マーケット
4/18 15:15
38,079.70
+117.90
37,753.31
-45.66
暗号資産
FISCO BTC Index
4/19 6:01:21
9,841,399
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

来週の相場で注目すべき3つのポイント:ジャクソンホール会議、IPO2社、米7月新築住宅販売、など

2021/8/21 18:23 FISCO
*18:23JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:ジャクソンホール会議、IPO2社、米7月新築住宅販売、など ■株式相場見通し 予想レンジ:上限27800-下限26500円 来週の日経平均はもみ合いか。26日から始まる米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を前に週初から様子見ムードが強まりそうだ。一方、日経平均27000円割れの水準では中長期的な割安感が意識され、下値も限定的となりそうだ。 トヨタの減産報道は大きなショックをもたらした。同社は年間の生産計画は変更せず、業績予想も修正していないが、短期的には大幅な減産が幅広い企業・産業に悪影響を及ぼすとみられ、日本の製造業について今後の業績下押し懸念が台頭してくる。7-9月期の業績を確認するまでは日本株を積極的に買っていこうとする動きは手控えられるだろう。 また、引き続き世界経済の減速懸念も景気敏感株の特性が強い日本株の重しとなる。米中二大国の経済指標の下振れは以前から確認されていたが、今週は中国の7月鉱工業生産や小売売上高、米国では8月ニューヨーク連銀景気指数、7月小売売上高、7月住宅着工件数、8月フィラデルフィア連銀景気指数などが軒並み悪化し、市場予想も下振れた。足元では、新型コロナ・デルタ株の感染拡大でエコノミストによる経済見通しの下方修正も散見されている。 米10年国債利回りも、早期の金融緩和縮小への思惑が高まり株式市場が崩れるなかでも1.2%台半ばでの低位圏での推移が続いており、ほとんど上昇していない。投資家は将来の利上げよりも、景気後退を警戒している可能性がある。市場は9月FOMCでのテーパリング決定、年末までの開始を想定しているが、米連邦準備理事会(FRB)がテーパリングを開始する時期には、既に景気が後退局面に入っていることを恐れているのではないかと考えられる。週末には緩和縮小に積極的だったダラス連銀のカプラン総裁が、デルタ株の感染が拡大した場合には方針を修正すると発言したことで、緩和縮小への警戒感が薄れたが、経済指標の下振れや米長期金利の低迷が続く限り、日本株の上値は重そうだ。 来週も米国では7月の新築住宅販売や耐久財受注など経済指標が多く公表される。景気減速懸念が強まっているなか、大幅な下振れがあると、足元、下落がきつい景気敏感株の更なる売り圧力となりかねないため注意したい。 一方、注目のジャクソンホール会議については、7月開催分のFOMC議事要旨を受けた今週の一連の動きから、大きなサプライズはないと思われる。日本株にとっては、経済指標の下振れや商品市況の下落に歯止めがかかるかが注目される。 物色面では、景気減速懸念が強まるなか、医薬品や食料品といったディフェンシブセクターのほか、景気の影響が薄いテック系グロース(成長)株が相対的に有利となりそうだ。デジタルトランスフォーメーション(DX)などに代表される情報・通信セクターなどにも改めて注目したい。 ■為替市場見通し 来週のドル・円は底堅い値動きか。8月26-28日、米カンザスシティ地区連銀主催の年次経済シンポジウムが開催される。米連邦準備制度理事会(FRB)議長が資産買入れの段階的縮小(テーパリング)に言及するか、注目される。米国経済の正常化期待は継続し、リスク回避的なドル売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。経済シンポジウムの今年のテーマは「不均衡な経済におけるマクロ経済政策」。新型コロナウイルス禍から世界経済が回復するなか、主要中央銀行の緩和縮小論議が焦点となる。 米FRBは金融緩和策を将来的に縮小する方向で調整を進めているが、足元の経済指標は強弱まちまちとなっている。直近の雇用統計は、力強さが示された半面、小売売上高などは弱さが目立ち、一部で減速懸念も広がる。高水準のインフレに関しFRBは「一時的」との見解だが、連邦公開市場委員会(FOMC)の一部メンバーは来年の利上げを主張している。7月開催のFOMC議事要旨によると、年内に債券購入ペースを弱めることが可能との見解でおおむね一致したが、債券買い入れ額の段階的な減額(テーパリング)の開始時期やペースについて当局間で見方は分かれる。 雇用統計は改善しているものの、いくつかの理由を挙げてパウエルFRB議長は従来通り慎重姿勢を維持する可能性がある。しかしながら、米国経済の正常化に向け来年のテーパリング開始への市場の思惑は根強く、リスク回避的なドル売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。 ■来週の注目スケジュール 8月23日(月):全国百貨店売上高(7月)、日・米・欧・製造業/サービス業PMI(8月)、米・中古住宅販売件数(7月)、など 8月24日(火):東京パラリンピック開幕、タンゴヤが東証ジャスダックに新規上場、米・新築住宅販売件数(7月)、など 8月25日(水):景気先行CI指数(6月)、独・IFO企業景況感指数(8月)、米・耐久財受注(7月)、国際ゲーム見本市「ゲームズコム」(27日まで)、など 8月26日(木):米・GDP改定値(4-6月)、米・カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール、28日まで)、米・バイデン大統領がイスラエル大統領と会談、欧・欧州中央銀行(ECB)議事要旨(7月会合)、など 8月27日(金):ジェイフロンティアが東証マザーズに新規上場、中・工業企業利益(7月)米・個人所得/消費支出(7月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(7月)など 《YN》