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後場に注目すべき3つのポイント~FOMCで「資産インフレ」思惑続く?

2021/3/18 12:29 FISCO
*12:29JST 後場に注目すべき3つのポイント~FOMCで「資産インフレ」思惑続く? 18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は大幅反発、FOMCで「資産インフレ」思惑続く? ・ドル・円は小じっかり、米長期金利にらみ ・値上がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■日経平均は大幅反発、FOMCで「資産インフレ」思惑続く? 日経平均は大幅反発。488.13円高の30402.46円(出来高概算7億2000万株)で前場の取引を終えている。 17日の米株式市場でNYダウは189ドル高と反発し、初の33000ドル台乗せとなった。注目された連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想どおり政策金利の据え置きが決まった。また、2023年末までゼロ金利政策を続ける可能性が示唆されたため、早期の金融引き締めへの警戒感が後退。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も0.4%の上昇となった。本日の日経平均はこうした流れを好感し、節目の30000円を上回って234円高からスタート。朝方は上げ幅を広げる展開が続き、一時30485.00円(570.67円高)まで上昇した。 個別では、トヨタ自<7203>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といったメガバンク株が堅調。とりわけ東エレクなどの値がさグロース(成長)株は先行き懸念の後退で上げが目立つ。楽天<4755>が急反発しているほか、ビットコインを巡る一部報道を受けてマネックスG<8698>などの関連銘柄が急伸。また、わかもと<4512>やセレス<3696>はストップ高水準で前場を折り返した。一方、売買代金上位ではソフトバンクG<9984>が逆行安。出資先の中国アリババ集団について、中国EC(電子商取引)利用者数で首位陥落したなどと伝わっている。また、丸運<9067>など従前まで賑わっていた中小型海運株は利益確定売りが広がり、東証1部下落率上位に顔を出している。 セクターでは、証券、サービス業、その他金融業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。一方、陸運業、電気・ガス業、倉庫・運輸関連業の3業種が下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の54%、対して値下がり銘柄は41%となっている。 本日の日経平均はFOMCを無難に通過したことで大幅反発し、3万円台を回復してきた。主力株はバリュー(割安株)・グロース(成長株)を問わず軒並み堅調で、とりわけグロース株の先行き懸念が後退したことで新興株中心のマザーズ指数も戻り歩調を強めている。 従前に当欄で述べたことがあるが、米連邦準備理事会(FRB)は過度な資産高をけん制しつつも、積極的な財政支出を催促してきた経緯があるだけに、それが実現した局面で自ら金融引き締めに傾くことは政治的に難しいところだろう。ただ、注目点の1つだった米銀の資本規制である「補完的レバレッジ比率(SLR)」の特例延長については、「数日中に発表する」として今回判断は示さなかった。民主党政権に復帰し、潤沢なマネー供給を継続しつつも資本規制や取引規制を強化するシナリオは十分考えられる。今後も米金融政策を注視する必要はあるだろう。 また、FOMC通過後にいったん上げ幅を縮めた米長期金利だが、足元の時間外取引では再び強含んでいるもようで、上昇継続への懸念も依然くすぶるだろう。テーパリング(金融緩和縮小)のスケジュールを考慮すれば来年の利上げ開始は現実的でないとの見方がある一方、市場参加者の念頭にあるのは「景気過熱」による金融政策の急転換なのかもしれない。実際、米国のブレークイーブン・インフレ率(期待インフレ率の指標)は上昇が続き、2.3%台に乗せてきた。直近の消費者物価指数(CPI)を見ると日米とも生活物価の下押し圧力は強そうだが、潤沢なマネー供給のもと「資産インフレ」観測は根強い。 景気敏感株が軟調というわけでないが、値上がりが目立つのが株価指数の上昇に連動する主力株、それに業種別でも株高の恩恵を受ける証券セクターというのが、先行きに関する市場参加者の見方を映しているように思われる。 (小林大純) ■ドル・円は小じっかり、米長期金利にらみ 18日午前の東京市場でドル・円は小じっかりとなり、108円後半から109円前半に値を上げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策方針はハト派と受け止められ、長期金利は低下。ただ、米10年債利回りはその後持ち直し、ドルは買戻しが強まった。また、日本株高で円売りも観測される。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円71銭から109円13銭、ユーロ・円は130円29銭から130円67銭、ユーロ・ドルは1.1965ドルから1.1988ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・東葛ホールディングス<2754>、セレス<3696>など、6銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値上がり寄与トップはファーストリテイリング<9983>、同2位が東京エレクトロン<8035> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・NZ・10-12月期GDP:前年比-0.9%(予想:+0.5%、7-9月期:+0.2%←+0.4%) ・豪・2月失業率:5.8%(予想:6.3%、1月:6.4%) ・豪・2月雇用者数増減:+8.87万人(予想:+3.00万人、1月:+2.95万人←+2.91万人) 【要人発言】 ・西村・経済再生担当相 「足元の新規コロナ陽性者は微増。警戒感を持って緊急事態宣言を解除」 <国内> ・日銀金融政策決定会合(19日まで) <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 12件
2754 東証スタンダード
807
11/22 9:00
±0(%)
時価総額 3,906百万円
千葉県地盤のホンダ車ディーラー。ホンダカーズ東葛を中核に、新車や中古車販売を行う。生命保険・損害保険代理店業関連事業も。オートバックス・ディーラーグループ・ホールディングスによる株式の公開買付け実施。 記:2024/09/09
3696 東証プライム
2,640
11/22 15:30
+311(%)
時価総額 31,904百万円
国内最大級のポイントサイト「モッピー」の運営等を行うモバイルサービス事業が主力。DX化支援、ブロックチェーン関連事業等も。モッピーの会員数は525万人超。ブロックチェーン関連はステーキングサービスが順調。 記:2024/06/15
4512 東証スタンダード
238
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 8,291百万円
医療用眼科用剤等を手掛ける医薬事業、強力わかもと等のヘルスケア事業、グローバル事業等を展開。1929年設立。29.3期ROE8%以上目標。グローバル事業では乳酸菌事業の拡大、強力わかもとの販路拡大図る。 記:2024/07/26
4755 東証プライム
879.4
11/22 15:30
-12.5(%)
時価総額 1,892,070百万円
国内最大のネットショッピングモール「楽天市場」、旅行予約サービス「楽天トラベル」を運営。楽天モバイル、楽天カード、楽天銀行などを傘下に持つ。クレジットカード関連サービスなどフィンテック部門は順調。 記:2024/07/08
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,663
11/22 15:30
+64(%)
時価総額 14,375,561百万円
三井住友銀行、SMBC信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、SMBC日興証券、三井住友カードなどを傘下に収める持株会社。総資産は300兆円超。決済ビジネスを強化。政策保有株式の削減交渉は進捗順調。 記:2024/08/22
8698 東証プライム
1,052
11/22 15:30
+28(%)
時価総額 271,360百万円
コインチェック、米TradeStationなどを傘下に収める持株会社。しずおかFGが筆頭株主。NTTドコモと資本業務提携。アセットマネジメント事業を強化。ロボアドバイザーサービスの運用残高は順調増。 記:2024/08/01
9067 東証スタンダード
494
11/22 15:30
-5(%)
時価総額 14,309百万円
ENEOSHD系列の総合物流会社。1892年創業。貨物輸送で実績豊富。石油製品の輸送に強み。一般貨物保管や流通加工等も。26.3期経常利益13.4億円目標。貨物輸送事業では素材関連分野の強化等を図る。 記:2024/06/09
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17