マーケット
5/17 15:15
38,787.38
-132.88
40,003.59
+134.21
暗号資産
FISCO BTC Index
5/19 11:31:49
10,437,742
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

後場に注目すべき3つのポイント~「とらえづらい心理悪化」と「高水準の買い持ち高」

2021/7/16 12:25 FISCO
*12:25JST 後場に注目すべき3つのポイント~「とらえづらい心理悪化」と「高水準の買い持ち高」 16日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日続落、「とらえづらい心理悪化」と「高水準の買い持ち高」 ・ドル・円は小じっかり、ドル売りは一服 ・値下がり寄与トップは、ファーストリテイリング<9983>、同2位がエーザイ<4523> ■日経平均は3日続落、「とらえづらい心理悪化」と「高水準の買い持ち高」 日経平均は3日続落。304.37円安の27974.72円(出来高概算4億7000万株)で前場の取引を終えている。 15日の米株式市場でNYダウは続伸し、53ドル高となった。機械のハネウェル・インターナショナルや医療保険のユナイテッドヘルス・グループが上昇し、NYダウを押し上げた。ただ、全体としては利益確定売りに押される銘柄も多く、台湾積体電路製造(TSMC)の決算が市場予想を下回ったことで、特に半導体関連株の下落が目立った。また、日本国内での新型コロナウイルス感染者数の増加や、ファーストリテ<9983>に業績修正を嫌気した売りが出たことも重しとなり、本日の日経平均は239円安からスタート。寄り付き直後には27847.35円(431.74円安)まで下落する場面があったが、下値では押し目買いも入り、28000円を挟み軟調もみ合いの展開となった。 個別では、前述のファーストリテが4%近い下落。今期営業利益予想を下方修正し、ネガティブ視されている。米半導体株安を引き継いで東エレク<8035>やアドバンテス<6857>の下落もやや目立つ。その他売買代金上位ではレーザーテック<6920>、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>などがさえない。また、エーザイ<4523>は米大病院が認知症治療薬の使用を見送るとの報道で売られ、東証1部下落率上位に顔を出している。一方、日立<6501>が2%超、郵船<9101>が3%超上昇し、トヨタ自<7203>は小じっかり。また、好決算・業績上方修正の中小型株に物色の矛先が向かい、Jリース<7187>、ベイカレント<6532>、サーバーワークス<4434>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、鉱業、医薬品、精密機器などが下落率上位。一方、海運業、鉄鋼、証券などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の43%、対して値上がり銘柄は51%となっている。 日経平均は連日で3ケタの下落となり、28000円水準での攻防といった様相だ。前日のNYダウは上昇したが、ハネウェルやユナイテッドヘルスの押し上げ寄与が大きく、全体としては「弱さを感じる」投資家が多かったという。それに半導体関連株が連日軟調となり、日本株にとってもNYダウ上昇の恩恵は限定的だ。また、東京都の新型コロナ新規感染者数が連日で1000人を超えたのに歩調を合わせるかのように、ここ2日ほどクレディ・スイス証券が日経平均先物を売り越している。商品投資顧問(CTA)など海外短期筋による売りだろう。東京五輪開幕を前に新型コロナ感染状況には神経質にならざるを得ないところか。ただ、短期の値幅取りを狙った個人投資家の中小型株への物色意欲は根強いようで、東証1部全体としては値上がり銘柄の方が多い。 ここまでの東証1部売買代金は1兆円あまり。相変わらず値動きの割に膨らんでおらず、取引参加者は広がりに欠くと考えざるを得ない。 さて、前日の当欄ではマヨネーズ値上げへのぼやきなどを記述したが、もちろんこれらは単に筆者の身の上を語りたかったわけではない。本日は補足を加えつつ、より重要な投資論点についても挙げておきたい。 消費者マインドのような数値化しづらい「心理」というものをとらえるのは極めて難しい。具体例を挙げれば、コロナ禍直前、2019年10-12月期の日本の国内総生産(GDP)は、「消費増税による反動減は限定的」という大方の予想に反し、前期比年率-7.4%(物価変動を除く実質ベース)まで落ち込んだ。「増税分は社会保障の財源に充てられる(=将来不安の後退)から消費行動には中立的」との識者の見立ては、確かに経済学のセオリーどおりではある。