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後場に注目すべき3つのポイント~期待はピークアウトだが経済改善にはムラあり

2021/6/4 12:30 FISCO
*12:30JST 後場に注目すべき3つのポイント~期待はピークアウトだが経済改善にはムラあり 4日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日ぶり反落、期待はピークアウトだが経済改善にはムラあり ・ドル・円は下げ渋り、米雇用統計控え売り一服 ・値下がり寄与トップはエムスリー<2413>、同2位がソフトバンクG<9984> ■日経平均は3日ぶり反落、期待はピークアウトだが経済改善にはムラあり 日経平均は3日ぶり反落。141.22円安の28916.89円(出来高概算5億2000万株)で前場の取引を終えている。 3日の米株式市場でNYダウは6日ぶりに小幅反落し、23ドル安となった。5月のADP雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが前月比97万8000人と市場予想(68万人)を大きく上回り、週間の新規失業保険申請件数も予想以上に減少。さらに5月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数も過去最高を更新し、長期金利の上昇とともにハイテク株を中心に売りが出た。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の早期縮小への警戒感も高まるなか、本日の日経平均も売り先行で156円安からスタート。朝方には28764.68円(293.43円安)まで下落する場面があったものの、トヨタ自<7203>やレーザーテック<6920>が本日も堅調に推移し、日経平均は売り一巡後に下げ渋る展開となった。 個別では、ソフトバンクG<9984>や東エレク<8035>が軟調で、一部証券会社の目標株価引き下げが観測されたエムスリー<2413>は4%の下落。ファナック<6954>もやや軟調ぶりが目立つ。転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を発表したGMOPG<3769>は売りがかさみ、大真空<6962>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、レーザーテックが10日続伸、トヨタ自が4日続伸となり、ともに連日で上場来高値を更新。任天堂<7974>やソニーG<6758>は小幅に上昇している。陸運株の循環物色からかJR九州<9142>は4%近い上昇。また、旧村上ファンド系の保有株増加が明らかになった富士石油<5017>は大幅高となり、サニックス<4651>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、サービス業、不動産業、情報・通信業などが下落率上位。一方、パルプ・紙、海運業、石油・石炭製品などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の48%、対して値上がり銘柄は46%となっている。 前日の米国株がハイテク関連を中心に下落した流れを引き継ぎ、本日の日経平均も3ケタの下落で前場を折り返した。とはいえ、朝方に300円近く下落してからは下げ渋り。今晩の米5月雇用統計の発表を前に、持ち高を大きく傾ける動きは限られるのだろう。トヨタ自やレーザーテックは相変わらず強い値動きで、トヨタ自は1万円の大台に迫っている。また、強い米経済指標や金利上昇を受けて、前日売られた海運株などの市況関連株が反発。前日述べた“海外勢が警戒していた動き”はこうしたものだろ う。 前日は駆け足での解説になってしまったのでその補足もしたい。各種メディアの市況解説からは景気敏感株の買いが継続している印象を受けるが、実際には5月半ばごろから変化が見られている。かねて当欄で指摘しているとおり、動きの速い海外ファンド勢は世界経済の改善ペースがピークアウトしつつあるとの見方に傾いたのだろう。このタイミングで期待インフレ率の指標である米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)や米10年物国債利回りは伸び悩むようになった。また、一部証券会社はファクターリターン分析で、やはり5月半ばごろから日米でグロース(成長)株のリバーサル(株価の反転上昇)が観測されると指摘している。 