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後場に注目すべき3つのポイント~ネガティブ一色かと言われれば…

2020/7/29 12:38 FISCO
*12:38JST 後場に注目すべき3つのポイント~ネガティブ一色かと言われれば… 29日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は4日続落、ネガティブ一色かと言われれば… ・ドル・円はもみ合い、ユーロ・ドルは底堅い ・値下がり寄与トップはファナック<6954>、同2位が信越化学工業<4063> ■日経平均は4日続落、ネガティブ一色かと言われれば… 日経平均は4日続落。178.33円安の22479.05円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。 28日の米株式市場でNYダウは反落し、205ドル安となった。共和党上院が追加の経済対策を発表したものの、民主党案とかけ離れ交渉が長引くとの懸念が強まった。また、7月の消費者信頼感指数、企業決算でもスリーエムやマクドナルドなどの内容が市場予想を下回った。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1.3%安となり、為替相場も大規模な金融緩和が当面維持されるとの見方から一時1ドル=104円台まで円高に振れ、本日の日経平均はこうした流れを引き継いで113円安からスタート。その後は22500円を挟んでの軟調もみ合いとなり、前場中ごろには中国株の軟調な出足を受けて22454.15円(203.23円安)まで下落する場面があった。 個別では、決算が嫌気されたキヤノン<7751>、ファナック<6954>、日産自<7201>などが急落。キヤノンは第2四半期の3カ月間(4-6月)が赤字となり、メルコHD<6676>などとともに東証1部下落率上位に顔を出している。ほかに売買代金上位ではトヨタ自<7203>の軟調ぶりが目立つほか、任天堂<7974>やソニー<6758>がさえない。第1四半期(4-6月)が大幅増益となった東エレク<8035>は朝方こそ買いが先行したが、小安く前場を折り返した。一方、日経平均への寄与が大きいソフトバンクG<9984>とファーストリテ<9983>が揃って小じっかり。決算で自転車需要の高まりが再確認されたシマノ<7309>も買い優勢。また、コメリ<8218>やキャリアインデ<6538>が東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、鉄鋼、輸送用機器、電気機器などが下落率上位。半面、海運業、電気・ガス業、不動産業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の76%、対して値上がり銘柄は20%となっている。 前日の米株式市場は追加経済対策の議会合意を巡る不透明感、経済指標や企業決算の予想下振れを嫌気してリスク回避的な動きが優勢。本日の東京市場もこうした流れを引き継ぐ格好となった。日経平均は朝方から3ケタの下落でスタートすると、下げ幅を広げて22500円台に位置する25日移動平均線を割り込んだ。ただ、25日線を下回る局面ではまずまず底堅さも感じられる。 売買代金上位は決算を受けた個別対応が中心。前日の当欄で指摘したとおり、米長期金利に低下圧力がかかっていることなどから為替相場が円高基調で、トヨタ自などの自動車株には逆境が吹く。とはいえ、ソフトバンクGやファーストリテが日経平均の下支え役として機能し、メガバンク株でも三菱UFJ<8306>は小じっかりだ。業種別騰落率ではおおむね景気敏感系が軟調、内需・ディフェンシブ系が堅調だが、セクターごとの業績動向も反映されているもよう。ここまでの東証1部売買代金は1兆円ほどで、前日より増えたものの、決算発表が本格化したことを踏まえればやや低調と言えるだろう。 新興市場ではマザーズ指数が4日続落。前日のマザーズ売買代金はおよそ3カ月ぶりの低水準となり、前日の当欄で指摘した「個人投資家の主力株への物色シフト」を裏付けるものとなった。新興株の決算発表はシーズン後半に多いため、それまでは新興株への関心は高まりづらいだろう。 さて、足元の金融市場全体を見渡すと、米国株が上値を切り下げるような恰好となり、前述のとおり米長期金利の低下(債券価格の上昇)とともにドル安傾向が鮮明となっている。また、金相場の上昇などを見てもリスク回避的な資金シフトが進んでいると考えられる。前日の先物手口を見ると、モルガン・スタンレーMUFG証券による東証株価指数(TOPIX)先物の売り越しが目立ち、東京市場にもこうしたリスク回避的なムードは波及している。自動車や工作機械、事務機器などコロナ禍で想定以上に業況が悪いことも気掛かりだ。好決算への市場反応が注目された東エレクは朝高後の失速で長めの陰線を引き、半導体関連を中心としたハイテク株はこれまで相応の期待を織り込んでいたとの印象を強めそうだ。 とはいえ、日経平均が意外な底堅さを見せている点も見過ごすべきでないだろう。本日はTOPIXが0.86%の下落で前場を折り返しており、後場は日銀による上場投資信託(ETF)買いが実施される公算が大きい。全般に売買が低迷しているなか、日銀によるETF買いのインパクトは大きい。東エレクも上値の重さは否めないが、好材料出尽くしとして大きく値を崩す格好とはなっていない。決算自体は予想以上のものとしてアナリストらから評価されており、株価位置こそ高いものの売り長(信用売り残が信用買い残より多い)の信用需給であることも底堅さにつながると考えられる。シマノの決算などからはコロナ禍で新たな需要が創出されたことも窺え、これから出てくる企業決算も必ずしも悪いものばかりでないだろう。 海外株式相場も足元の新型コロナウイルスの悪影響や米中対立に対する懸念と、新型コロナワクチン開発などへの期待が綱引きしており、底割れという状況には至っていない。引き続き日経平均などの株価指数のもみ合い推移と個別株物色中心の相場展開を想定したい。 ■ドル・円はもみ合い、ユーロ・ドルは底堅い 29日午前の東京市場でドル・円はもみ合い。