結果的にそうならなかったのは、一部で指摘されたような「消費者が合理的でなかった」ためでなく、「財政の信認」の問題だろう。余談だが、経済分析についてはする側される側の所得水準や経済圏の隔たりが大きくなってしまったことも、市中心理をとらえづらくなった背景にあるのかもしれない。 そして今回、経済減速の足音を意識する機関投資家が増えつつあるのは、前日取り上げたバンク・オブ・アメリカ(BofA)の7月のグローバルファンドマネジャー調査からわかるとおりだ。しかし、この調査結果の続きも極めて重要である。大方のファンドマネジャーは心理的に経済の減速を意識しつつも、株式や商品の大規模な買い持ち(ロング)を維持しているという。明確な景気悪化のシグナルやショックらしいショックがないためだろう。 こうしたファンドマネジャーの投資行動は理論的にも説明可能だ。資金提供者とファンドマネジャーを「プリンシパル・エージェント関係」ととらえれば、ファンドマネジャーの行動を決定づけるのは報酬・懲罰体系である。ファンドマネジャーは「一定期間でベンチマークを上回るパフォーマンスをあげる」ことが求められ、かなわなければ解約・資金引き揚げの憂き目にあう。そこから導かれるファンドマネジャーの最適行動は「相場にぎりぎりまで乗り続け、市況悪化となれば一気に降りる」である。昨年前半、踏み上げ相場で痛手を受けたファンドマネジャーが多いだけに、こうした傾向はより強まっているだろう。 ただ、これはなにも海外市場や機関投資家だけの話というわけではない。東京証券取引所が13日発表した9日申し込み時点の信用取引の買い残高(東京・名古屋2市場、制度・一般信用合計)は3兆6041億円と、2018年3月以来およそ3年4カ月ぶりの高水準だという。また、日経レバETF<1570>の純資産総額は短期的な市況変動で増減しつつも、足元3000億円以上の水準を維持している。なお、13日には4183億円とコロナショック直後の2020年4月9日以来の大きさとなった。個人投資家らの買い持ち高も膨らんだままであることがわかる。 とらえづらくじりじり悪化する心理と裏腹に、なお高水準の買い持ち高。これを踏まえ、アップサイドへの期待とダウンサイドリスク、どちらが大きいか冷静に見極める必要がある。 (小林大純)。 ■ドル・円は小じっかり、ドル売りは一服 16日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、109円後半から110円付近に値を上げた。前日海外市場のドル売りは一服し、ドルは対主要通貨で下げ渋る展開に。一方、日銀金融政策決定会合で緩和長期化に思惑が広がり、円売りが他の主要通貨を押し上げた。 ここまでの取引レンジはドル・円は109円73銭から110円07銭、ユーロ・円は129円64銭から129円96銭、ユーロ・ドルは1.1801ドルから1.1817ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・リアルワールド<3691>、エヌリンクス<6578>の、2銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは、ファーストリテイリング<9983>、同2位がエーザイ<4523> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・4-6月期消費者物価指数:前年比+3.3%(予想:+2.7%、1-3月期:+1.5%) 【要人発言】 ・パウエルFRB議長 「FOMCは米国債、MBS購入に関し、次回の会合で協議」 「米国債購入よりもMBS購入の方が、住宅価格の上昇を助長したかもしれない」 「一時的なインフレへの対処、理にかなわない」 「インフレ期待は上昇、問題のある水準ではない」 「インフレに対処できると自信」 「FRBのバランスシートはいずれ8兆ドル以下まで縮小する」 <国内> ・日銀金融政策決定会合(最終日) ・15:30 黒田日銀総裁会見 <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 15件
3691 東証グロース
573
5/17 14:43
+25(%)
時価総額 2,115百万円
デジタルマーケティングやデジタルギフトなどを展開。NFTデジタルギフトも事業領域。給与前払いサービス「即払い」などに注力。デジタルマーケティング事業は伸長。増収効果等により、24.9期1Qは黒字転換。 記:2024/02/24
4434 東証スタンダード
2,968
5/17 15:00
+57(%)
時価総額 22,981百万円
米アマゾン社が提供するクラウド基盤「AWS」の課金代行サービスが柱。AWS構築・移行支援も。24.2期3Q累計は課金代行が順調増。構築・移行支援も好伸して大幅増収増益に。4Qに来期に向けた戦略投資を予定。 記:2024/02/06