トヨタ自や半導体関連株の上昇を景気回復期待の表れと捉える向きもあるが、むしろこれも米国債の底堅さと同様、「質(クオリティ)」へのシフトを示すものだろう。トヨタ自は日本企業のなかでも圧巻の強さを見せているし、半導体は景気循環を超えた「電子化進展」の恩恵を期待できる。また、海運株も上昇トレンドが続いているが、ウイルス感染対策による処理能力の低下など独自の供給制約を抱えている点が大きいと考えられる。一方、鉄鋼株は5月上旬の高値をピークに足元調整基調で、非鉄金属株も伸び悩みだ。自動車株はトヨタ自などが好パフォーマンスを見せているとはいえ、銘柄ごとの格差が大きくなってきた感がある。 これらが示すのは、既に海外ファンド勢が「広範な世界経済の改善とインフレの高進」に基づくポートフォリオを変更しつつあるということだ。米長期金利の落ち着きやトヨタ自株の上昇を好感材料に挙げる向きもあるが、海外勢の「質」へのシフトは景気敏感色の強い日本株にとって本質的にポジティブでないだろう。日本株の売り持ち姿勢になかなか変化の兆しが見られないことにはこうした背景があると考えられる。 先日取り上げた経済協力開発機構(OECD)の直近の世界経済見通しでも、経済改善ペースの鈍化が確認できた格好だ。しかし、コロナ禍からの景気回復にはムラが見られることから、前日の米雇用関連統計や非製造業景況感のように強い指標が出てくる場合もあるだろう。日経平均オプションのコール(買う権利)に上方ヘッジ目的とみられる買いが入っているもはこうした理由からと考えられる。 もっとも、4月の雇用統計は事前に100万人超の雇用者増という見方が多かったものの、実際は26万6000人にとどまった。5月はどうなるか、フタを開けねばわからない。 (小林大純) ■ドル・円は下げ渋り、米雇用統計控え売り一服 4日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。日経平均株価の軟調地合いを受けた円買いに振れ、主要通貨は朝方から値を下げる展開となった。ドルは110円台で利益確定売りが強まり、失速。ただ、今晩の米雇用統計の内容を見極めようと、売りは一服している。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円14銭から110円33銭、ユーロ・円は133円52銭から133円81銭、ユーロ・ドルは1.2115ドルから1.2132ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・山大<7426>、東京ソワール<8040>など、3銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはエムスリー<2413>、同2位がソフトバンクG<9984> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・4月家計支出:前年比+13・0%(予想:+8.7%、3月:+6.2%) 【要人発言】 ・カプラン米ダラス連銀総裁 「米国の労働市場、需要不足の兆候はない」 「金融政策は労働市場の混乱を解決することはできない」 「緩和縮小に関し、遅れるよりも早めの協議が望ましい」 <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 15件
2413 東証プライム
1,676.5
5/8 15:00
-23(%)
時価総額 1,138,229百万円
日本最大級の医療従事者専用サイトを運営。製薬企業の営業支援や医師・薬剤師の転職支援、治験支援、病院経営支援などを展開。予防医療分野への取り組みを推進。新型コロナ関連の特需が一巡も、3Q累計は増収確保。 記:2024/02/29
7,846
5/8 15:00
+114(%)
時価総額 600,674百万円
EC業者に決済代行サービスを提供。後払い型決済などの金融サービスも。GMOグループ。決済代行事業は堅調。大型案件の決済端末は出荷高水準。23.9期通期は2桁の増収、営業増益。24.9期は2桁増収増益計画。 記:2024/01/27
4651 東証スタンダード
329
5/8 15:00
-2(%)
時価総額 16,094百万円
戸建て住宅やマンション、ビルのメンテナンスに加え、太陽光発電システムの導入、売電等を行う。HS事業部門は堅調。白蟻防除施工、床下・天井裏換気システムが売上増。売上原価減少。24.3期3Qは収益伸長。 記:2024/02/26
5017 東証プライム
448
5/8 15:00
-4(%)
時価総額 35,026百万円
