一方、半導体を巡っては受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が家電製品の需要減速を示唆したようだ。 新興市場ではマザーズ指数が-1.60%と3日ぶり反落。前日は配当落ちと円相場の急伸で日経平均が軟調ななか、制限値幅拡大のJTOWER<4485>を軸に新興株物色が盛り上がった印象だった。しかし、マザーズ指数は3月上旬と同様に800pt手前で伸び悩む格好となり、米金融引き締め観測から上値追いに慎重なムードも感じられる。本日はJTOWERが急反落し、メルカリ<4385>などの主力IT株も総じて軟調だ。 さて、前日の先物手口を見ると、バークレイズ証券やBofA証券がTOPIX先物の売り越し上位に顔を出した。BofAは3月期末の権利付き最終売買日だった29日に続いての大幅な売り越し。11日の3月物の特別清算指数(SQ)算出を通過すると買い越す日が目立っていたが、配当再投資のプレポジション構築だったとの見方がある。29日、30日と続けて野村證券などの買い越しが観測されたが、BofAなどの売り越しが相殺してしまった格好だろう。24日の当欄「需給良化はある程度先取り?」などで指摘してきたとおりの動きと言える。 年度末の配当に絡んだイベントを通過して需給良化への期待は後退気味のようだ。また、4月4日には新生銀<8303>からオリックス<8591>へ日経平均構成銘柄の入れ替えが予定されており、明日1日の引けでリバランス需要が発生する見込み。時価総額の差がかなり大きいため、既存の構成銘柄の売り需要は大きくなるとの観測がある。短期的ながら、日経平均は週末にかけて一転して需給的に下押し圧力がかかる可能性もありそうだ。 米株でも買い戻しの一巡感や買い疲れ感が指摘されると同時に、今後の経済・株式相場の見方が大きく割れている印象。これも25日の当欄「経済の先行きで見方分かれる?」で述べたとおり。直近では金融大手JPモルガンが株式上昇は継続するとの見方を強調する一方、モルガン・スタンレーなどはリスクの高まりから波乱を予想し、BofAは上昇局面での売却を探るよう推奨しているという。実際、昨日からの各国経済指標を見ても、米雇用が堅調な一方で中国の企業景況感は悪化と、強弱入り交じっている感がある。 結果的に買い戻しが一巡すると売り買いが交錯、また長期志向の投資家は様子見となっていることが日米市場の動向から感じられる。差し当たり、今晩の米国では2月の個人所得・個人消費支出(PCE)が発表される。また、明日は日本で日銀短観、米国で3月の雇用統計やサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が発表される予定とあって、これらを見極めたいとの思惑が強まるだろう。また、4月に入り新年度の企業業績見通しへの関心も高まり、手掛けづらさが意識されてくる可能性もある。 ■ドル・円は底堅い、122円台をおおむね維持 31日午前のアジア市場でドル・円は底堅く推移し、121円後半から122円半ばに値を上げた。その後は失速したが、おおむね122円台を維持。原油相場の弱含みを受け過度なインフレ懸念は和らぎ、時間外取引の米株式先物の上昇で今晩の株高を期待した円売りが観測される。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は121円81銭から122円45銭、ユーロ・円は135円92銭から136円84銭、ユーロ・ドルは1.1154ドルから1.1185ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・フィット<1436>、Kaizen Platform<4170>など、8銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはリクルートHD<6098>、同2位がファーストリテ<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・2月鉱工業生産:前月比+0.1%(予想:+0.5%、1月:-0.8%) ・中・3月製造業PMI:49.5(予想:49.8、2月:50.2) ・中・3月非製造業PMI:48.4(予想:50.3、2月:51.6) 【要人発言】 ・ロシア大統領府 「ウクライナとの交渉に急展開ない、多くの作業残る」 <国内> 特になし <海外> ・15:00 独・2月小売売上高(前月比予想:+0.5%、1月:+2.0%) ・15:00 英・10-12月期GDP改定値(前年比予想:+6.5%、速報値:+6.5%) ・OPECプラス閣僚級会合 《CS》
関連銘柄 24件
2,051
11/22 15:30
+18(%)
時価総額 8,786百万円
GXグリーンエネルギー発電施設の開発・販売、GXゼロエネルギーハウスの開発・販売、O&M・発電事業等を手掛ける。旧社名はフィット。配当性向15%程度目途。NonFIT発電所の開発・販売体制の強化を図る。 記:2024/09/01
3064 東証プライム
2,638
11/22 15:30
+144(%)
時価総額 1,322,564百万円