4523 東証プライム
6,779
5/17 15:00
-87(%)
時価総額 2,010,428百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」が主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。アメリカス医薬品事業は堅調。レンビマの売上が伸びる。販管費減。24.3期2Qは大幅営業増益。 記:2024/01/16
6501 東証プライム
14,445
5/17 15:00
+135(%)
時価総額 13,991,023百万円
総合電機大手。ITサービスやエネルギーソリューション、鉄道システム、家電・空調システム等を手掛ける。鉄道システムは大口案件の進展で増収。水・環境部門は空調システム事業が拡大。24.3期3Qは2桁最終増益。 記:2024/02/10
3,415
5/17 15:00
+87(%)
時価総額 530,729百万円
大手経営コンサルティング会社。全体戦略や事業戦略の立案など経営課題を解決するサービスを提供。採用活動を積極化。稼働率は平均80%台後半。コンサルタントの増加等により、24.2期3Q累計は2桁増収増益。 記:2024/02/03
6578 東証スタンダード
355
5/17 15:00
-3(%)
時価総額 2,593百万円
NHKの放送受信料の営業代行で祖業。NHK業務以外の取り扱い商材の多角化推進。ゲーム攻略サイトの運営等も。M&A効果等により、24.2期3Q累計はメディア事業が堅調。アプリ開発・運営事業は損益改善。 記:2024/01/28
6857 東証プライム
5,540
5/17 15:00
+23(%)
時価総額 4,244,576百万円
半導体検査装置大手。メモリ用に強い。非メモリ用も強化中。電子ビーム露光装置も。24.3期3Q累計はメモリ向けが1Qを底に上向く。だが非メモリ向けの回復に遅れ。償却費増も利益の重石。総還元性向5割以上目安。 記:2024/04/15
6920 東証プライム
43,170
5/17 15:00
+400(%)
時価総額 4,070,327百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
7187 東証プライム
1,244
5/17 15:00
+78(%)
時価総額 22,240百万円
賃貸住宅向け家賃債務保証サービス会社。家賃債務保証事業を軸に、不動産関連事業も展開。入居者見守りサービスや駐車場賃料保証サービスなども事業領域。首都圏での人材投入を推進。業容安定し、3Q累計は大幅増収。 記:2024/03/22
7203 東証プライム
3,436
5/17 15:00
+84(%)
時価総額 56,058,295百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7974 東証プライム
8,503
5/17 15:00
-97(%)
時価総額 11,042,761百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。当期ミリオンセラータイトル数は自社17、他社7の計24本。新作タイトル好調や円安で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/27
8035 東証プライム
36,090
5/17 15:00
-730(%)
時価総額 17,021,235百万円
世界的半導体製造装置メーカー。半導体の成膜や洗浄の前工程からテストまでの製造装置を展開。リソグラフィーでトップシェア。24.3期3Q累計はウェーハボンディング/デボンディング装置の量産受注が拡大。 記:2024/02/24
9101 東証プライム
4,933
5/17 15:00
+111(%)
時価総額 2,516,644百万円
海運最大手。コンテナ船等の定期船に加え、ドライバルクやエネルギー等の不定期専用船を展開。海洋資源開発等も。物流事業は足踏み。ターミナル関連部門は国内で取扱量が増加。24.3期3Qは不動産業が増益確保。 記:2024/02/23
9983 東証プライム
41,010
5/17 15:00
-370(%)
時価総額 13,050,243百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。24.8期1Qは2桁増収増益。海外ユニクロ事業は堅調。マーケティング強化等が奏功し、中国大陸は販売好調。 記:2024/01/27
9984 東証プライム
8,550
5/17 15:00
+11(%)
時価総額 14,731,257百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10