石油開発のアラビア石油と石油精製の富士石油が統合。開発からは撤退し、現在は千葉県で精製を行う。24.3期上期は袖ケ浦製油所で小規模定修を実施。だが在庫影響や利幅悪化が想定よりも小幅に。通期計画を上方修正。 記:2024/01/17
6758 東証プライム
12,050
5/8 15:00
-630(%)
時価総額 15,196,038百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や半導体画像センサに強み。モバイル機器向けイメージセンサーは販売数量が伸びる。映画分野は劇場興行収入などが増加。金融ビジネス収入は大幅増。24.3期3Q累計は2桁増収。 記:2024/02/22
6920 東証プライム
41,740
5/8 15:00
-650(%)
時価総額 3,935,498百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。24.6期上期は半導体市況軟化の影響で受注足踏み。だが受注残の消化を進めて大幅増収増益に。最高業績を見込む通期計画を上方修正。増配予定。 記:2024/02/08
6954 東証プライム
4,578
5/8 15:00
-125(%)
時価総額 4,621,706百万円
工作機械向けNC装置世界首位。小型工作機械や射出成形機も手掛ける。産業用ロボット、協働ロボットなどロボットでも高シェア。FA部門はCNCシステムが伸び悩む。24.3期3Q累計はサービス部門が増収。 記:2024/04/07
6962 東証プライム
830
5/8 15:00
-7(%)
時価総額 30,044百万円
水晶デバイスが柱の電子部品メーカー。世界首位級の水晶発振器に強み。人工水晶の育成から一貫展開。24.3期3Q累計は車載用が回復。だがPC向け低調。スマホ向けも振るわず。営業外に為替差益。有証売却特益計上。 記:2024/04/15
7203 東証プライム
3,579
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-20(%)
時価総額 58,391,338百万円
自動車メーカー最大手。自動車生産台数で世界トップ。コンパクトカーやセダン、SUV、ワゴン、商用車、トラックを製造、販売する。ダイハツや日野を傘下に持つ。今期3Q累計はHEVを中心に販売台数が増加した。 記:2024/02/29
7426 東証スタンダード
1,545
5/8 15:00
+63(%)
時価総額 1,834百万円
住宅資材商社。宮城県内で自社山林の原木の製材に加え、部材や構造材等のプレカット、住宅資材の卸売、小売を行う。住宅の建設や不動産賃貸も行う。今期3Q累計は建設や不動産賃貸が堅調も、住宅資材が足踏みとなった。 記:2024/02/12
7974 東証プライム
7,337
5/8 15:00
-422(%)
時価総額 9,528,489百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。当期ミリオンセラータイトル数は自社17、他社7の計24本。新作タイトル好調や円安で3Q累計は増収増益。 記:2024/02/27
8035 東証プライム
36,280
5/8 15:00
-560(%)
時価総額 17,110,845百万円
世界的半導体製造装置メーカー。半導体の成膜や洗浄の前工程からテストまでの製造装置を展開。リソグラフィーでトップシェア。24.3期3Q累計はウェーハボンディング/デボンディング装置の量産受注が拡大。 記:2024/02/24
8040 東証スタンダード
888
5/8 14:33
±0(%)
時価総額 3,428百万円
婦人フォーマルウェアを手掛けるアパレルメーカー。百貨店、量販店向け卸売を中心に直販も展開。オリジナルショップ「tokyosoirショップ」の出店を強化。フォーマル需要の回復で、23.12期は増収利益急伸。 記:2024/02/27
9142 東証プライム
3,379
5/8 15:00
-27(%)
時価総額 531,523百万円
九州最大の鉄道会社。運輸サービスが主力。不動産賃貸業やホテル業、小売業、飲食業、建設業など多角化。不動産・ホテルグループは堅調。ホテルは稼働率上昇。流通・外食グループは収益伸長。24.3期3Qは大幅増益。 記:2024/04/16
9984 東証プライム
7,941
5/8 15:00
-137(%)
時価総額 13,681,978百万円
大手投資会社。傘下にビジョンファンドや通信会社、LINEヤフー等を持ち、AIやインターネット等の分野の企業に投資。今期3Q累計は増収、利益は改善傾向となった。デリバティブ関連や公開投資先の株価上昇が寄与。 記:2024/02/10