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国内株式市場見通し:日経平均もちあい上抜け下値切り上げへ

2020/10/10 14:42 FISCO
*14:42JST 国内株式市場見通し:日経平均もちあい上抜け下値切り上げへ ■日経平均はコロナショック後の戻り高値更新 今週の日経平均は4週ぶりの上昇に転じ、コロナショック後の戻り高値を更新した。2日のNYダウはトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染を懸念した売りから反落したものの、東京市場は、その後伝えられた同大統領の早期退院の可能性を受けて買い戻しが先行し、週初5日の日経平均は反発した。ほぼ全面高商状となるなかで、休止中の高炉の再稼働が報じられた日本製鉄<5401>が6%近く上昇したことが目立った。5日のNYダウはトランプ大統領がこの日退院することが明らかになり、追加経済対策を巡る協議の進展期待なども加わって大幅高となった。6日の日経平均はこの流れを受けて続伸した。ただ、米国の経済対策を巡る協議をにらんで、手控えムードも強く、東証1部の売買代金は取引停止された1日を除いて、9月7日以来およそ1カ月ぶりに2兆円割れを見た。トランプ米大統領が追加経済救済策の交渉を選挙後まで延期するよう指示したことが嫌気された6日のNYダウは反落した。これを受けて、7日の日経平均も3日ぶりに小反落した。東証1部の売買代金も2日連続で2兆円を割り込んだ。ただ、トランプ米大統領が航空業界や中小・零細企業など対象を絞った経済支援策の検討をツイッターで言及したことを手掛かりとして、朝方の寄りつきを安値に日経平均はジリジリと切り返し、前日終値とほぼ変わらない水準まで値を戻した。TOPIX(東証株価指数)はプラスに転じた。経済対策への期待が高まった7日のNYダウは前日比530.70ドル高と急反発し、日経平均も反発した。米長期金利の上昇に伴って一時1ドル=106円台まで円安が進んだことや、時間外取引での米株価指数先物高も追い風となり、東京市場も買いが先行した。日経平均は一時23701.77円まで上昇し、終値でも9月29日のザラ場戻り高値23622.74円を更新した。前日の米国市場での半ハイテク株の上昇を受けて、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>など半導体関連の上昇が目立った。引き続き、追加経済対策をにらみつつ続伸した8日のNYダウを受けて、9日の日経平均も小幅続伸で始まり朝方に前日のザラ場高値を更新した。しかし、日経平均は8日までの4営業日で600円強上昇したことから、週末を控えて利益確定売りが先行し、買い戻し一巡後は下げに転じて後場はマイナス圏で推移した。日経平均は27.38円安の23619.69円で大引けた。個別では日本郵船<9101>が1月の年初来高値を更新した。 ■日経平均は24000円意識 来週の日経平均は、下値レンジ23500円を切り上げて24000円をうかがう展開に期待がかかる。米追加経済対策の行方に翻弄されるなか、米大統領選で増税派とされるバイデン氏が勝利しても大規模な財政政策が打たれれば米国の経済成長が期待できるとの見方が台頭し、NYダウは切り返しの動きを強め始めた。東京市場も1ドル=106円台の円安が好感材料として加わり、日経平均は23500円から23600円を上値としたもちあいを抜け1月22日以来となる24000円乗せが意識されるチャートになっている。また、NY市場とともに東京市場でもハイテクセクター、特に指数インパクトの大きい半導体関連株に資金が還流し始めたことは日経平均の強材料として働いてこよう。ただし、東証1部の売買代金は盛り上がりに欠けており、この市場エネルギーで上値を継続的に追えるかは疑問符も付くところ。9日の海外市場で為替が円高ドル安に振れたほか、米追加経済対策の実現性など外部材料的には波乱の芽も抱えている。基本的には、米国の追加経済対策の協議に関するニュースフローに一喜一憂する相場展開が継続することになるだろう。ただ、レンジ上限の突破によって、日経平均の下値レンジが切り上がりやすくなっており、指数インパクトの大きいコア銘柄に資金が流入しやすくなっていることは確かで、下手な弱気も禁物だ。 ■物色は決算を受けた個別物色中心か 物色的には、本格化する決算発表を受けた個別株物色が主体となりそうだ。米国では13日にJPモルガン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、14日にゴールドマン・サックス、15日にモルガン・スタンレーと、金融を主体に決算発表が本格化する。国内では13日にJフロントリテイリング<3086>、14日にサイゼリヤ<7581>、15日に出前館<2484>、ファーストリテイリング<9983>と消費、小売り関連企業の決算が相次ぎ、企業決算を意識した物色展開も始まりそうだ。トピックスとしては、米アップルがスペシャルイベントを13日に開催(日本時間14日午前2時から)することが注目される。5G(第5世代移動通信システム)対応の新型iPhoneが発表される期待が膨らんでおり、アップル関連株および5G関連株に関心が高まる期待もある。 ■ファーストリテ決算、アップルイベント、米小売売上高 来週の主な国内経済関連スケジュールは、12日に9月国内企業物価、8月機械受注、13日に9月マネーストック、15日に8月第三次産業活動指数、ファーストリテイリング<9983>の8月期本決算発表が予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールは、12日にIMF・世界銀行年次総会(18日まで、テレビ会議)、ノーベル経済学賞発表、13日に中国9月貿易収支、米9月消費者物価、米アップルがイベント開催、14日にG20財務相・中央銀行総裁会合(テレビ会議)、米9月生産者物価、15日に米10月NY連銀製造業景気指数、米9月輸出入物価、米10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、中国9月生産者物価・消費者物価、EU首脳会議(16日まで)、16日に米9月小売売上高、米9月鉱工業生産・設備稼働率、米10月ミシガン大学消費者マインド指数が予定されている。 《FA》
関連銘柄 8件
2484 東証スタンダード
246
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 32,576百万円
国内最大級のフードデリバリーサービス「出前館」を手掛ける。対応エリアの広さ、認知度の高さが強み。アクティブユーザー数は540万人超。加盟店舗数は10万店舗超。配達原価の適正化、リテール事業の拡大図る。 記:2024/10/26
1,719
11/22 15:30
+12.5(%)
時価総額 465,103百万円
大丸と松坂屋HDが経営統合して誕生した持株会社。パルコ等も傘下に収める。百貨店事業が主力。SC事業、デベロッパー事業、決済・金融事業も。27.2期ROE8%以上目標。心斎橋店などはインバウンド売上が好調。 記:2024/10/24
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
17,280
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7581 東証プライム
5,210
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 272,337百万円
イタリアンカジュアルレストラン「サイゼリヤ」をチェーン展開。中国中心に海外でも事業展開。価格競争力などが強み。店舗数は1500店舗超。メニュー再構築や主力商品の改善、食材の供給体制再構築などに取り組む。 記:2024/08/06
9101 東証プライム
4,975
11/22 15:30
-62(%)
時価総額 2,293,475百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25