工業用間接資材のネット通販最大手。工具、部品、消耗品、事務用品等を扱う。取扱商品は2200万点超。登録会員数は960万口座超。圧倒的な品揃えが強み。顧客は中小企業が中心。テレビCMなどで認知度向上図る。 記:2024/10/11
3377 東証スタンダード
523
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 8,010百万円
バイク専門店チェーン。中古バイクの買取や販売の「バイク王」を全国展開。パーツ販売やバイクのレンタルサービス等も。ブランド認知度が強み。オークション仕入を強化。広告効率の改善、査定成約率の向上に注力。 記:2024/10/24
176
11/22 15:30
-2(%)
時価総額 2,984百万円
デジタルマーケティング分野中心に動画ソリューション、UX/DXソリューション等を手掛ける。累計取引企業は1200社超。取引実績にAmazonなど。グロースセグメントでは体制増強でUXの需要増に対応。 記:2024/08/29
4385 東証プライム
2,097.5
11/22 15:30
+29.5(%)
時価総額 344,051百万円
国内で断トツのフリマアプリ「メルカリ」を運営。スマホ決済「メルペイ」や米国開拓に注力。連結子会社に鹿島アントラーズ。メルカードの発行枚数は300万枚を突破。定額払い、メルカードが成長。米国事業も赤字縮小へ。 記:2024/06/09
4485 東証グロース
3,595
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 92,474百万円
通信インフラシェアリング事業を展開。屋内インフラシェアリング、屋外タワーシェアリング、ローカル5Gサービス等を手掛ける。国内IBS事業などの拡大図る。米投資会社がTOB実施、成立なら同社株は上場廃止へ。 記:2024/10/11
844
11/22 15:30
+15(%)
時価総額 15,057百万円
IR・SR活動に特化したコンサルティング会社。株式議決権に関わるコンサルティング、M&Aアドバイザリーが主力。証券代行業務等も。配当性向50%目処。アクティビスト対応等に係る有事対応案件は案件受託が継続。 記:2024/06/04
6083 東証スタンダード
2,027
11/22 15:30
+56(%)
時価総額 15,875百万円
建築物の確認・検査業務、住宅性能評価等を行う日本ERIを中核とする持株会社。戸建住宅の審査に強みを持つ住宅性能評価センターなども傘下に持つ。中核事業ではM&Aでインフラ・ストック分野の事業領域を拡大。 記:2024/06/28
9,824
11/22 15:30
+288(%)
時価総額 16,208,048百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6264 東証プライム
1,606
11/22 15:30
+5(%)
時価総額 20,963百万円
半導体・FPD製造装置の部品の開発・製造等を行う。真空チャンバー、排気板、静電チャック等が主要製品。鹿児島県出水市に本社。太陽電池製造装置部品は引き合い継続。消耗品を強化。26.8期売上高120億円目標。 記:2024/10/29
6532 東証プライム
5,469
11/22 15:30
+81(%)
時価総額 849,943百万円
大手経営コンサルティング会社。全体戦略や事業戦略の立案など経営課題を解決するサービスを提供。24年9月に持株会社に移行、M&A推進。採用活動を積極化。コンサルタントの増加により人件費増も案件拡大で堅調。 記:2024/10/31
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7545 東証プライム
2,262
11/22 15:30
+136(%)
時価総額 157,410百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8303 東証スタンダード
2,766
9/27 15:00
-32(%)
時価総額 567,127百万円
旧日本長期信用銀行。消費者金融のレイクが主力。SBI傘下。法人業務はストラクチャードファイナンスに強み。法人業務では利息収入が増加。個人業務ではアプラスの割賦収益等が増加。24.3期1Qは黒字転換。 記:2023/08/16
8591 東証プライム
3,303
11/22 15:30
-11(%)
時価総額 4,013,016百万円
大手金融サービス。自動車やICT関連機器等のリース・レンタル、不動産開発・賃貸管理、企業投資、環境エネルギー、生命保険、銀行など多角的に事業展開。輸送機器、不動産運営、コンセッションは回復傾向続く。 記:2024/07/07
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,430
11/22 15:30
-9(%)
時価総額 1,968,668百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,155
11/22 15:30
-34(%)
時価総額 1,454,996百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17