ドル売り基調を反映し一時104円96銭まで値を下げた。その後上海総合指数の反転を受けた円買い後退でドルは105円10銭台に浮上したが、ユーロ・ドルの底堅い値動きでドルへの下押し圧力が続いた。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は104円98銭から105円12銭、ユーロ・円は123円02銭から123円32銭、ユーロ・ドルは1.1716ドルから1.1731ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ブランジスタ<6176>、ワンダーコーポレーション<3344>、7銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはファナック<6954>、同2位が信越化学工業<4063> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・4-6月期消費者物価指数:前年比-0.3%(予想:-0.5%、1-3月期:+2.2%) 【要人発言】 ・財務省幹部 「為替の安定は重要。緊張感を持って市場動向を注視している」 「為替の水準についてはコメントしない」 <国内> ・14:30 雨宮日銀副総裁会見 <海外> 特になし 《HH》
関連銘柄 17件
3344 JQスタンダード
540
3/29 14:55
-8(%)
時価総額 4,082百万円
エンターテイメント商材をメインに扱う小売り。RIZAP傘下で再編中。21.3期3Q累計は本やゲームなどの販売が好調。不採算店閉鎖も効き増益に。今4月にRIZAP傘下のジーンズメイト、ハピンズと経営統合へ。 記:2021/02/13
4063 東証プライム
5,649
11/22 15:30
+53(%)
時価総額 11,307,558百万円
時価総額世界上位の化学メーカー。1926年設立。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー、合成石英などで世界トップシェア。海外売上比率が高い。先端露光材料の新拠点建設推進。機能材料事業は高機能性製品の販売に注力。 記:2024/10/28
6176 東証グロース
690
11/22 15:30
-6(%)
時価総額 10,057百万円
企業プロモーション支援プロジェクト「アクセルジャパン」の提供、旅行電子雑誌「旅色」の発行、ECサポートやWebサイト制作・運営等を行う。NEXYZ.Group傘下。アクセルジャパンの新規、更新売上が順調。 記:2024/07/02
6538 東証スタンダード
168
11/22 15:30
+2(%)
時価総額 3,527百万円
転職サイト「キャリアインデックス」、不動産賃貸物件情報サイト「DOOR賃貸」等を手掛ける。営業支援サービス「Leadle」などのDX事業も展開。不動産領域の法人向けサービスではユーザーの掘り起こし図る。 記:2024/08/10
6676 東証スタンダード
2,183
11/22 15:30
+21(%)
時価総額 33,400百万円
パソコン周辺機器メーカーのバッファローを中核とする持株会社。メモリ製品やストレージ製品、ネットワーク製品等を手掛ける。ダイワボウ情報システムなどが主要取引先。PC周辺機器の値上げなどで収益改善を図る。 記:2024/08/10
6758 東証プライム
2,948
11/22 15:30
-3.5(%)
時価総額 18,404,653百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6954 東証プライム
4,114
11/22 15:30
+13(%)
時価総額 4,095,154百万円
CNCシステムなどのFA事業、ロボット事業、ロボマシン事業を展開。富士通のNC部門が分離・独立して1972年に誕生。CNCで世界シェアトップクラス。海外売上高比率は8割超。配当性向は60%が基本方針。 記:2024/09/02
7201 東証プライム
406.3
11/22 15:30
-5.7(%)
時価総額 1,714,877百万円
大手自動車メーカー。1933年設立。仏ルノー、三菱自動車とアライアンス形成。プロパイロットなど自動運転化技術等に強み。日本は電動車のモデルミックス向上、中国では日産ブランド車のラインナップ刷新図る。 記:2024/10/07
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
-10(%)
時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7309 東証プライム
21,335
11/22 15:30
+360(%)
時価総額 1,906,922百万円
自転車部品大手。スポーツ自転車向けに強く、変速機やブレーキ等で世界トップシェア。リール、ロッドなど釣具も手掛ける。1921年創業。大阪府堺市に本社。自転車部品はロードバイク向けコンポーネントの需要が堅調。 記:2024/10/21
7751 東証プライム
5,054
11/22 15:30
+61(%)
時価総額 6,740,838百万円
精密機器大手。1937年設立。オフィス複合機やレンズ交換式カメラ、FPD露光装置などで世界トップシェア。バランスの取れた事業構造が強み。海外売上比率は7割超。商業印刷、産業印刷分野はラインアップ強化図る。 記:2024/10/21
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8218 東証プライム
3,195
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 173,837百万円
ホームセンター大手。新潟県新潟市に本社。園芸・農業用品に強み。ECサイト「コメリドットコム」の運営等も行う。店舗数は1220店舗超。PB商品の売上高構成比率は4割超。農業者向け商品などは販売順調。 記:2024/10/25
1,825
11/22 15:30
+19(%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17