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後場に注目すべき3つのポイント~市場エネルギー低下もIPOへの関心続く

2020/12/22 12:52 FISCO
*12:52JST 後場に注目すべき3つのポイント~市場エネルギー低下もIPOへの関心続く 22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は3日続落、市場エネルギー低下もIPOへの関心続く ・ドル・円は上げ渋り、上値の重さを意識 ・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は3日続落、市場エネルギー低下もIPOへの関心続く 日経平均は3日続落。101.33円安の26613.09円(出来高概算4億8000万株)で前場の取引を終えている。 週明け21日の米株式市場でNYダウは反発し、37ドル高となった。英国で拡大している新型コロナウイルス変異種の感染性が高いことが明らかになり、400ドル超下落する場面もあった。ただ、ファイザーに続きモデルナのワクチン接種が開始されたこと、議会が追加経済対策で合意に至ったことを好感した買いに支えられ、引けにかけて上昇に転じた。一方、日本国内でも新型コロナ新規感染者数が高水準で推移しているうえ、変異種への警戒感も根強く、本日の日経平均は155円安からスタート。朝方には26454.47円(259.95円安)まで下落する場面があったが、売りが一巡するとやや下げ渋り、26600円近辺でもみ合う展開となった。 個別では、ソニー<6758>が2%超、富士フイルム<4901>が4%超の下落。富士フイルムは「アビガン」の新型コロナ治療薬としての承認が見送られ、売り材料視されているようだ。ソフトバンクG<9984>、任天堂<7974>、トヨタ自<7203>もさえない。西松屋チェ<7545>は好決算ながら材料出尽くし感から朝高後に反落。また、三谷産業<8285>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、SUMCO<3436>が2%の上昇となっており、ファーストリテ<9983>もしっかり。中東ドバイで世界最大級のごみ焼却発電を受注したと伝わった日立造<7004>は4%超の上昇。川崎重<7012>は構造改革への期待から買われているようだ。また、サイバリンクス<3683>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、全33業種がマイナスとなり、鉱業、空運業、倉庫・運輸関連業、海運業、不動産業などが下落率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の86%、対して値上がり銘柄は11%となっている。 国内外での新型コロナ感染拡大への懸念や変異種への警戒感などから、本日の日経平均は軟調に推移している。とはいえ、朝方に一時26500円を割り込んでからはすかさず切り返してきて、基調としては26000円台でのもち合い継続といったところ。日足チャートを見ると、26500円近辺に位置する25日移動平均線が下値のサポートとして意識されているようだ。また、前日は11月18日以来およそ1カ月ぶりに日銀が通常の上場投資信託(ETF)買い入れを実施した。金額は前回と同じ701億円。本日も東証株価指数(TOPIX)が0.88%の下落で前場を折り返しているため、連日でETF買いが実施される公算が大きい。なかなか売り持ちには傾きづらいところだろう。 新型コロナの変異種に関しては、現在のところワクチンが効かないなどといった事例が報告されていないため、海外トレーダーも下値リスクを過度に警戒しているわけではないようだ。しかし、その感染力や毒性、ワクチンの有効性などについてまだわからないことが多く、様子見ムードも窺える。また、米国では来年1月5日に行われるジョージア州の上院決選投票の行方が注目されている。民主党が2議席とも確保すれば上院でも主導権を握ることになるため、今後の政権運営に与える影響は大きいだろう。 いきおい、年末を前に取引参加者が減りやすい株式市場では、売買が一段と低調となりつつある。前日の東証1部売買代金は2兆153億円とぎりぎりの2兆円台乗せ。本日の前場は8939億円にとどまっており、1日を通じても2兆円に届かない可能性が高い。市場のエネルギー低下で日経平均の27000円台回復が目先遠のいたと判断されたのか、本日は「環境」などの物色テーマに乗る銘柄を除くと、直近株価が上昇していた銘柄に利益確定の売りが出ている印象だ。また、年末を前に損出しの売りも出やすいと考えられる。 日銀のETF買いや根強い先高観に支えられつつも、目先の日経平均は節目の27000円を前に伸び悩む展開が続くとみておきたい。 こうした相場全体のムードも影響し、積極的な取引参加者の関心はなおIPO(新規株式公開)銘柄に向いている。本日は3社がマザーズ市場に新規上場し、資産運用支援のウェルスナビ<7342>が公開価格比+50%、ノーコード(プログラミング不要)アプリ開発ツールのヤプリ<4168>が+66%という初値を付けた。ともに公募・売出しによる吸収金額が100億円を超える大型のマザーズIPOだが、テック系ファンドや個人投資家の旺盛な需要を背景に堅調な滑り出しとなった点は17日上場のプレイド<4165>と同様だ。明日以降は目玉案件がやや乏しくなるものの、IPOラッシュは継続。新興市場は引き続きIPO銘柄を中心に賑わうことになりそうだ。 ■ドル・円は上げ渋り、上値の重さを意識 22日午前の東京市場でドル・円は一時103円46銭まで値を上げたが、103円50銭付近の売りに一段の上昇を阻止された。日経平均株価は前日比130円安の軟調地合いの一方、米ダウ先物もマイナス圏で推移し、今晩の株安を警戒したドル買いが観測される。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は103円28銭から103円46銭、ユーロ・円は126円35銭から126円55銭、ユーロ・ドルは1.2228ドルから1.2249ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・イメージ情報開発<3803>、免疫生物研究所<4570>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・40カ国以上 「英からの入国停止」 ・ジョンソン英首相 「漁業権問題、EUとの通商交渉で譲歩する意向」 ・ムニューシン米財務長官 「追加経済対策の合意を歓迎」 「国民への現金給付は来週始めに開始」 「小規模事業者支援で、仕事に復帰することができる人が増える」 【経済指標】 米・11月シカゴ連銀全米活動指数:0.27 (予想0.75、10月:1.01←0.83) ユーロ圏・12月消費者信頼感指数速報値:‐13.9 (予想:-17.3、11月:-17.6) <国内> ・12月政府月例経済報告 <海外> ・16:00 英・7-9月期GDP改定値(前年比予想:-9.6%、速報値:-9.6%) ・16:00 英・7-9月期経常収支(予想:-117億ポンド、4-6月期:-28億ポンド) ・16:00 英・11月公的部門純買入額(銀行部門除く)(予想:+280億ポンド) 《HH》
関連銘柄 18件
3436 東証プライム
1,253
11/22 15:30
+4.5(%)
時価総額 438,769百万円
半導体用シリコンウェーハの製造・販売を行う。TSMCなど半導体メーカーが主要取引先。日本、米国、台湾などに製造拠点。海外売上高比率が高い。AI活用による生産性改善などコスト競争力の強化に取り組む。 記:2024/08/30
3683 東証スタンダード
744
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 8,473百万円
流通業や官公庁向けに基幹業務システム等を提供するITサービス会社。電子認証サービス、デジタル証明書発行サービス、モバイルネットワーク事業等も。流通クラウド事業はクラウドサービスの提供拡大で定常収入が増加。 記:2024/06/24
3803 東証グロース
506
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 1,052百万円
企業システムの設計、開発、コンサル等を行うITソリューション事業、会員管理等の業務代行などを行うBPO・サービス事業を展開。沖電気工業などが主要取引先。BPO・サービス事業はサービス拡充等で売上増図る。 記:2024/07/01
4165 東証グロース
1,597
11/22 15:30
+116(%)
時価総額 64,888百万円
顧客体験(CX)プラットフォーム「KARTE」の提供を行う。リアルタイム解析エンジンなどが強み。サブスク売上比率は8割超。顧客社数は640社超。組織変更や人員増強などより、KARTEの販売強化を図る。 記:2024/08/29
4168 東証グロース
809
11/22 15:30
-19(%)
時価総額 10,489百万円
ノーコードのアプリ開発プラットフォーム「Yappli」、顧客管理システム「Yappli CRM」の提供等を行う。導入企業にトヨタ、京セラなど。解約率は低水準維持。Yappli UNITEの強化図る。 記:2024/08/29
4570 東証グロース
500
11/22 15:30
-1(%)
時価総額 4,658百万円
診断試薬サービスや検査サービス、TGカイコサービスを手掛ける抗体関連事業が主力。化粧品原料の化粧品関連事業も。診断試薬サービスは国内外の代理店との関係強化を図る。体外診断用医薬品領域の製品化進める。 記:2024/06/28
3,265
11/22 15:30
+43(%)
時価総額 4,061,258百万円
富士フイルムを中核とする持株会社。メディカルシステムや電子材料、オフィスソリューション、デジカメを手掛ける。医用画像情報システムで世界トップシェア。配当性向30%目安。27.3期営業利益3600億円目標。 記:2024/07/08
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
7004 東証プライム
958
11/22 15:30
+8(%)
時価総額 163,066百万円
ごみ焼却発電施設、海水淡水化プラント等の建設を行う環境部門が主力。1881年創業。ごみ焼却発電施設で世界シェアトップクラス。精密機械、風力発電等も。25.3期は営業増益計画。環境事業の収益改善等を見込む。 記:2024/07/04
7012 東証プライム
6,282
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 1,054,886百万円
総合重機大手。二輪車や航空機、鉄道車両、造船、各種発電設備プラント、油圧機器・油圧装置等を手掛ける。ウェハ搬送ロボットで世界トップシェア。1878年創業。エネルギー・環境ソリューション分野などに注力。 記:2024/10/20
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7342 東証グロース
1,024
11/22 15:30
-26(%)
時価総額 60,742百万円
全自動で資産運用をするロボアドバイザーサービス「ウェルスナビ」を手掛ける。20~50代の勤労世代が主要顧客。運用者数は40万人超。預かり資産は1兆2000億円超。24年2月に三菱UFJ銀行と資本業務提携。 記:2024/08/20
7545 東証プライム
2,262
11/22 15:30
+136(%)
時価総額 157,410百万円
ベビー用品や子供衣料、マタニティグッズ、育児用品等の専門店を全国展開。出店はロードサイド中心。低価格PB商品の開発に注力。1120店舗展開。オンラインストアは売上堅調。海外向け卸売も拡大。IT化で効率化。 記:2024/10/04
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8285 東証スタンダード
320
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 19,767百万円
化学品、空調設備工事、住宅設備機器、樹脂・エレクトロニクス、情報システム分野などで事業展開する総合商社。1928年創業。メーカー機能も持つ。住宅設備機器関連事業ではオリジナルブランド製品の拡販図る。 記:2024/10/21
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17